グルグル釣法でシンプルかつ合理的なエギングを展開《前編》 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

グルグル釣法でシンプルかつ合理的なエギングを展開《前編》

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エギング グルグル釣法1

乗せのタイミングではフォールを用いるのが一般的だが、エギング創生期から普遍的なメソッドとして追求されているのがリーリングによる水平移動アクションだ。そこにはシンプルながらも理にかなったコンセプトがあり…

解説:菅原正史

春イカ狙いのマイスタイル

春は産卵を意識した大型のアオリイカが浅場のウィードエリアを目差して回遊してくるため、大型に巡り合うチャンスが高い時期である。しかし、藻場に入ってペアリング(産卵行動)が始まると、なかなか口を使わなくなるのもこの時期の特徴だ。

一般的には春を迎えて気温とともに水温が上昇し、17~18度ほどで安定すると産卵行動が活発になるといわれている。産卵を意識した個体は外洋から接岸し、産卵場となる藻場などに入る前に、一時的に沖のブレイクや深場などに溜まることが多く、これにベイトの回遊が絡むと産卵前の荒食いモードに入ることがある。このような状態の個体を狙う方がヒットのチャンスが広がると考えている。

私の場合は週末釣行がメインであるため、メジャーフィールドでは人的プレッシャーが高くてなかなか思い通りの釣りが展開できないことも多い。そのため、できるだけ人が少ない場所を捜して竿を出すようにしている。

また、ファミリーフィッシングも私のスタイルの1つで、釣り場付近のスーパーで新鮮な魚介類や地元ならではの食材を購入し、釣りが終われば車中で釣りの話をしながら家族団らんの時間を過ごすのも楽しみとなっている。

情報を収集して狙いを的確に絞る

エギングではシャクリ後の乗せのタイミングをどのように演出するかが何よりも重要だと考えている。そして私の場合、シャクッた後は餌木が一定層を一定スピードで水平移動するようにリーリングして乗せのタイミングを演出している(通称、グルグル)。弱りながらも逃げるベイトを演出するイメージだ。

グルグルの場合、イカは餌木を追って背後から覆いかぶさり、抱きかかえるように捕食するので口もとやゲソのつけ根部分にしっかりとフッキングしやすいのが特徴である。つまり、フッキングポイントをこちらで意図的に操作できるため、足1本掛かりや餌木を横抱きしてカンナがフックアップしないといった不安要素を排除できる。大型が相手でもファイトに集中できるのが最大の利点だと感じている。

また、グルグルでは乗せのアプローチだけでなく、1投ごとに海中のさまざまな情報をキャッチできる。たとえば、岩礁帯や砂地といった底質、サンゴや藻場などのストラクチャーなど、海底に餌木をコンタクトさせることで地形を把握できるし、巻き抵抗の変化から潮の流れ方も察知しやすい。

巻き抵抗が重くなれば沖に払い出す流れが発生していると判断できるし、逆にリーリング時に糸フケが出てテンションがかかりにくいなら当て潮といった具合に、手もとに伝わる感触から刻々とかわる潮流を把握できる。このように目で見えない水中の情報をつぶさにとらえることができれば釣りが組み立てやすくなり、精度の高いアプローチが展開できる。

実際には餌木から伝わる情報を元に狙い目となるポイントを絞り込み、そこに効果的にアプローチできるポジションを設定する。もちろん、風向きや波の周期、潮位といった目で確認できる情報も加味して考えたい。

エギング グルグル釣法2

乗せのアクションとしての有効性はもちろん、手もとに伝わる感触から水中のあらゆる情報を読み取れるのがグルグルメソッドの強み。その豊富な情報量を生かしていち早く狙い目を絞ることができれば、ハイプレッシャーな状況下でも十分に釣果は期待できる。

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