シーバスゲーム“脱レンジキープ”を意識したシンキングペンシル使いの妙 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

シーバスゲーム“脱レンジキープ”を意識したシンキングペンシル使いの妙

シーバスゲーム・シンキングペンシル&バイブレーション1

全層対応のオールラウンダーといえるシンキングペンシル。シーバスゲームにおいては「脱レンジキープ」を意識して食わせのタイミングを倍増させましょう!!

解説:山先亮一

シンキングペンシルの使いどころ

シンキングペンシルの強みとしては、まずは微波動があげられます。ミノーに比べて引き抵抗が少なく、基本的にはスラロームが中心で大きなS字を描いてユラユラと不安定に泳ぎます。これがストラクチャーについた警戒心の強い大型シーバスに対して有効だと感じています。

さらに、トップからボトムまであらゆるレンジを攻められる点も大きな魅力。基本的にはリップがついていないので水の抵抗を受け過ぎると浮き上がりますが、速巻きやロッドを立ててリトリーブすればトップウォータープラグのようにも操ることができます。また、流れになじませてレンジをキープしたり、テンションを抜いて沈めるなど、実に多彩な攻めが可能です。

もちろん、定番といえるミノーと比較してどちらが優れているということではなく、それぞれに得意なシチュエーションがあります。そのため、いずれかに偏った使い方をするとヒット率が下がる可能性があるため、うまくローテーションすることが大切です。

特にシンキングペンシルが活躍するのは河川や干潟でのブレイク狙いです。イワシやイナッコ、ハヤなど、一般的なサイズのベイトパターンであれば威力を発揮するでしょう。また、ナイトゲームでスローに誘いたいときにも有効です。

可変スイムでバイト率アップを実現!!

1投ごとにレンジを細かく刻んでいくのもいいですが、1回のアプローチでレンジを大きく変化させるパターンも有効です。とはいえ、ジャークを入れるわけではなくタダ巻きでOKです。

この場合、ルアーが着水したらすぐにリトリーブを開始しますが、引っ張らずに糸フケを回収するのみにとどめます。これでルアーは着底するか、ダウンクロスに入って流れの抵抗を受け、浮き上がってくるかのいずれかとなります。その後は最後までゆっくりと巻き続けて回収というパターンを繰り返します(ダウンクロスに入った場合は水面から飛び出させないように注意して下さい)。

扇状にキャストしてこのパターンで探ることにより、各コースの表層からボトム付近のレンジを幅広くトレースすることができます。そして、あえてレンジをキープしないことで魚のフィーディングポイントを増やすことができます。

どういうことかというと、図1のようにレンジをキープしようとして一定のテンションでリーリングすると、ルアーの挙動やスイムレンジが極端に変化するのは「①着水後の動き出し、②回収前の上昇、③ターン時」の3回となります(①と②は縦の動き、③は横の動き)。

シーバスゲーム・シンキングペンシル&バイブレーション2
シーバスゲーム・シンキングペンシル&バイブレーション3

一方、図2のようにレンジを大きく変化させると、ルアーの挙動やスイムレンジが大きくかわるのは「①着水後の動き出し、②着底後、③ボトムからの立ち上がり、④回収前の上昇、⑤ターン時」の5回となります(①~④は縦の動き、⑤は横の動き)。

この動きの変化が食わせのタイミングとして有効であることは間違いありません。シーバスゲームを始めたころ、河川でシンキングペンシルをゆっくりとトレースしているだけで好釣果を得ることができました。しかし、経験を積んで同じアプローチを試しても、なかなか思い通りに釣ることができませんでした。当時より確実に上達しているはずなのになぜ釣れないのか? よくよく考えると、ビギナーのころはルアーの引き抵抗を気にせずにリトリーブしていました。つまり、スイムレンジも大きくかわっていたのです。それに気づいて意図的にレンジを大きくかえることでヒット率が格段にアップし、大型も釣れるようになりました。また、1回のアプローチで変化が多いほど魚が口を使いやすいと感じています。

さらに、シンキングペンシルを使うと横だけでなく、縦の釣りも意識するようになるのでスキルアップにも繋がるでしょう。ただ、シンキングペンシルといってもペンシルタイプ、リップつき、シャッドタイプ、浮き上がりにくいもの、浮き上がりが早いものなど、いろんな種類があります。それぞれの特性を把握したうえで各タイプを使用することで攻め手が大きく広がるはずです。

シーバスゲーム・シンキングペンシル&バイブレーション4
意図的にレンジを変化させて、1回のトレースでより多くの食わせの間を作ることがヒットのカギとなります。

「動のアピール」も必須

シンキングペンシルが「静のアピール」なら、ミノーやバイブレーションは「動のアピール」が演出できます。そして、静があっての動であり、動があっての静なので前述のように使い分けが必須です。シンキングペンシルが食性に訴えかけるルアーとするなら、バイブレーションは反射的に食わせるルアーということになります。

シンキングペンシルで反応がなくなり、魚がいないと思うような場面でもフォローとしてバイブレーションを投入すると、ヒットに持ち込めることがあります。波動も真逆である両者をうまく使い分け、メリハリのあるアプローチでターゲットを攻略しましょう。

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