【ショア青物ゲーム】自由度を求めて釣果に繋げるパターンとは?
最近はインターネットなどで釣果情報を容易に入手できるが、多くの人がその情報を共有していることは事実。その中で釣果情報にとらわれずに「魚を捜す」スキルを磨けばゲームがますます楽しくなるから…
解説:吉田裕彦
春のリアルスタイル
私は同じポイントでルアーを投げ続けるのが苦手であり、集中してキャストしているのは2~3時間といったところだ。さらに、体力的にキツいパターンも避けたいのでエントリーが困難な場所にはなるべく釣行せず、移動がラクな釣り場を優先的に選んでいる。コアな青物アングラーには「なんちゃってスタイル」といわれるかもしれないが、それでも十分に青物ゲームを楽しめている。
ショア青物ゲームはエリアごとに釣期や魚のサイズ、魚種、ヒットパターンなどに違いがある。離島や沖磯、太平洋側や日本海側といった具合に、海域によってそれぞれの特色があるわけだ。そして、私が青物を狙っているのは大阪湾~紀伊半島であり、今回は同エリアにおける春の青物ゲームについて私なりに紹介したい。
まず、春は内湾よりも外洋である太平洋側がメインフィールドとなる。例年、太平洋側では春先からショアラインで稚アユやキビナゴ、トウゴロウイワシなどの姿が見られるようになる。そして、春らしい陽気になり、同エリアで「マゼ」と呼ばれる南西風が吹きだしてカタクチイワシが接岸すると春の青物ゲームは最盛期を迎える。
同エリアでメインターゲットとなるのはブリ族で、よくヒットするのは60~80㌢クラスのハマチ~メジロだ。ただし、タイミングや潮によってはブリクラスやヒラマサ・カンパチのヒットも期待できるので気が抜けない。
スキル覚醒術
ショア青物ゲームというと豪快で攻撃的なイメージが強いかもしれないが、基本的には「待ちの釣り」だと考えている。大海原を自由に泳ぎ回るターゲットに対し、アングラーは岸辺の一角でルアーの射程圏内に回遊してくることを信じてキャストを続けることになるからだ。では、何を信じてキャストを繰り返せばいいのか? ここがこの釣りキモになると考えている。
青物をキャッチするうえで旬の情報は非常に重要だが、最近はインターネットなどで釣果情報を簡単に入手することができる。つまり多くの人が情報を共有しているため、そのエリアの実績ポイントにはたくさんのアングラーが集まる。その結果、実釣以外の部分で場所取りが加熱したり、ポイントのキャパシティーを越える数のアングラーが竿を出す中で思い通りの釣りができないなど、たくさんのデメリットも生じる。
さらに情報だけにとらわれ、実績ポイントにこだわり過ぎると「魚を捜す」という最も大切なスキルを磨く行為がおろそかになると考えられる。実績ポイントへのこだわりを捨て、自分なりに条件を読んでフレキシブルにポイントを選ぶことができればさらなる可能性を追求することができる。
たとえば「○○崎で青物が釣れている」という情報を入手したとしよう。このとき、「○○崎でしか釣れない」と考えるのではなく、「○○崎に青物が回遊しているなら、○○岬周辺も可能性があるはず」といった具合に考えを広げる。特に春シーズンは水温の上昇にともない、ショアラインにベイトフィッシュが接岸してくる時期が各エリアでシンクロすることが多い。少し考え方をかえれば混雑を避けて思い通りに釣りを楽しむことができるわけだ。
そして、釣行先を決める際に活用したいのが航空写真ガイドである。その中で「青物」と記載されている場所は間違いなく有望だろうが、やはりそのような場所にはアングラーが集まりやすい。私はわざとそのようなところをはずし、写真を凝視しながらポイント捜しを楽しんでいる。
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