スローを極めて攻め手を拡大【完全無欠の食わせ術】《PART5》VSチヌ
攻略のシナリオ
チヌのトップゲームは前述のように「チヌを捜す(ルアーを見つけさせる)→魚とルアーの距離を詰める→ルアーにバイトさせる」という流れになる。
魚の反応は活性によりさまざまでルアーを見つけたら猛ダッシュで近づいてきてバイトすることもあれば、着水地点から足もとまでルアーを追尾してきたのに直前で見切られることも。いつバイトしてくるかわからないということもよくある。それを攻略するのがこのゲームの醍醐味だが、経験上、チェイスからバイトまでの距離は平均して1㍍以内、長くても2㍍以内で勝負が決まることが多い。
ルアーは基本的にポッパーをメインに使用し、低活性時はペンシルを投入。チヌの姿が見えている場合は逃げない程度の少し離れた場所にキャスト。姿が確認できなければ手数(キャスト)を増やしてルアーの存在をアピールして出てくるのを待つ。
いずれにせよルアーの存在を認識させることが第一歩となるので、ミディアムスローのドッグウォークでテンポよく魚を捜すことが先決である。食い気がないときはルアーに怯えて逃げることもあるが、少しでも興味を持てば少しずつ近づいてくる。そうなるとアクションをスローダウンさせて魚との距離を詰めにかかる。
食い気があればルアーの後方につくので見切られないようにアクションを続ける。魚の動きを見て活性度合を見極めながら徐々にスピードを落としたり、1~3秒ほどストップを入れたり…。アクションに緩急をつけてルアーへの興味を引き続ける。
そのうえで食わせにかかるのだが、あと数㌢の距離が詰まらないこともしばしば。それをバイトに持ち込むにはチヌが「食える‼」と思うきっかけを作ることが大切である。さらにスローダウンして移動距離を抑えたり、180度の首振りをさせたり、1点シェイクでもがくベイトを演出したり…。とにかくさまざまなスローアクションを意識したい。なお、逆の考えとして一瞬だけスピードを上げてチヌに「餌が逃げる」と思わせるリアクション的なサソイが有効となることもあるので覚えておいてほしい。
[spacer]移動距離の少ないデッドスローアクションについて
ドッグウォークさせながらスローにアクションさせるのはコツさえつかめば簡単だ。一方、移動距離を極力抑えての1点シェイクや180度ターンなどを演出するには少しコツがいる。ルアー自体を動かそうとすると動き過ぎてしまうのだ。そのようなときはラインスラックを弾くようにすると移動距離を抑えたアクションが演出できる。特にペンシルなど水を受ける部分が少ないルアーならなおさらである。
難しく感じるかもしれないが、私はロッドエンドを肘の内側に当てるようにしてアクションさせている。こうすると一瞬だけロッドの動きが止まり、瞬間的な力でラインスラックが発生して、ルアーに瞬発的な力が加わる。これによりラインを必要以上に張らず、思い通りのアクションを演出することができるのだ。微妙にラインスラックを巻き取りながらこれを繰り返せば、移動距離の極めて少ないアクションを演出できるのでぜひ試してほしい。
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