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スキルアップを実現する名手のスタンス《PART1》

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ロックショアゲーム オフショアジギング1

失敗の数は成功の大きさに比例する。各ジャンルのエキスパートが経験してきた飛躍へと至る過程には多くのヒントが…

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ロックショアゲーム

釣っても釣っても核心は掴めない。
だから、ずっと開拓者でいられる‼

新名啓一郎

あ~でもない、こ~でもないと悩みながらいろいろと試し、やっとの思いで釣り上げた1匹に「読みが当たった‼ やっぱりコレなんだ‼」なんて思う瞬間が私にはよくある。一方で、そのドラマチックな瞬間が過ぎ去り、クールダウンした後にふと冷静に考え直したり、後日フィールドで異なるパターンにぶち当たったときに「果たして本当にアレが正解だったのか?」と疑問に思うことも少なくない。

海は果てしなく広く、そして深い。そこに立つと、今までの私は安直に導き出した答えやエラーばかりを積み上げ、核心めいたことはほんのひと握りも拾えていないようにすら感じる。

近年はチョチョイとインターネットで調べれば釣れるポイントやヒットルアーからターゲットの生態に至るまで、ひと通りの情報を無料で拾うことができる。便利な世の中になったのは間違いない。昔、というか少し前までは親切ていねいに教えてくれる人すらおらず、数少ない釣友や雑誌からの断片的な情報をフィールドで照らし合わせて自ら感じるしか手がなかったのだ。ただ、角度をかえてみると、今の時代はエラーのしようすらない、おもしろ味に欠ける状態へと進化してしまったようにも思える。

釣果までの過程にさまざまな楽しさが存在する

過去にヒラスズキ釣りを友人に教えたことがあるが、それは私にとってとても苦い経験となった。当初は単に釣果をわかち合うことで一緒に楽しみたいと思っていただけだった。そこで、タックル、ポイント、潮位や波の向きの考え方など、知り得る情報をこと細かく教えた。当然、友人は簡単にヒラスズキを手にして喜び、私としてもこのゲームへの導入は成功。よかったよかった、となるはずだったが、その後に問題が起こった。

「あの場所でヒラスズキが釣れないんだけど、どうすればいい?」と尋ねてくる友人に対し、私はまた違うポイントを教える。それを延々と繰り返す日々が続いた。その結果、とうとう友人は「釣れないからつまんない」といい残し、それっきりショアの釣りをぱったりとやめてしまったのだ。

当時、私はショアでのゲームの楽しさは釣果にあると勘違いしていた。それに沿って友人に釣り方を教えたため、1匹を手にするまでのプロセスや、その過程でフィールドで感じるさまざまな楽しさを奪うことになっていたわけだ。友人がショアの釣りをやめたことで、私は思い上がっていたのだと気づかされた。

釣行の最終目的が釣果であることは確かだが、そのためにフィールドを徘徊していろいろと試し、エラーを元に核心に迫ることにこそこの釣りの最大の楽しさがある。それを私が伝えることができなかったため、釣果が得られたとしても友人の満足度は低かったのだろう。

自身の釣行を思い返してみても、釣果の背景にはショアラインのトラバースを繰り返し、やっとのことで魚を捜し当て、繊細な食わせの間合いを慎重に見極めつつヒットに持ち込むという努力とスリルがあった。そして、感性は人それぞれであり、そのようにフィールドで起こるひとつ、ひとつの事象に対してもとらえ方はさまざまで、どう対応するかも異なる。釣れなくても、そこに楽しさを見出せるはずなのだ。

ロックショアゲーム ステップアップ2

自分自身の考えでフィールドを徘徊してこそ得られるものがある。

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目先の釣果よりも優先すべきことは…

そうした経験から、「釣果=楽しさ」と安直に考えることはなくなった。また、教えるという行為はひとつ間違えると相手から楽しみを奪うことにもなると今では認識している。釣り方やポイントの情報をどう伝えるべきか、以前よりも慎重に考えるようになった。

現在の私は、友人を釣りに連れていく際に「釣果情報がない状態で、一緒に魚を捜す」ことを条件としている。影で「ケチ‼」とか「もったいぶって」なんていわれているかもしれないが…。一方で、「あそこでアレが入れ食いですよ‼一緒に行きませんか?」なんて甘い誘いにも決して乗ることはないのである。

昔からの釣友が今も、そして先々も釣友であり続け、一緒に楽しい釣り人生を歩んでいけるということを、目先の釣果よりも優先すべきである。今のところそれができているのは、フェアに釣りを楽しむようにしているからかもしれない。今後もルアーフィッシングにおける楽しみ方を発信していくつもりだが、フィールドで感じることを損なわないように気をつけたい。

とはいえ、そうした現状も自己解決できるという消極的な折衷案に過ぎない。いずれ違った考え方を持つこともあるかもしれない。

ロックショアゲーム ステップアップ3

フィールドで感じることを自身の釣りに取り入れる。それが発展に繋がれば…。

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