【スローピッチジャーク・ステップ2】タックルを徹底考察 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

【スローピッチジャーク・ステップ2】タックルを徹底考察

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ジグとフックについて


ジグ

各メーカーからさまざまなタイプが発売されているが、僕は水切れがよく、竿先が戻って海面と平行になった直後に自走するタイプのものを好んで使っている。ジグの自走についてはそこに繋げるための初速で調整。竿の曲がり、リールの巻き取りで竿が返った後のジグの自走をどれだけ出すか、どれだけ押さえ込むかを力の加減でコントロールする。

たとえば、リールのハンドル位置が3~9時(1/2ピッチ)、竿のベンドは70㌫でスムースに横を向いて自走に繋がるといった具合だ。また、ハンドル位置が12~12時(ワンピッチ)、竿のベンドカーブはフルベンドでジグが回転してしまうなど 自分の使用するジグの特性や性能を把握しておくことが大切だ。

僕が以前、ロッドを開発したときに意識したのはこの感覚を掴みやすくするということだった。これぐらいの糸巻きトルクをかけたときに竿がこの程度のベンドカーブになり、その位置から海面に平行になる。竿がジグを持ち上げるスピードがこれぐらいのときにこのジグはこの程度動くというような感覚を掴めるように設計した。

実釣では常に同じタイプのジグを使用することでジグの動きに強弱をつけられるようになり、魚にアピールできるアクションが演出できると思う。ぜひ同じものを使い込んでほしい。それと、回収時にクルクルと回るジグはヒット率がわるいように思う。タックルバランスとジグウェートを含め、その日の自然状況に左右される繊細な釣り方だからこそバランスのわるいジグは釣果を下げる原因に繋がるはずだ。

フック

スロー用のフックも数多く登場している。そして、基本的にはフロントに2本、リヤに2本と、1つのジグに4本のハリをセットする。これでダイレクトに掛かる場合は気にならないのだが、スローピッチジャークの場合は魚のアタックのバリエーションの多さに驚かれることと思う。ダイレクトに「ガツッ」とくるときや「コツコツ」と甘噛みするとき、ゆっくり「モゾッ」と噛みつくような感じなど、いろいろなアタリがでる。アタリはジグが横を向いているときにでることが多く、このとき竿は海面に平行、リールのハンドルは止まった状態ということになる。つまりテンションがかかっていない状態のときにアタリがでるケースが多く、これを掛けていかなくてはならない。

そこで、僕は俗にいう早掛けタイプのものを好んで使用している。このタイプの形状は細軸でショートシャンク、ハリ先はカーブというもの。そして、早掛けとはハリが魚の身に触れて刺さり込む時間をあらわしている。この形状は口内だけでなく、魚の体のどこにでも掛けられるので、このタイプの使用をおすすめしたい。

それと、ファイト中のハリには魚の身をホールドするという役割がある。その点で細軸は線径が細いぶん刺さりはよいが、身をホールドしておくことが難しい(ハリが細いぶんだけ身に接する面積が少なくなり、身切れの原因になりやすい)。そのため、上下に各2本、計4本のハリで魚を絡め取るようにするのだ。

他にもスローピッチの釣りでは軽量なハリが有利となる。軽ければジグが自走する際の妨げ(抵抗)にならず、なおかつ自由度が増す。魚はジグを噛んでくるがジグ自体は重くて吸い込めなくても、軽量なハリだけは弱い吸引力でも口内に入りやすくなる。

以上が僕なりのタックルに関する考え方だが、ロッド、リール、ライン、ジグ、フックの組み合わせは無限にある。決してパターンを決めつけず、その日の状況に合わせたタックルセレクトを目差すことで釣果は格段に伸びていくはずだ。

僕自身もまだまだ知らない組み合わせが存在するはず。こうと決めつけず、いろいろと試していくのもこの釣りの楽しさの1つと考えて試行錯誤を繰り返してほしい。

近年は各エキスパートが試行錯誤を重ねてますます可能性が広がっている。

(ザ・スローピッチジャーク〈2013年発行〉より)

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