【オフショアゲームのジョイント理論《PART1》】スローピッチジャーク×ハタ系
ジョイント・マスター術
今回は水深80㍍までの浅場での釣りを前提に解説を進めたい。
まず、ベイトタックルを用いたスローの釣りにおけるワンピッチはロッドを固定した状態でリーリングし、ロッドの弾性を利用してジグを動かす。スピニングタックルを用いたスローのワンピッチも基本的な考え方は同じだが、私はロッドの弾性のみを使うのではなく、ロッドを上下させている。そして、前項で述べた2種類のフォールをスピニングで演出するにはベイトタックルよりも少し強めにジャークする必要があり、ベイトロッドよりもワンランクかたいスピニングロッドを使用する必要がある。
アプローチはまずロッドを5時、リールのハンドルを12時の位置で構える。そして、そのままでロッドを2時の位置まで持ち上げるとハンドルは自然と下がるので6時の位置まで持ってくる。そのままの流れで再びロッドを元の5時の位置まで下げる(ハンドルは元の12時の位置に戻る)といった具合である。つまり、ロッドの上げ下げによってハンドルを巻くようにするわけだ。
ここで大事なことは一連の動作で必ず糸フケを作ること。これによってジグの自走が生まれ、この自走時こそが最大のバイトチャンスとなる。そのため、ロッドの上げ下げによって必ず糸フケが生じるようにスピード(ジャークスピード)を加減してほしい。
ジャーク後、糸フケがゆっくりと海中に引き込まれている間はジグが自走中で、それが終わってフォールに移行するとラインが引き込まれるスピードが速くなる。やがてロッドにジグの重みが乗るが、ここで次のジャークを加える。
私自身はジグの自走後のフォールもスピードの強弱によって魚にアピールしていると考えており、通常よりもロッドの上げ下げの幅を大きくしている。
ちなみに、このアプローチでは上げが2㍍、下げが1㍍の誘い幅となる(リールの巻き取り量にもよるが…)。もっとサソイ幅を広げたければロッドの可動域を大きくし(たとえば5時から12時の可動域なら上げ3㍍、下げ2㍍といった具合)、逆に狭めたいのであれば可動域を小さくすればOK。ただし、あまりにロッドの上下幅を小さくすると2種類のフォールが演出できないので要注意だ。
繋ぎの実践方法
●繋ぐ前のアクション…ロッドを下げた後は必ずジグの重みが乗るのを感じてから次のジャークを加えるようにしたい。そうしないとジグをきっちり飛ばすことができず、2段フォールも演出できない(ある程度ジグを飛ばさなければ自走のみのアクションになってしまう)。
●繋ぎ…ジャークからフォール、そして次のジャークへとスムースに繋ぐためには、ジャーク後に素早くロッドを下げ(リールハンドルを巻く)、糸フケを出すようにする。潮流が速いときはジグを重くする、ラインを細くする、ジャークを速めるといった方法で必ず糸フケが出るようにしたい。自分が最もしっくりくるパターンで糸フケを出すようにすればいいだろう。
●繋ぎ後のアクション…ある意味、ここが最も重要となる。ジャーク後のフォール中にバイトしてくるからだ。ティップランエギングなどの経験がある方ならわかると思うが、糸フケが海中に引き込まれる様子をしっかりと目で確認し、少しでもラインに変化があれば瞬時に合わせを入れることが大事だ。
ちなみにアタリにはさまざまなパターンがあり、ラインが止まったり、ツンッと入るだけではない。ほんのわずかでも変化があればバイトととらえて合わせを入れるように心がけたい。仮にバイトではなかったとしても、合わせの動作がサソイのアクションとなり、新たなバイトチャンスを演出することができる。
また、フォール後にジグの重みを感じた状態で、次のジャークを加えるまでにほんの少しの間を空けるのが効果的なケースもある。ジグの自走によるスローフォールが終わると、沈下スピードの速いフォールへと移行する。仮に魚がジグの自走中に食いそびれて速いフォールについて行ったとしたら、その後にジグが止まれば(ロッドにジグの重みが乗っている状態)あわてて食ってくるはずだ。特に魚の活性が高くないと感じたときは、ぜひこのパターンを試してほしい。
スポンサーリンク
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。