磯のヒラスズキゲーム・厳寒期のテクニカルノート【PART2 シュートフィッシング】
日ごとに状況が変化する産卵期はポイントの見極めが最重要。そして、ヒラスズキの行動を見失いやすい時期だけにシュートフィッシングに偏っていくから…
解説:新名啓一郎
マイスタイル
私が住む鹿児島県は東シナ海、太平洋、鹿児島湾、さらに種子島や甑島などの離島を含めればヒラスズキが釣れるエリアは非常に広大である。どのフィールドも他県に比べると激戦区とはいえないので、人為的プレッシャーに悩まされることはない。ポイントやエリアをかえてフレッシュな個体を楽しく釣るという、実にヌルい?釣りを展開している。
釣り場に到着して真新しい足跡を発見すると、「ここ最近で釣り人が入った形跡があるから違うポイントに行こう…」とUターンすることになる(故意にバッティングしなくともポイントは他にもあるので…)。それに甘んじてヒラスズキ釣りにおける私の釣技自体があまり進化していないのが実状である。
私がよく使うローテンションドリフトというテクニックは、5~12月初旬までのオープンエリアのシャローを回遊しながら捕食する個体、もしくは群れで行動するヒラスズキ対して特に有効な手段だ。回遊するターゲットに対して「追わして食わせる」釣り方でもある。
高活性で魚影が濃いときに効果的な釣法なのだが、水温が落ち始めるこれからのシーズンはそんな好況は期待できない。スポーニング絡みの動きの鈍い個体が相手で追いがわるくなるので、よりイージーに捕食できるポイントがメインとなる。
いずれにせよ活性が低くなったり、産卵行動で深場に落ちたりしてヒラの行動を見失いやすい時期だけに、ローテンションドリフトには不向きなシーズンといえるだろう。
というわけで、これからの「見失いやすい季節」は一般的なストラクチャー回りを撃つシュートフィッシングに偏っていく。活性が低くなるにしたがってスローに長く誘ったり、レンジを深くしてルアーのシルエットをできるだけ小さくして口を使わせたり、潮位が合わないときやサラシが薄い場合はダートアクションを意識してリアクションバイトを誘発させたり…と、実はテクニックといえるほど大したことはやっていない。むしろ、波や風の影響で小手先だけのテクニックは打ち消されることの方が多い。
活性状況や魚のストック量を確認するためのフォロー程度でしかなく、サブサーフェース以深のディープの釣りには興奮を覚えないので深追いすることもない。いわば魚影が濃くて簡単に反応するエリアを捜すことや、好条件となるタイミングの見極めこそが最大のテクニックなのかもしれない。
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