【第5回エギンガーズミーティング】結果報告
【第5回エギンガーズミーティング】が開催されました。自然とのふれあいの楽しさ、大切さを後世に伝えていくことを主眼に置いているこのイベントでは毎年テーマを設け、さまざまな観点から海や自然を取り巻く問題について考えています
報告:エギンガーズミーティング実行委員・中野寛成
[spacer]去る4月8日、和歌山県串本町二色の旧錦富小学校にて『第5回エギンガーズミーティング』を開催しました。前日まで雨天続きで開催が心配されましたが、当日は幸い天候にも恵まれ、総勢50名の参加者にお集まりいただいて「拾うだけでは解決しない」をテーマにミーティングを行ないました。
[spacer]当日はエギンガーズミーティング代表・仙波勝也の挨拶から始まり、串本観光協会の宇井晋介氏による「黒潮大蛇行の影響」のディスカッションが行なわれました。今年の南紀エリアは黒潮大蛇行の影響で南方系の魚が減り、かわりにアジが増えていることやサンゴの白化が進んでいることなど、思っていた以上に黒潮の影響や恩恵を受けている事実を知りました。
[spacer]続いて武宮隆史、 広川嘉孝、湯川マサタカの3氏による「最新エギング事情」のトークセッション。「13年前の黒潮大蛇行とアオリイカの行動関係」、「安全対策とエギング釣行について」など、ここでも興味深く、また貴重な話を聞くことができました。
さらに「落水実演の動画上映・解説」では前年度に行なった落水実演の動画を鑑賞。救命具の重要性を痛感するとともに、趣味として楽しむ釣りではあるものの、命にも関わる危険と背中合わせであることを再認識しました。
[spacer]そして、今回のメインテーマである「拾うだけでは解決しない」では、ゴミ問題について深く掘り下げ、意識改革に向けたディスカッションを行ないました。
ここではロストした餌木やラインを含めた海洋ゴミの経路、漂流・漂着ゴミの存在、世界中で生産されるプラスチックの約10㌫が海に流れ込んでおり、その大部分は海流が渦巻く太平洋ゴミベルトで停滞していること、そのうちの3割が海面に浮かび、7割が沈んでいるといわれている現状について知りました。
さらにプラスチックゴミの自然環境への悪影響、ペットボトルの破片散乱問題、生きものに与える悪影響など、ゴミを拾うだけではなく、根本的に減らすためにはどうすればよいのかを考えさせられる内容でした。参加者のみなさんも真剣な表情でこの講話を聞き、諸問題についてそれぞれが考えを巡らせていました。
[spacer]その後は参加者全員で会場近くの浜にて清掃活動を実施。動物が餌と間違えて食べてしまいそうな細かなプラスチック片の存在も意識するなど、短時間ながらこれまでとは違った視点でゴミを回収。量ではなく内容の濃い清掃活動となりました。
以上、『第5回エギンガーズミーティング』の主な内容を報告させていただきましたが、釣果を競うことだけを目的とするのではなく、釣り人のマナーアップや資源保護など、未来の子どもたちにエギングはもとより「自然とのふれあい」の楽しさ、大切さを伝えていくことも私たちの重要な役目であると考えています。今後も少しでもみなさんの印象に残るミーティングを行なっていきたいと思っています。
[spacer]※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。