【磯のヒラスズキゲーム】ラインテンションの調整がキャッチ率アップのキモ‼
春の訪れとともにヒラスズキの食いも徐々に上向く。きたるべき好シーズンに向けてアプローチの組み立て方をしっかりとイメージし、万全の態勢でターゲットに挑もう!!
解説:池田一郎
リトリーブスピードによるテンション調整は必須
春のヒラスズキゲームはアフタースポーンのハイシーズン。磯際を乳白色に染める絶好の条件の中、ポイントをピンでとらえることができれば比較的容易にバイトを得ることができるだろう。しかし、食い気が高くて上ずるヒラスズキのバイトを確実にフッキングへと持ち込み、すべてをランディングすることは容易ではない。そこでステップアップに繋げる改善点として「リトリーブスピードによるテンションコントロール」に着目したい。
ヒラスズキのアタリは「ガンッ‼」と引ったくるような感触が手もとに伝わる。これはベイトをとらえてすぐに反転する習性によるものだが、急いで逃げ去ろうとする臆病な面も表わしている。このバイトの瞬間にラインテンションが強過ぎるとヒラが反転する際の抵抗が大きくなり、ミスバイトやバラシに繋がる。
また、逆にテンションが弱過ぎると、ピンポイントのコースからルアーが外れ、さらにアクションが不自然になって見切られてしまう。これらはポイントごとのファーストアプローチにおいて非常に重要となる。なぜなら春の実績ポイントでは捕食スイッチが入ったヒラスズキが群れるケースがあり、1投めから大胆にアタックしてくることが多いからだ。
しかし、前述の理由でルアーに違和感を与えてしまうとチャンスを逃してしまい、ポイント全体の活性を低下させることになる。狡獪な大型になるほどその傾向は強く、リトリーブスピードによるテンションコントロールはキャッチ率を左右するだけでなく、大型を攻略するうえで重要な要素になると考えている。
ルアーを流れに同調させることを目安に…
バイトの瞬間はヒラスズキが口を大きく開けてルアーを吸い込もうとしている。このとき、実際のベイトと違ってルアーにはさまざまな抵抗が加わる。ロッドの反発力やラインの伸縮、ルアーの浮力、ラインが受ける風や波の影響などである。
このことを踏まえて状況を分析すると、ヒラスズキが潜むサラシ内は気泡が集まっており、ルアーの引き抵抗が手もとに伝わりにくい。そのため、ルアーアクションが不十分だと錯覚し、その動きを感じ取ろうとして無意識にリトリーブスピードがアップする傾向がある。その結果、ラインテンションは強まってティップがしなるほどの負荷がルアーに加わる。
ヒラスズキからするとルアーを10㌢弱のカタクチイワシと判断して吸い込もうとした際、それ以上の負荷がかかっていれば捕食に失敗する。もちろん、魚がどう感じているかは定かでないが、「あれ?」と思ったときにはすでに反転態勢にあるのだろう。これがフッキングミスの主な要因と考えている。
それを改善するにはルアーがピンポイントを通過する際にテンションが張り過ぎないよう、流れに同調させるようにリトリーブする。浮力が高いミノーなら流れより少し速い程度(ギリギリでアクションするスピード)で操作する。一方、浮力が低いシンキングペンシルなら流れに同調するスピードが目安となる。
これらはスローリトリーブというとらえ方ではなく、あくまでも流れに同調させるスピードをベースに考える。波の大きさや勢いによってはファストリトリーブを要する場面も多々ある。
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