【磯の青物・マル&ヒラスズキ】悪条件下での立ち回り方を徹底解説
悪条件を克服する5つのキーワード
情報収集
最初は例年通りにマル&ヒラスズキ狙いからスタートしたのだが、情報収集を怠ったことでひと月を無駄にしてしまった。その情報とは外海にスズキがいなかったのは、おそらく高水温が原因だということ。というのも、例年なら1~2月は水温が低過ぎて釣果が乏しくなる佐世保湾内でスズキや青物が好調だったらしい。その情報を早く入手していれば、苦戦が続くこともなかったかもしれない。事前情報の大切さを改めて痛感した。
ベイトの動向
一方でそのような事前情報がない場合は、フィールドで得られる情報を見落とさないことが重要となる。この時期、特に大切となるのはベイトの濃さだ。長崎の場合はカタクチイワシがメインとなるのだが、毎年エリアによってベイトの濃さ(数)に差が出る。そのため、当然ながらベイトの濃いエリアを見つけ出すことが釣果の近道となる。ちなみに、べイトの見つけ方としてはフィールドで目視するよう心がけることはもちろん、カモメやトンビなど、鳥の動きも注視したい。
いずれにしても、釣行を重ねることでベイトの濃いエリアを特定することができる。真冬~春先はベイトが大きく移動することも少ないため、一度ベイトの居場所を特定できれば以降は効率のよい釣りが展開できるはずだ。逆にいうと、そこが分かっていなければ悪条件に見舞われたときに打つ手がなくなってしまう。
潮のタイミング
ルアー釣りにおいては潮止まり前後がチャンスタイムとなる。このタイミングではそれまでまったく反応がなかったポイントで突然食い気が立つことも多く、その一瞬のチャンスをモノにできればボウズは回避できる。さらに潮止まり前後は大型が出やすいタイミングなので休憩やポイント移動などを挟まず、必ず竿を出すように心がけたい。
ポイント選択
潮通しのよい場所として知られているのが岬だ。特に先端付近はより潮が通りやすいので有望だ。ただ、それだけに先行者がいてエントリーできないことも多い。
そのようなときは他のポイントにも目を向けたい。たとえば、岬の脇には必ずワンドがある。そして、岬に潮がぶつかれば当然ワンド内にも潮が通る。岬に強い潮がぶつかればワンド内に巻く流れが発生し、また風が味方してベイトが溜まっていることもある。そうなると岬の先端付近よりも、ワンドの方が有望となることもあり得る。
あとは狙いの岬にエントリーしたのに、まったく潮が動かないということもある。そのようなときは、いっそのこと強制的に流れが発生する河口域などを狙うのも得策だ。ある程度規模の大きな河川なら、海の流れにも影響を及ぼす。他にも瀬戸や水道と呼ばれる、本土と島の間の狭い場所はわずかな潮流変化でも強い流れが発生する。その流れにベイトが絡んでいれば期待値が上がるので覚えておきたい。
ランガン
ここまでいろいろと紹介してきたが、悪条件の中で魚と出会うにはやはり機動力を生かすことが重要となる。そのようにいうと本末転倒かもしれないが、前述したことを押さえたうえでランガンを徹底すれば、釣果はついてくるというのが私の考え方だ。
そもそも悪条件というのはそのエリアの平均的な話であり、裏を返せば少しでも条件のよい場所に魚が集中している状況ともいえるのではないだろうか。というのも、魚は生き抜くために日々摂餌行動に必死だ。なかなか餌を食べるチャンスがない悪条件下でも、何とか餌にありつこうと条件が揃う場所を捜しているはず。結果、数少ない好条件のポイントに魚が集中するため、競争が発生して比較的イージーに釣れるという状況にもなる。
そう考えると、魚の反応がないポイントで粘るよりも、積極的に移動して魚を捜す方が圧倒的に効率がよいはずだ。
私の場合、ランガンで狙うときは自分の中で実績が高い、自信のあるルアーで通すことにしている。さまざまなルアーを試して時間を浪費すると、それこそランガンのメリットがなくなってしまうからだ。「条件のよいポイントにこのルアーを通せば必ず釣れる‼︎」 そう思えるアイテムを使用することが釣果を得る最大の秘訣だと思う。
以上のように情報収集、ベイトの動向、潮のタイミング、ポイント選択、ランガンという5点を意識して釣行を続けたことが奏功し、今シーズンは5~8㌔クラスのヤズ(ブリ)を中心に、まずまずの釣果が得られた。
また、悪条件の日に当たることが多かったにもかかわらず、バイトすら得られないという日がなかったことは私にとって大きな収穫だ(毎回地磯を20000歩も歩いて竿を振れば当たり前の結果かもしれないが…)。今後もさまざまなことを意識しながら、ロックショアゲームを追求していきたい。
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