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低水温期に内湾部でシーバスをキャッチする方法

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シーバスゲーム 冬〜春1

大阪湾などの内湾部では3月が最も水温が低いとされているが、その中でシーバスゲームを成立させるにはどのように立ち回ればいいのか? シーズンを通して結果を残すエキスパートの意見に学ぼう!!

解説:黒川弘樹

低水温期の港湾シーバスゲーム

ホームの大阪湾を例にあげると、2月以降は北からの冷たい風が吹きつけることに加え、和歌山方面での黒潮の離岸にともなって湾内の冷水が引っ張られるように広範囲に広がって海水温が9~11度ほどに低下します。それにより秋の定番であるイワシなどのベイトフィッシュは淡路島沖や和歌山県南部へ移動し、1月ごろに産卵を終えたシーバスも体力を回復させるために水温の安定する沖の深場へ落ちます。

ただ、大阪湾には多くの河川が流入しているうえ、大きな工場などが建つ埋立地がいくつもあります。それらにより形成される港湾部は北風を遮りやすく、中には工場から温排水が流入するところなどもあり、外海より1~3度ほど水温が高いことも珍しくありません。河川にストックされているベイトはそうしたところに集まり、シーバスも何も食べないわけにはいかないので体力の回復が早い個体からそれらのベイトを求めて接岸してきます。ですから、この時期のメインベイトであるカニ、ハゼ、イナっ子(ボラ)が集まる場所を見つけることができれば、良型シーバスのヒットが期待できます。

シーバスゲーム 冬〜春2
地形などの条件により多少なりとも水温差が生じます。より高めで安定しやすい場所を狙えば…‼
シーバスゲーム 冬〜春3
ベイトの動向も水温に影響されますから、シーバスが食いやすいものは何かを考えましょう。

ベイトの動向から読み解く時合の考え方

低水温期のデイゲームにおいてセオリーといえるのはストラクチャー回りの底付近を狙うこと。最も明解な定番ポイントは橋脚です。特に、工場からの温排水がある、もしくは岸に住宅が建ち並んでいる港湾部の河川に架かる橋で、すぐ近くでより大きな河川に合流するといったシチュエーションであれば理想的。そこにイナっ子が溜まっていれば期待度は高いといえます。

潮は上げよりも下げ始めが釣りやすいでしょう。前記のベイトのうち、カニはシーバスにとってやや捕食しづらい相手ですから、ハゼやイナっ子といった小魚がメインと考えられます。

それらは、大きな河川では潮が下げ出すと水深がある沖のミオ筋に落ちますが、港湾部の奥まったところでは全体が浅いのでより大きな河川や外海へ移動し、当然シーバスもそれについて行きますから潮位が低いときは狙いようがありません。イメージとしては夜間に上げ潮に乗ってベイトとシーバスが湾奥に入り込み、夜明けとともに潮が下げ出してそれらが出て行くところを狙うというものです。3月であれば夜明けが6時前後なので、大潮前の中潮がベストタイミングといえます。

シーバスゲーム 冬〜春4
シーバスゲーム 冬〜春5
シーバスゲーム 冬〜春6

有望となる条件と注意点

また、そこに雨後の濁りが入るとシーバスの警戒心が薄れて活性が上がり、デイゲームがより成立しやすくなります。ただ、雨後はたいてい北寄りの風が吹き、それによって水温が低下します。三寒四温といわれるように、気温や水温がなかなか安定しないのがこの時期の難しいところです。そうそう巡り合えるものではありませんが、温かいタイミングで降雨があって濁りが入ればトップに出ることもあるので、トップウォータープラグを1つは忍ばせておくといいでしょう。

なお、昼夜を問わず春は基本的にショートバイトが多いです。フックは新品に交換して、実釣中もこまめにフックポイントをチェックすることをおすすめします。バイト数は多くないので貴重な1匹を取りこぼさないようにしましょう。

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