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「海中が見える」領域へ…。メバルマスターになるための取り組み

メバリング・上達法1

メバリングに限らず、安定した釣果を上げるには実釣時に状況把握&情報収集能力を磨く行為が欠かせません。意識レベルの高い釣りの積み重ねがさらなる楽しさを引き出してくれるから…

解説:安田栄治

まずは意識レベルを上げよう

すべての釣りにいえることですが、エキスパートと初~中級者の決定的な違いは実釣シーンにおけるリアルタイムの状況把握能力と情報収集能力だと考えています。インプットが正確でなければ、精度の高い釣りに反映できません。

実釣時はまず過去のデータをもとに魚の反応を捜し、その日のヒットパターンを導き出します。このときにきっちりと状況が把握できていなければ効率的にヒットパターンを模索できないだけでなく、再現性も乏しくなります。把握できていれば魚の反応がある前後で意識を集中できるため、高感度の釣りが可能となって微細な反応も逃がしにくくなります。周辺の地形の変化やストラクチャー、潮流の変化なども把握できることから、釣れるメカニズムも理解できるわけです。

また、潮流の減衰やメバルの活性変化、スレの進行などもリアルタイムで把握できるため、フレキシブルに対応できます。さらに、明確な意識を持って釣りに臨むのでイレギュラーな反応にも敏感になり、別のパターンの存在にも気づきやすくなります。これは一般的なメバリングのみならず、個体数が少なく反応の少ない尺メバルゲームやその新規開拓においても効果をあらわします。キャリア、経験値、技量が豊富なエキスパートへの道のりは厳しいですが、ただ漠然と釣りをするのではなく、意識レベルの高い釣りを積み重ねることで誰もが飛躍的なスキルの向上が図れます。

メバリング・上達法2
要所を押さえて情報をインプット。そのうえで貪欲に経験を積むという意識がスキルアップには欠かせないと考えています。

基本事項をしっかりとマスター

精度の高い釣りを実現するための正確な情報収集に欠かせないのが基本事項を徹底して押さえることです。これは実釣前後やシーズンオフの透明度が高い日中に「フラットな地形の砂地」「ストラクチャー」「海藻の少ない場所」で視覚的な要素を持ってイメージと実際の状態の誤差を埋める地味な作業です。

①キャスト…ロッドやリール、ラインの種類や号数、ジグヘッドのウェートや種類、ワームの形状や大きさ、風の影響によってリグの飛距離は大きくかわります。ナイトゲームがメインとなるメバリングでは、視覚情報が得られないことから事前に下見をすることも多いですが、投点の把握ができていなければ意味がありません。もちろん、キャスト精度も大事ですが、投点がきっちりと把握できればフォールやドリフト、リトリーブなどで微調整も可能となり、狙いのピンスポットにリグを送り込むことができます。キャスト精度は最大飛距離にも関係し、たとえば、20㍍キャストできる道具で20㍍付近の精度を出すのは難しいですが、25㍍キャストできる道具では容易となります。

メバリング・上達法3
アプローチでは、まずは投点を把握することからすべてが始まります。

②フォール…リグのフォールスピードや軌道も風や潮流、ジグヘッドの重さや形状のみならず、ワームの種類やセット方法、ラインの種類や号数によって異なることをしっかりと頭に入れておきましょう。目視で確認すればイメージと実際の差(リグごとの差異)に驚くことでしょう。ちなみに、フォールスピードが速いほど風やウネリの影響を受けにくくなります。

③着底…意外と多くのアングラーができていないのが底取りです。着底が感知できなくても想定した時間にプラスして待てば底にリグを持っていけるものの、これでは効率がわるく、根掛かりの確率も高くなります。また、底が取れたうえでカウントダウンさせれば各レンジを確実に把握できます。

メバリング・上達法4
底取りを甘く考えるのはNG。底がしっかりと取れてこそレンジ攻略が可能となります。

底取りの方法は、まずはやや重めのジグヘッドをセットして、ラインを張り気味の状態でカウントダウンしながらフォールさせます。ラインが緩んだときが着底の合図です。何秒で着底するかが分かれば、その後はラインを見ながら着底前後に意識を集中させます。これを繰り返すことで感覚的に着底を把握できるようにします。

それができたら、視覚要素に頼らずブラインドでできるようにし、クリアできれば少しずつジグヘッドを軽くしてレベルを上げます。着底の感覚が身につけば、フォールも感じ取ることができます。

④リトリーブ・トレースライン…ラインの種類や号数、ジグヘッドの重さや形状、ワームの種類によって異なりますが、それぞれの条件ごとに基本となる同一レンジをトレースできるスピード領域を目で確認しながらロッドを持つ手感度、リールハンドルを巻く巻き感度を修得します。そして、同一レンジをトレースできれば地形の変化やストラクチャーの有無などを把握できます。

さらに、風や潮流によるトレースラインの変化やフォール軌道も加えることで、より精度の高いトレースが可能となります。

メバリング・上達法5

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