グルメな釣り人が太鼓判を押す至極の魚料理レシピ 《PART3》
大分県の郷土料理であるリュウキュウ丼。家庭的でオーソドックスな海鮮丼だが、3枚におろせるなら魚種は特に問わずにブリでもタチウオおいしくいただけるから…
解説:久田泰洋
タチウオの持ち帰り方
タチウオは体を動かせないと死んでしまう部類の魚なので、船釣りでもそのままイケスに入れるというわけにはいかない。氷を入れたクーラーボックスの持参は必須だ。また、小さいクーラーボックスだとベルトのように丸めて入れるしかなく、そのまま死後硬直すると3枚におろすなどの調理が面倒になる。できるだけ長さのあるクーラーボックスを用意し、魚体をまっすぐにしたまま持ち帰りたい。
ただ、下処理といってもタチウオの場合はナイフで締めることはせず、釣り上げたらそのままクーラーボックスに入れている。このとき、氷の上に新聞紙を敷いておき、身が直接触れて氷焼けするのを防ぐとよい。
オレ流、こだわりのレシピ
大分県には特産のアジやサバを使った郷土料理として「リュウキュウ丼」なるものが存在する。特に沖縄料理を意識したものではなく、どうして「琉球」なのかは不明だ。小さめに刻んだ魚の刺し身をしょう油ダレやゴマダレに漬け込み、それをドンブリご飯に乗せた家庭的でオーソドックスな海鮮丼である。3枚におろせるなら魚種は特に問わず、ブリでもタチウオでもOK。博多にはゴマサバを使用した、そのものズバリな「ごまさば」という名物があり、長崎にも同様の料理がある。
そして、こだわりとしては、タチウオの皮を引くのがポイント。一般的にタチウオの刺し身といえば料理店でも皮を残したままである。しかし、この皮には弾力があるため少々食べにくいばかりか、メタリックな色彩ゆえ食欲を削がれるという人もいる。かくいう僕もその1人で、どうも抵抗があるので包丁で皮を引いていただいている。その身で作ったリュウキュウ丼は、タチウオのコリコリとした食感と甘味が、ワサビのピリッとした風味やしょう油ダレと抜群の相性を見せて最高である。
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