秘蔵のリグ使いを公開!! 産卵絡みの厳しい状況を打開するメバリング講座|【Shar’s=Style= vol.8】
メバルの状態判別が不可欠
さて、新年を迎えた今、ミッドスポーニング状態のメバルは安易に口を使わない。そのような厳しい状況下でどのようにすればメバリングを楽しめるのか? その点について考察したい。
まず、重要となるのはスポーニングの状況。前述したように同一エリアのすべてのメバルがいっせいにミッドスポーニングに入るとは考えにくい。そこで、そのエリアはミッドスポーニングの個体が多いと判断したうえで、スポーニングに入る前の個体に狙いを絞って狙うのが賢明だと考えている。ちなみに、これが2月半ばなら産卵から回復傾向にあるアフタースポーニングの個体に的を絞る。
そこで押さえておきたいのがプリスポーニング状態のメバルの特徴だが、その状態のメバルを攻略するうえで僕が意識していることは以下の通りとなる。
●時合は超短時間。
●潮がかわるタイミングで一時的に活性が高くなる。
●表層から宙層域にサスペンドして餌を捕食している。
●回遊魚的な行動を取る。
●ルアーにアタックしてくるものの、驚くほどのショートバイトが多い。
●ルアーを襲うというよりも、ついばむようにアタックしてくる。
●ルアーを追いかけず、目前を通過するものだけにアタックする。
この場合、同じようなサイズの白メバルが連発するかと思いきや、赤メバルが連発することも多い。また、25㌢オーバーの良型が連続ヒットすることもあるので気が抜けない。
アプローチではエリアごとにフックサイズやジグヘッドの重さ、ワーム形状による水中での波動を調整する必要がある。また、リグに関してもジグヘッドリグを中心に、遠投が必要なケースなどはフロートリグやキャロライナリグを用いる。
いずれのリグもタックルセッティングは非常に重要だ。ロッドの硬さやラインの太さもそうだが、今回はジグヘッドとワームをセレクトする基準について私なりに紹介したい。
辻原流ジグヘッド&ワームセレクト術
ジグヘッド
アンダー1㌘のジグヘッドを多用しており、小型で刺さりのよいタイプを使用。ただ、メバルのサイズによってはフックを伸ばされることも珍しくない。また、ショートバイトが多く、ついばむようなバイトの際にはメバルの口中にフックが入りきらず、アタリのみで終わってしまうことも。さらに、ワームを追わないのでワンバイトで終了するケースがほとんどだ。
その点を踏まえ、僕は自身が監修したジグヘッド(月下美人SWライトジグヘッドSS極み)を多用。ショートシャンクの#12、#14の小型フックで、ハリ先はサクサス加工によって刺さりがよい。コンパクトなシルエットで飛距離も伸び、ショートバイトでもメバルの口中に入り込みやすいので抜群のフッキング率を誇る。加えてハリの線径が太いので大型のメバルとのやり取りも安心だ。
他にも潮噛みカップつきの低重心ラウンドヘッドにより、ドリフト時やフロートリグ使用時も潮流になじみやすく、自然なアクションが演出できるのが強みである。
ワーム
スイム系とアクション&ドリフト系を状況に応じて使い分ける。そして、いずれもスローなアクションを得意とするタイプ(形状)を好んで使用している(僕の場合、スイム系なら月下美人ビームスティックゼロ、スローアクション系なら月下美人ビビビームを使用)。
アプローチ法と対応策
まずは活性の高いメバルからのコンタクトを求めて広範囲にキャストし、スイミングアクションで様子をうかがう。そして、ショートバイトによる食い込みの浅さに悩まされる状況なら集魚成分入りワームを使用する(僕は月下美人ビビビーム極みを愛用。このワームはコア部分に濃厚なエビ粉・イカゴロが配合されているうえ、グレ釣りなどで実績の高い集魚剤、アミノXでコアを包み込んでいる)。
これによりショートバイトを克服して理想的なフッキングが決まるようになる。実際、確実にメバルの食い込みが違うことを各エリアで証明してきたので安心して使用してほしい。
また、メバルの活性によっては強い波動が警戒されることもある。そこで、アタリが遠いときなどは波動が弱く、コンパクトなひと口サイズのワームを試したい(僕は月下美人ドリビームを使用。潮噛みのよい球体ボディーにより、潮流を利用したドリフト釣法でも活躍。ついばむように捕食してきても食いを深くする集魚剤入りなので特にこの時期に重宝している)。
以上、ジグヘッドとワームに加え、それをより繊細に操作できるのロッドとのセッティングを重要視することで厳しい状況も打破できる。
いずれにしても、釣りやすいメバルだけを相手にするのではなく、ターゲットをしっかりと観察してそこから攻略のヒントを得る。そうやって釣りを組み立てるように意識することで、メバリングの楽しさは大きく広がる。2020年は自身のメバリングをさらに楽しい世界へと導いていただきたい。
使用タックル
【ロッド】
ダイワ・月下美人 EX AGS 610LS-SMT・E
自身が企画、監修したロッド。スーパーメタルトップを搭載し、儒来のカーボンロッドと違って形状記憶合金を加えることで繊細なアタリを感知。独特の曲がりを作ることができる。ドリフト釣法の際にもスーパーメタルトップが小さなアタリを確実にとらえてフッキングに持ち込みやすい。アンダー1㌘のジグヘッドを操作するうえで必要な要素を満たしており、スペシャルなロッドといえる。
【リール】
ダイワ・イグジスト FC LT1000S-P(SLPチューン)
【リールハンドル】
SLP WORKS・RCS ライトゲームダブルハンドルセット
【スプール】
SLP WORKS・SLPW EX LT2000スプール
【ハンドルキャップ】
SLP WORKS・SLPW スピニングハンドルキャップ S
【ジグヘッド】
ダイワ・月下美人SWライトジグヘッドSS極み
【ワーム】
ダイワ・ビームスティック ZERO
ダイワ・月下美人 ビビビーム
ダイワ・月下美人 ビビビーム 極み
ダイワ・月下美人 ドリビーム0.9
【辻原伸弥・プロフィール】
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