最初の1匹を手にする磯のヒラスズキゲーム講座《後編》
確実に取り込む
ビギナーに多いのが、魚がヒットした瞬間に我を忘れてリールをグリグリと巻くファイトスタイルだ。これでは魚が元気で、しかも不意のフッキングに驚いて頭をこちらに向けたままエラ洗いされればフックが簡単に外れてしまう。特にテイルフックのみのフッキングではバラシの可能性がかなり高い。
このような場合、頭を向こう(アングラーと逆側)に向かせてしまった方が、遊んでいるフックが魚体に絡みついてバラシを軽減することができる。ヒラスズキは餌を食べた瞬間、必ず反転して逃げようとする性質があるので、いったん頭を向こうに向かせてやった方がいいわけだ。
前述のように根に潜ったり、岩に張りつくような魚ではないので、決してあわてることはない。魚を刺激しないように落ち着いてやり取りしたい。
また、2~3回ほど追い合わせを入れるアングラーを見かけるが、ヒラの口は青物のようにかたいわけではなく、大きく口を開けやすいように骨と骨が薄い膜で繋がったような構造になっている。過度なフッキングはハリ穴を広げてかえってバラシを誘発するため1度で十分である。
また、興奮のあまりにラインを必要以上に巻き取るアングラーも多い。竿先から出るラインがロッドの長さより短くなると、そのぶんナイロンリーダーの伸びを生かしにくくなってバラシやすい。また、急な突っ込みに対応しきれずラインブレイクする可能性もある。まずはロッドの長さほどラインを出した状態まで巻き取り、フッキングの場所や掛かり具合を確認してから取り込もう。
私は大型の玉網を使用しているが、ギャフでも構わない。足場が低くて魚を誘導できるスペースがあればズリ上げるという手もある。ただし、大型の場合はズリ上げ時に暴れてロッドが破損したり、ラインブレイクする恐れもある。波の具合や地形にもよるが、個人的にはズリ上げはおすすめしない。
また、水中の魚をフィッシュグリップで直接つかむようなランディングは、地形が平坦でよほどのナギでなければ成立しない。水際は最も危険な場所なので、基本的にはやるべきではない。
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