大興奮の展開!! 土佐湾沖のキハダマグロチャレンジ ~おらんくの池にはマグロが飛びゆうぜよ!!~
2020年は水温の関係からシーズン本格化が遅れていた土佐湾沖のキハダマグロ。7月に入ってようやくナブラ情報が聞こえ出し、満を持してチャレンジしたところ…!!
Text & Photo 上杉一臣
2020年のファーストフィッシュを求めて…
ここ数年、急激な盛り上がりを見せている土佐のキハダマグロ・キャスティング。例年なら6月に入るとキハダマグロが海面を沸き立たせ、胸高まる光景があちこちで見られる。しかし、今年(2020年)は黒潮が著しく離岸していることもあって水温が上がらず、魚影の薄い状況が続いていた。
それが7月になってようやく水温が24~25度に達し、キハダマグロのナブラ情報もチラホラと聞こえてくるようになった。そんなタイミングで釣友の前田氏から釣行の誘いを受けた。氏は昨年に県東部の安芸「香織丸」さんにて良型のキハダマグロをキャッチしている実力者だ。
釣行したのは7月中旬。当日お世話になった遊漁船は足摺岬がある土佐清水から出船している「沖吉丸」さん。船長の北田さんは60㌔オーバーの巨大カンパチやキハダマグロなど、多数の実績を上げている頼もしい存在だ。足摺沖のビッグゲームに精通し、アングラーの夢の実現をしっかりとサポートしてくれる。また、船長自らが腕を振るって提供してくれる船上での昼食は格別。海上というロケーションも加わって最高に美味だ。これも同船に乗船する際には大きな楽しみとなっている。
釣行当日は夜明け前に準備を整えて出船。土佐湾でキハダキャスティングの可能性を追求し始めたころからの戦友である川島、岡村、横山の3氏と、今回の釣行を段取りしてくれた前田氏の5人でキハダマグロのナブラを捜す1日が始まった。地方寄りのポイントはまだ魚影が薄いため、沖のエリアを重点的に捜索していく。この日は風が弱くて海も凪いでおり、鳥やナブラを捜すには理想的な海況となった。
あちこちでナブラが!!
空が白み始めてあたりが見渡せるようになったころ、ようやくキハダマグロの目撃情報が多いエリアに到着。しかし、肝心の海鳥が見当たらない。しばらく周辺を探るも気配はなく、ポイントを移動することになった。
すると30分ほど船を走らせたところで海鳥の群れを発見!! キハダマグロが押し上げたベイトフィッシュを意識した飛び方をしていたため、周囲でナブラが出ることを期待して注意深く海面を観察する。すると、間もなく真っ白な飛沫が上がった。それを皮切りに次々と海面が沸き上がったが、船がルアーの射程圏内に接近する前に沈んでしまった。
その後もあちこちでナブラが出ては消えるという状況が繰り返される。ナブラの出方をよく観察していると、この日のパターンがある程度見えてきた。いずれにしても、これだけキハダマグロが飛ぶ日にはなかなか遭遇できるものではない。このチャンスを何とかモノにしたいところだ。
最も高い確率でナブラが発生するであろう場所に狙いを定めてそのときを待つ。すると、狙い通りにナブラが!! 船がルアーの射程圏内に入り、よいところにバッチリとキャストが決まった。
普段はトップウォータールアーにこだわっている私だが、このときは「沖吉丸」さんでのファーストフィッシュを何としてでも取りたいという思いが強かった。そこで海面に出る魚と下層にいる魚にまでアピールできるシンキングペンシル(タックルハウス・コンタクト カナリー145㍉)を使用。キャスト後は適度なラインスラックを出すことを意識しながら、イレギュラーなフォールアクションでキハダマグロを誘った。すると、たるんでいたラインが勢いよく走った。しかし…、ロッドにテンションがかかった直後に無念のフックアウトとなった。
この日のベイトは10㌢ほどのカタクチイワシだったが、それよりも大きなルアーには反応がわるく、食いが浅かったようだ。ルアーをベイトに近いサイズまで落とせばしっかりと食ってくるだろうが、小さなフックで良型のキハダマグロをヒットさせても強気のファイトができない。前田氏もフックアウトが続いて苦戦している。どうやらこの日のキハダマグロは簡単に釣らせてもらえないようだ。
ただ、魚の密度が最も高いナブラのど真ん中にルアーが入れば、ガッチリと食ってくるヤツもいるはず。依然として周囲でナブラが発生している中、次のチャンスに備えてフックをワンサイズ大きくした(カルティバ・STX-58#1/0から#2/0へ)。フックが重くなるぶんイレギュラーなアクションは犠牲となるが、食ってきたときにより深く、しっかりと口もとをとらえることを優先させたわけだ。
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