秘蔵のリグ使いを公開!! 産卵絡みの厳しい状況を打開するメバリング講座|【Shar’s=Style= vol.8】
待望のメバリングシーズンがスタートしたが、年明けの時期は産卵が絡んで厳しい局面となることも多いもの。今回はそんなときの対処法について紹介したい…
Text & Photo 辻原伸弥
新年あけましておめでとうございます。いつも「SWマガジンweb」並びに『Shars☆style』をご覧いただき、誠にありがとうございます。今年も現場第一主義として、常に新しい情報を発信していきたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。
移行期のメバリング
何かと慌しい年末も過ぎ、ついに令和初の新年を迎えた。2020年はオリンピックイヤーということもあり、何かと話題の尽きない1年になりそうだ。
新年のおめでたい気分の中、ライトゲーマーのみなさんは海の状況変化が気になっているのではないだろうか? 新年を迎えたこの時期、私のホームグランドである神戸~明石・淡路島エリアではアジがしだいに姿を消し、アジングシーズンが終了する。ライトゲームはちょうどアジングからメバリングへと移行するタイミングだ。
しかし、いくら同じ海、同じようなライトタックルで狙うターゲットとはいえ、当然ながらアジとメバルはまったくの別もの。それは分かっていても移行期の釣りをうまく楽しめない方もいらっしゃることだろう。今回はそんな移行期をうまく釣りこなすためにも、最新のメバリング事情に迫りたい。
メバリング・2019~2020年シーズン序盤の傾向
2019年はイカナゴ漁の不振に始まり、アオリイカの産卵期の異変や小イカの不漁など、海の様子がおかしかった。そんな中、神戸~明石・淡路島エリアでは初秋から広範囲でデカアジがよく釣れた。豆アジ狙いのポイントでも尺絡みのアジが連発したのは驚きだった。振り返ると例年のセオリーが当てはまらない1年だったといえる。
メバルに関しては例年なら11月中旬ごろから姿を見せ始め、この時期はアジングとメバリングを並行して楽しむのが僕のスタイルだ。しかし、2019年は前述したようにアジが絶好調。たまにメバルが釣れるという感じだった。これにより、おのずとメバルの動向や行動パターンに対して疑問が尽きなかった。
僕のホームエリアにおいて、11月半ばから12月いっぱいのメバルは産卵行動を意識したプリスポーニングの状態であることが多い。ちなみに、産卵絡みの魚の状態としては、産卵前のプリスポーニング、産卵中のミッドスポーニング、産卵後のポストスポーニング、産卵後の回復傾向にあるアフタースポーニングという4タイプに区別することができる。そして、各状態によってルアーへの反応、レンジやタイミングなど釣れ方に変化が生じる。
本来ならシーズン初期である11月半ばから12月にかけては各ポイントでルアーに好反応を示し、翌年の1月半ばぐらいからミッドスポーニングへと入っていく。その後、早ければ2月中旬ぐらいからアフタースポーニングの傾向が強くなり、徐々にメバル本来の行動パターンに戻るというのが定番的なメバルの動向だ。
しかし、2019年の初冬は当初こそ日中~夕まづめのタイミングでよく釣れたが、12月中旬には頻繁に口を使わなくなり、反応するレンジが深くなるとともに、口を使うポイントもタイトになっていった。もちろん、すべての個体がいっせいに産卵行動に入るわけではないが、どのポイントも状態の変化が早いと感じることが多かった。
この時期はメバリングの他魚としてガシラ(カサゴ)がヒットすることも多い。そして、メバルの釣果比率に注目することで、そのポイントのメバルの状態をある程度把握することができる。たとえば、それまでなら8割程度はメバルが占めていたのに、2割程度に激変してしまったときなどはミッドスポーニングに移行した可能性が高い。
その点を踏まえると、先に紹介した昨年末の釣況変化はメバルの産卵行動が早まっていると判断して間違いなさそうだった。そして、あくまでも個人的な見解だが、メバルの産卵行動は個体の大きさが1つの目安になると考えている。
以前は釣り人レベルで種分けされていたメバルだが、2008年に国内の専門家により遺伝子レベルで種別が行なわれた。結果、赤メバル(A型)・クロメバル(B型)・シロメバル(C型)の3種に分類されたが、それぞれ習性や生活環境に違いがあって当然成長過程も異なる。
一般的にメバルは体長15㌢にまで成長するのに3年ほどかかり、25㌢以上になるにはおよそ8年ほどの歳月を要するといわれている。漁港の堤防回りでよく見かける10㌢前後のメバルは3年以下の個体であり、産卵には関係ないと考えてよい。体長20㌢を越える5年魚以上の個体が産卵行動の対象となり、そのサイズが頻繁に釣れる場所こそが産卵行動の過程を見分けられるポイントともなる。
僕は良型メバルの引きが好きなのでそのようなポイントを回るのだが、前述したように2019年末は必然的にメバルの状態について考えさせられることが多かった。
12月中旬、ここ3~4年ほど冬になると定期的に訪れている愛媛エリアへロケで釣行。例年なら12月初旬に現地を訪れているのだが、日中には浮いているメバルが目視でき、昼夜ともに各ポイントで活発にルアーにアタックしてくるメバルが多い。
サイズは20㌢クラスをアベレージに、ときおり25㌢オーバーの良型メバルも混じって比較的イージーにキャッチすることができていた。しかし、今年も簡単に釣れるだろうと安易に考えてアタックしたところ、浮いているメバルは非常に少なくて口を使わず、ナイトゲームでも小型メバルのヒットに悩まされる状況だった。もちろん、いろいろと工夫を凝らしたが、昨年までの状況とは違って苦戦。遠く離れた愛媛県でも地元の神戸と同じ状況だったのだ。
正直ロケも「ハズした…」と諦めかけたが、状況を冷静に分析して試行錯誤の末に25㌢オーバーの連発に成功。これは商品開発も含め、普段から朝練、夜練と称して週に3~5回は釣行している成果だと自負している。以降ではそんな僕なりの立ち回り方について紹介したい。
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