【スローピッチジャーク・ステップ5】底質による魚種別の狙い方 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

【スローピッチジャーク・ステップ5】底質による魚種別の狙い方

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ヒラメ狙い

砂、岩の場合はヒラメを狙う。ヒラメは砂と岩が混在している場所に多く生息し、ほとんどの場合は岩にへばりついて上を見ている。狙い方は着底後、10㍍までジグを引き上げるのだが、その間(3㍍と6㍍の地点)でチョコチョコと動かしてやると効果的だ。

具体的には3㍍まで1/1ピッチでジグを持ち上げたら1/8ピッチで細かく動かすといったイメージだ。チョコチョコと動かしているときやクラッチを切って落とし始めたときにバイトしてくるケースが多く、アタリはサワラと同様にガツガツとくる。そのときにヒラメの歯からジグを滑らせてやり、リヤフックで掛けるというのがセオリーだ。

岩礁の斜面にへばりついているので少し上層までジグを持ってこないとヒラメが気づかない。過去には底から15㍍で食ってきたことがあるので覚えておいてほしい。

スロー系ジギング 魚種別3

岩礁のカケアガリ付近

岩礁の場合、カケアガリ付近には遊泳力の強いマハタ、斜面の中間にはカンコ(ウッカリカサゴ)などが多く生息している。マハタは攻撃性、もしくは捕食性で食わせるかでジグのサイズを変更する。

攻撃性でバイトを誘う場合、縄張りに入ってきた侵入者を演出するイメージでとにかく早く見せる。大きなジグを使うのが有効で、アタリがあって乗らなくても何度も噛みついてくる。とにかくしつこくジグを追い回す。

カンコ(魚)には「走性」というものがあり、これは簡単にいうと、「本能の赴くままに…」というイメージになる。さらに、その中に「走触性」というものがあり、体の一部を何かにくっつけていると落ち着くのか、もしくは安定するのか岩の斜面にヒレだけくっつけている感じだ。

これを前提に考え、ゆっくりとした1/2ピッチで誘い上げる。魚はジグが斜面を伝って上がってくるのを見つけ、自分の目線を通過したときに突進してくるようなイメージだ。ある程度底を切ったら少し上げて再び底を取るというパターンを繰り返す。

岩礁の頂上

続いてカケアガリを越えた岩礁の頂上には遊泳力の弱いカサゴやホウキハタ・アカハタなどが多く生息している。特にその中のスリットのような部分には多数いるように思う。

カサゴとホウキハタを狙うときはジグが着底したら竿を大きく一回あおる。そして、竿1本分フォールさせてから1/4ピッチを刻みながら誘っている。この場合、エバーグリーン・カプリスやランブルベイト・ハオリJAPANのようなバックスライド系のジグが使いやすい。これらのジグはスライドフォールするので横を向くのが特徴だ。これを利用すれば最初から1/4アクションをスムースに決めることができる。

僕の場合、この釣り方と前述した「パタパタ」を合わせて狙っている。「パタパタ」はジグを底から離さず、寝かせたり起こしたりすることで煙幕を張る。さらに、ジグを少し持ち上げて岩礁にぶつけて音を出し、周囲の魚を引き寄せる作戦だ。

音は魚を引き寄せる効果が絶大である。水中では陸上の約四倍の速さで音が伝播される(空気中では340㍍/秒、水中では1450㍍/秒)。そして、魚が餌を捜すのに一番最初に頼りにするのが音である。音を頼りに餌を捜し回り、音の方向に煙幕やキラキラと光るものがあれば飛びついてくる(考えるだけで楽しくなりますよね)。

アカハタは特にスリットの奥にジグを送り込んでやるとアタることが多いが、これをするとやはり根掛かりが多発するのであまり攻め込めないが…。

このように、それぞれの魚が好む場所を意識することは非常に重要だ。そして、ターゲットの習性などからジグを持ち上げる距離やスピードを決定。スローピッチのピッチ数のコンビネーションなどを自分なりに組み合わせることで精度の高いアプローチが可能になる。

まあ、簡単なことではないが、それを追求していけば釣りがますます楽しくなるはずだ。

スロー系ジギング 魚種別4
スロー系ジギング 魚種別5

(ザ・スローピッチジャーク〈2013年発行〉より)

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