シーバス・マダイ・チヌ・ヒラスズキ… 荒天時の風裏ポイントで釣果を得る方法は?
ウネリを生かしたルアーの通し方
ここまでご紹介した流れでよさそうなポイントを見つけたら、できるだけ瀬際に近づかずにアプローチを開始します。サラシがなくても魚が瀬についている可能性が十分にあるからです。そして、風裏にもサラシと同様に注目したい要素があり、それはウネリということになります。
前述した通り、荒天時は風裏でもウネリが磯まで届くことが多くなります。その中でフィッシュイーターはサラシと同様に、ウネリによって発生する流れを利用してベイトフィッシュを捕食します。その中でタイミングを考えずに無駄撃ちすると、魚がスレたり散ったりしてチャンスを逃すことになるので要注意。経験上、数分ごとにくる大きなウネリの到達直後にキャストするのがベストだと感じています。
ルアーはミノー→シンキングペンシル→ディープダイバー→バイブレーションといった具合に、徐々にレンジを下げて様子をうかがえばいいでしょう。ひと通り試して反応が得られなかったら、次のポイントで同じことを繰り返します。
今回もこの戦術を用いて瀬際でチヌと良型メバルが釣れたあと、沖から回遊してきたマルスズキ(シーバス)を2匹釣ることができました。
シーバスやチヌは意外とズボラ!?
当日はカモメが水面をつついているポイントがあったのですが、そこに何度ルアーを通しても反応は得られませんでした。レンジを落としても、スローに引いてもダメ。そこで、ふと思いつきで試したのがバイブレーションのリフト&フォール。すると、それまではまったく反応がなかったのに、突然マルスズキが3連続でバイトしてきました。
なぜリフト&フォールだけに反応したのか? おそらくマルスズキはカモメが取り損ねたベイトを捕食していたのだと思います。
スズキやチヌはフィッシュイーターの中でかなりズボラな魚のように感じているのですが、そう思うには理由があります。ベイトが打ち上がるようなときは、まず最初に青物やマダイが食ってくることが多く、それらのチャンスタイムは短いという印象です。一方、スズキやチヌはその後もダラダラと釣れ続くことが多いのです。これはおそらく弱ったベイトを求めて回遊してきているのだと思います。
今回もそれと同様に、ベイトの下で待っていたらカモメが食べやすい餌を落としてくれるのだから、積極的に追い回すこともなかったのでしょう。ズボラというのは失礼な表現ですが、これは厳しい自然界で生き残るための彼らなりの立派な知恵なのでしょう。
風裏にも大きなチャンスが!!
当日はヒラスズキこそ出なかったものの、ベイトや潮などに恵まれればサラシがなくても釣果が期待できるということを再認識しました。マダイも2匹ヒットしてパワフルな引きを楽しませてくれました。もう少し暖かくなれば青物のチャンスもあるでしょう。
今回は近場で手軽に釣行できる地磯に目を向け、しかもサラシが発生しないポイントばかりを狙いました。そのような場所でも鳥や潮の流れに注目すれば、思いもよらぬ大型魚に巡り会えることもあります。冬場は離島遠征や1級ポイントに目が行きがちですが、みなさんもコロナ禍の今こそ、身近なポイントに目を向けてみてはいかがでしょうか。
※上記のリンク先にある「磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。
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