シーバス・マダイ・チヌ・ヒラスズキ… 荒天時の風裏ポイントで釣果を得る方法は?
危険が伴う荒天時のロックショアゲームは風裏のポイントに注目するのが得策です。ただ、風裏といっても安全対策は不可欠。また、釣果を上げようと思えば条件なりの立ち回り方が要求されるから…
Text & Photo ずん(ペンネーム)
強い寒波の影響で大荒れとなる日が多かった2021年1月。ヒラスズキ狙いにはちょうどよい海況の日もありましたが、なかなかそのような日に都合よく釣行できないのが現実です。さらに、コロナ禍で医療体制に不安を抱えた離島に近づくわけにもいかず、釣り場選びの選択肢の少なさに随分と悩まされました。
また、大前提として荒天時の無理な釣行は禁物ですが、それでも竿を振りたいと思うのが釣り人のサガ。そこで、今回は荒天時の「風裏」に注目し、場所選びや狙い方など、私なりの考えをご紹介したいと思います。
「風裏」に対する誤解
風表のポイントが大荒れとなるような日の風裏といえば、安全なイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。その場の風は強くなくても、大きなウネリが打ち寄せる可能性が高いからです。外洋に面したエリアは特にウネリが発生しやすくなるので要注意です。
少し分かりづらいのですが、上記写真は西からの暴風の日の東側の釣り場の様子です。風はあまり吹いていませんが、海は荒れており、数分おきに瀬を飲み込むほどの大きなウネリがやってくる状況でした。その中で何も考えずに岬の先端に立っていたら、波に飲み込まれてしまいます。
ウネリは沖で発生しますが、水は流体なのであまりエネルギーが衰えることなく岸まで到達します。さらに、ウネリは地形の変化によって高く、強くなることもあります。
そういったことから風裏なら安全に釣りができるという保証はありません。荒天時はどのポイントでも釣り座に立つ前に必ず状況を確認する必要があります。
サラシに対する誤解
ヒラスズキを狙ううえでは欠かせないというイメージが強いサラシ。確かに荒天時の魅力的な要素ですが、これも誤解が多いと感じています。サラシはあくまで魚が口を使いやすくなる1つの要素でしかありません。
ヒラスズキにとってのサラシの役割は、身動きが取れなくなったベイトを効率よく捕食するための罠のようなもの。ヒラスズキなどのフィッシュイーターは瀬際やサラシの外でベイトがくるのを待ち構えていることが多くなります。
ということは、ベイトが近くにいなければサラシに魚はつかないし、フィッシュイーターにとって都合のよい流れを生まないサラシは役に立ちません。そして、最良のサラシを見つけるには相応の経験が必要となります。そういったことから、個人的には危険性も含めて磯での釣り経験が浅い方にサラシ狙いはおすすめしません。
風裏なりのポイント選び
今回の釣行では長崎県北の地磯で風裏になるポイントを徹底的に歩きました。釣果を得るうえで重要となるのはやはりベイトの存在です。サラシがあれば普段から瀬際についているクロホシイシモチやナミノハナなどのマイクロベイトも十分に有望です。しかし、今回の狙いは風裏ポイントなので、いかに他の要素を頼りに魚を見つけるかに重点を置きました。
ベイト捜しで最も頼りになるのはカモメやトンビなどの鳥の動向です。この時期の鳥はカタクチやキビナゴを狙っていることが多く、鳥が水面を意識しているようならベイトがいるという目安になります。複数の鳥が岸際にいれば最高なのですが、そのようなことは滅多にありません。カモメやトンビが単独で飛んでいても、近くの潮目に頻繁に降りてくるようであればベイトがいると思っていいでしょう。
そして、次に注目したいのは潮流。できるだけ潮は通っている状況が有望です。
他にも青物やマダイなどの沖からきた回遊魚の群れが通りすがりでベイトを追い、岸際に追い込んでくれることがあります。目視できる距離にベイトが近づけば十分にチャンスはありますが、ベイトが瀬に打ち上げられるほど追われればしばらくお祭り状態になります。今回の釣行でも大量のカタクチが瀬に打ち上げられました。真冬の風裏でもこのようなチャンスがあるのです。
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