スローを極めて攻め手を拡大【完全無欠の食わせ術】《PART4》VSアオリイカ
エギングにおけるスローとは間合いの取り方。「動」に繋げるステイのタイミングに注目してヒットチャンスを大きく広げよう!!
解説:広川嘉孝
スローな誘いの有効性
エギングにおけるスローは春の定番的な誘い方であろう。春イカは産卵を控えて神経質になっており、加えてここまで生き残ってきた狡猾さを持っている。好奇心いっぱいの秋イカと違って活発に動き回らず、餌木を執拗に追わない。そういったことを踏まえてスローでていねいなアプローチが一般的にも定石になっているのだと思われる。ナイトゲームではさらにこの傾向が強く、餌木を見つけてほしいというアングラーの思いがスローなアプローチに繋がっているのだろう。
基本的にエギングではスローなアプローチが大半を占める。普段は動きの遅いアオリイカに餌木を発見させ、抱かせるために用いるのがフォールやステイであり、それなりの速さでトレースしているミノーに「ガツン」とアタックしてくるシーバスや青物などとはまるで違う。春イカは距離を取ってじっくりと餌木を観察する。そして、それだけ吟味しているのになぜか餌木を抱いてくるという、独特のペースが存在する。
[spacer]スロー領域の考え方
エギングにおけるスローは他のルアーゲームのスピードやアクションとは少し考え方が異なる。私自身、さまざまな釣りを楽しんでいるが、エギングに関してはスローのとらえ方が「間(ま)」であると考えている。その間を詰めたり、崩したりして一気にゲームを動かす方法は、他のルアーゲームではリアクションとして成立する。
一方、エギングに関しては餌木を抱くのを待つという極スローな待ちの姿勢が重要だったりする。ステイという究極のスローも存在し、「間」と「待ち」の2つがスロー領域のキーワードになると考えている。先に動けばやられるというまさに居合道の世界、そういった間をジリジリと詰めていく駆け引きが確実に存在する。
スポンサーリンク
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。