スローを極めて攻め手を拡大【完全無欠の食わせ術】《PART6》VSシーバス
シーバスゲームにおいては、流れとスローなルアー操作は密接な関係にある。特に低活性な個体に口を使わせるには、流れをうまく利用したスロー戦術が不可欠となるから…
解説:山先亮一
流れとスローアクションの関係
夜間にシーバスを狙う場合、ルアーをスローに操作するアプローチが有効であることは一般的にもよく知られている。しかし、このスローには人それぞれの見解があり、僕自身は最も奥の深い操作方法と認識している。
そして、ルアーをスローに操作するうえで必要不可欠となるのが流れだ。流れにつくシーバスは状況が変化すると、いるのに食わないということが珍しくない。ただ、魚の活性が高いときは食わせるのがそれほど難しくないので、今回は低活性な個体をスローなアプローチで攻略する方法を紹介したい。
なぜ、流速のあるエリアでスローが効果的かというと、フィッシュイーターの気配を感じたベイトフィッシュが逃げる際に、流れが邪魔をして逃げ遅れるから。つまり、フィッシュイーターからすると捕食しやすい環境といえる。そこで流されてきたり、流れに乗ったベイトフィッシュを演出するためにスローアプローチが必須となる。
スロー領域の考え方
まず、大きくわけてアップクロスとダウンクロスでスローの概念がかわる。基本は流速に合わせるわけだが、これをきっちりと実践するのは決して簡単なことではない。
アップクロス
流れのかみ手側にルアーを着水させた場合、単にスローにリーリングしてもテンションすら感じないし、ルアーがアクションしているかどうかが不安になるなど、感覚的にしっくりとこない方もいるのではないだろうか? アップクロスに関しては図①のようにラインスラックを作り、ラインを先行させてルアーをアクションさせる。よほどウォブルの強いルアーでない限りは、波動を手もとに感じることはできないが、ラインに引っ張られて推進力が発生した時点でルアーがアクションするので問題ない。
この点については明るい時間帯に確認しておくことをおすすめしたい。もちろん、物理的にも揺るぎないものなのでルアーは確実にアクションしているが、それを自分の目で見ておけばいろいろとイメージしやすいはずだ(ルアーによっては目視できない動きのものもあるが…)。ちなみに、アクションしなくても推進力が発生した時点で水押しでの波動は発生する。
そして、アップクロスでのスローは流される・流れに身をまかせるベイトの演出がキモとなる。そのため、ルアーの速度は流速に合わせる必要がある。
ダウンクロス
流れのしも手側にルアーを着水させた場合、図②のようにルアーはアングラーの立ち位置側に頭を向ける。このときのスローのキモはルアーの波動を抑えること。アップクロスの解説で述べたように、流される・流れに身をまかせるベイトを演出するというコンセプトは同じだが、ルアーの頭の向きが異なる。流れにあらがって押し流されるといった感じだろうか。
そして、ダウンクロスではアングラーの立ち位置に近づくにつれ、ルアーへの抵抗が大きくなる。そのため、着水後から足もとまでの間でリーリング速度を極端に変化させる。このときに目安となるのが手もとに伝わるルアーの波動であり、これを感じるか感じないかぐらいのリーリング速度を意識する。とにかくルアーの波動を感じれば速度を落とすこと。アップクロスとは対照的に流れに合わさず、波動に合わせるのがダウンクロスでの釣り方だ。
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