ショア遠征釣行ガイド・トカラ列島編
GT・イソマグロ・キハダなど、規格外のビッグワンが射程内に入る夢のフィールド、それがトカラ列島だ。とはいえ、念願のトロフィーを手にするには数少ないチャンスを生かすための万全の準備と知識が不可欠だ
解説:新名啓一郎
トカラ列島の魅力
トカラ列島とは薩南諸島の玄関口である屋久島から奄美大島の間、約320㌔に渡って浮かぶ島々である。口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島、宝島の有人島7つ、無人島5つで形成されている。
とうとうと流れる黒潮の影響を色濃く受けるエリアだけに、ショア、オフショアともにGTやイソマグロ・キハダなどの実績は高い。そのポテンシャルについては語るまでもないだろう。ただ、そんな国内有数の好フィールドでも、海況や天候によっては意外と厳しい展開になることが多いのも事実だ。
巨大な魚が釣れた事実だけがスクープされがちだが、気軽にエントリーしてサクッと釣れるような簡単なフィールドではない。現地を訪れる際は、理想と現実のギャップを受け入れる覚悟を持って臨んでほしい。
とはいえ、中型の青物やカスミアジ・ギンガメアジ・フエダイ、小物の数釣りに的を絞れば、イヤというほど楽しめる夢のフィールドでもある。釣りの楽しみ方が巧みな人ほど、トカラの魅力にどっぷりとハマってしまうはずだ。
今回はそんなトカラ列島における巨大魚狙いの登竜門、堤防からのGTゲームにスポットを当て、その楽しくて奥深い世界を紹介したいと考えている。ただし、堤防といえども足場の高さは10㍍ほどある場所もあり、加えてナイトゲームがメインとなるため常に危険がともなうことを覚えておいてほしい。ウネリがある場合は足もとを波が洗うこともあるので、気象条件をしっかりと見極め、釣りを中断する勇気も必要となる。
ヤミツキになる理由
いくらトカラとはいえ、狂ったように巨大魚のバイトが連発するようなケースはほとんどない。「ルアーを投げたら何かスゴいことが起こるのでは…」と身震いするような状況は数えるほどしか経験がない。ただ、そのインパクトは強烈なもので、魂の奥底まで刻み込まれるような衝撃が今でも私を南海に駆り立てる一因となっている。
ジュラシックパークを彷彿させるような壮大なロケーションの中、ジワジワと寄ってくるベイトの群れ、その後方に打ち上がる複数の巨大な水柱…。背ビレで波を切りながらルアーをチェイスしてくるような狂喜乱舞の光景をぜひ味わっていただきたい。
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