【アジング】風がもたらす好況を独占するためのノウハウ《前編》
繊細な感覚を阻む要因である風はライトゲームにおいて大敵とされるが、ターゲットの活性を高めてポイントを形成する好条件にもなりうる。刻々とかわる状況に対応するスキルを身につけ、風表のメリットを最大限に引き出そう‼
解説:松浦宏紀
風がもたらす好況
秋から冬にかけては風の吹く日が多くなる。そんな中でのアジングは釣りづらいイメージが先立つが私は風裏に逃げず、あえて風の当たる面(以下、風表)をメインにランガンしている。
風があると軽いリグをキャストできない、リグが流されやすい、ラインがフケてアタリがとりづらい、それらを克服しようと長時間釣り続けると体力を激しく消耗するなど、さまざまなデメリットが生じることは事実だ。しかし、風表をうまく攻略することができれば、さらなる釣果アップや技術面のステップアップに繋がる。
それに、風表はデメリットばかりではない。風によって波が立つことで、ベタベタな海面と比較して人的プレッシャーがかなり軽減される。また、テトラ帯や堤防などに波がぶつかることで海中の酸素濃度が高まり、フレッシュな状態となることから魚の活性が上がりやすい。さらに、遊泳力の低い小魚やアミなどのベイトが風によって岸際まで寄せられやすく、それを追うアジが平常時よりも近距離まで回遊したり、捕食のためにステイする時間も長くなることが期待できる。
そして、ベイトが寄せられているのであればリグの飛距離はさほど重要ではなくなる。そのため、私はジグヘッドリグで臨むことが多い。風による飛距離のマイナスぶんのみを考慮し、無風時よりもほんの少し重めのジグヘッドを使用するだけで十分に通用する。
このように風表には魚の活性を高める条件と短時間でも勝負がつく要素が揃っており、それはデメリットを補って余りあると考えている。
海中は荒れていないことが重要
ポイントを定めるうえで、風が当たっていればどこでもいいということはなく、必要な条件がいくつかある。
●底ウネリがない状況…風による海面付近だけの波と違い、底潮が湧き上がってくるようなウネリはアジの接岸を阻む。海面の上下動があまりにも大きいときはショアから届く浅い場所は釣りにならず、安全面からも避けるのが無難。風は当たるがウネリが入っていないところを見つけたい。
●常夜灯が存在する…風や波の強さによらず、アジングにおいてはアミなどのベイトを集めてくれる常夜灯の明かりは外せない要素。釣り座のすぐ背後からガンガンに照らされているようなところでなくてもよい。うっすらと明かりが効いているだけでもゲームは十分に成立する。
●ベイトが溜まるシチュエーション…回遊を繰り返しながら捕食するアジは、ベイトが溜まるポイントには長く滞在する傾向がある。前述の常夜灯に加え、消波ブロックや大きな岩といった障害物が絡めばよりベイトが溜まりやすく有望だ。また、マクロ的に見れば湾状の地形は風により奥の浅いところまでベイトが寄せられることが多く、好ポイントを形成しやすい。
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