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VSマルスズキ・北陸エリアの終盤戦は要注目!!

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初冬になると産卵&越冬前の荒食いを見せるマルスズキ。北陸エリアではアベレージが70㌢を越える良型が揃うとあって見逃せない!!

解説:丸山政寅

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荒れた海況でも安定して泳ぐフローティングミノーが主力

北陸エリアでは12月になるとシーバスゲームの終盤戦を迎える。この時期の日本列島は西高東低の冬型気圧配置に覆われ、日本海はシベリアからの冷たい寒気をともなった北風と沖からの高波によって大荒れの日が多くなる。

そんな中、産卵&越冬を目前に控えたマルスズキは体力をつけるために荒食いモードに入る。アベレージが70㌢オーバーと良型が揃うため、非常に魅力的なクライマックスシーズンとなる。しかし、強風と高波の影響を受けるうえに気温もひとケタ台となるため、アングラーにとっては過酷な環境での釣りとなる。

そして、この時期も私は磯に通っている。北陸には足場の高い荒磯からスリットやシモリが点在する場所までさまざまなシチュエーションのポイントがある。その中で私がメーンに使用するルアーはサラシが広がる荒れた状況の中でもしっかりと泳いでくれる12~14㌢クラスのフローティングミノーだ。これにサスペンドタイプのミノーとシンキングペンシルを加えてターゲットを攻略する。カラーはサラシの中でも太陽光を浴び、マルスズキに対してアピール力のあるレンズホロやクリアボディーを多用している。

低活性時はサスペンドタイプのミノーで‼

この時期の磯場でメーンベイトとなるのがサヨリだ。普段は外洋を回遊しているのだが、遊泳力の高い魚ではないので海が荒れると磯際に寄せられる。特に高波の影響を回避できるワンドの奥に集まりやすく、それを狙って回遊してくるのが産卵を控えたマルスズキだ。サヨリを求めてワンドの奥にある磯で岩礁帯が点在する場所、スリットやシモリが磯際と平行に並んでいるようなシャローエリアに入ってくる。 

私の場合、このパターンでは水質、海藻、岩礁、鳥(鵜)の有無を重要視している。それぞれの注目点は以下の通りだ。

●水質…クリアに近い方がベイトが寄っている可能性が高い。濁りが発生している場合は底荒れしている可能性が高く、砂が舞い上がって白濁した状態になっているポイントは避ける。やはり青い海と白いサラシの状況がベストだ。

●海藻…これがたくさん見られるポイントは酸素量が多く、動物性プランクトンも多く発生しているのでサヨリが集まりやすい。また、マルスズキにとっても海藻の隙間に身を潜めやすいので絶好の捕食場所ということになる。なお、こうした海藻上にルアーを通せるのは、潮位の高い冬場のメリットだ。

●岩礁…高波が直接入ってくるような場所は危険である。目の前に少なくとも2~3個の岩礁があり、高波が入ってきてもそこで崩れて目の前にサラシが広がるポイントを捜す。

●鵜…冬場は沿岸部で見ることが多く、この時期はシャローエリア付近でベイトを捕食している。鵜が海中に潜っている場合はベイトが寄っている可能性が高い。

以上の4つの条件を1つでも多く満たしているシャローエリアのポイントを捜す。そして、広範囲に発生しているサラシの中にフローティングミノーを投入する。マルスズキの活性が高い場合はフローティングミノーを漂わせるだけでバイトが得られる。ただし、波が入ってくる向きによってサラシの広がり方がかわるため、数投して反応が得られないときは立ち位置やトレースコースをかえて様子を見る。この際のアプローチ法はロッドを立てた状態でのタダ巻きだ。感覚としてはルアーの動きをロッドティップで感じられる程度のリトリーブスピードで反応をうかがう。

活性の低い個体に口を使わせるには…

マルスズキの活性が低いときやシモリに張りついている状況では波が岩礁やシモリにぶつかり、崩れて広がったサラシの裏側にサスペンドタイプのミノーを投入する。このタイプのルアーはサラシの強い流れの中でもしっかりと泳ぐので攻めやすい。

キャスト後は着水と同時にリトリーブを開始。最大深度まで到達した時点でリトリーブスピードに変化をつけるのだが、ストップさせるのではなく、スローを織り交ぜることで、サラシ内でルアーが止まったかのようなアクションを演出することができる。このとき、ルアーが姿勢を崩してヒラを打つ動きが有効で、バイトに繋がりやすい。

最終手段はシンペンをサラシになじませるように…

ミノーで反応が得られないときはシンキングペンシルの出番だ。シャローエリアではピンポイント狙いでの使用がメーンとなる。私の場合はサラシが複雑に入り交じっているポイントへダイレクトに投入する。そして、ラインスラックを取ったらラインを張らず緩めずの状態でキープしながらターゲットを誘う。水深や流れ方にもよるが、2~3秒のフォールを目安にレンジを刻む。

本文中にある2種のミノーを含めた3つのルアーでそれぞれの釣りを展開して最も反応のよいパターンを探る。時期的に悪条件に見舞われることも多いが、その中でていねいにポイントを攻めることが釣果に繋がる。

最後に、荒れた海況での釣りとなるのでライフジャケットやスパイクシューズなどの着用はもちろん、安全面には十分に留意して無理せず楽しんでほしい。

《参考タックル》 ロッド=エクリプス・レクシータ107/リール=シマノ・BB-Xレマーレ6000D/ライン=エクリプス・ヴァリアントPE2号/リーダー=サンライン・システムショックリーダー40Lb/ルアー=エクリプス・アストレイア127Fハイビート、ドリフトペンシル、サスケ裂波140SSP/フック=がまかつ・トレブルSPミディアムヘビー♯4

(SWゲームフィッシングマガジン 2016年1月号より)

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