タイミングとポイントを見極めて激戦区の尺メバルと真っ向勝負《後編》
リグの使い分け
さて、アプローチパターンはさまざまだが、大まかに近距離はジグヘッドリグ、中~遠距離はフロートリグやプラグの使用頻度が高い。いずれも釣りやすさと、個人的趣向により選択している。
近距離をジグヘッドリグで狙い撃ち
潮位、地形、流れを考慮し、つき場を特定して狙い撃つパターン。1~3㌘のジグヘッドを使用してストラクチャー際を攻めるスリリングさとダイレクト感は、ジグヘッドリグ本来の繊細なアプローチとは異質な、いかにも尺メバルハントといった豪快さがある。
探るレンジは表層から宙層をメインとし、若干水深のあるところ(5㍍まで)ではボトム周辺をチェックする。ストラクチャー際をタイトに攻めるのでジグヘッドのウェートは軽量で根掛かりを回避しやすい1~1.5㌘をメインに、風や潮流などに応じて調整する。
近距離戦のうえ、小場所やピンポイント狙いとなるので場荒れしないように手前から釣っていくことが大事だ。また、ヒット後はリールをゴリ巻きしてストラクチャーからいち早く引き離し、周囲の群れを警戒させないようにする。そうすれば常にフレッシュな魚を相手にできるうえ、根ズレも回避しやすい。
プラッギングで満足度を高める
尺メバルがプラグをくわえた写真は何よりもテンションが上がる(笑)。個人的にはルアーフィッシングをしている以上はやはりハードルアーで釣りたいし、釣れるとよりうれしい。
プラグは5㌢前後のシンキングペンシルをメインに、ミノーやバイブレーションを使用する。特に反応がいいのはシラスなどのベイトが接岸し、メバルの意識が表層に向く春先から初夏にかけての時期である。
狙い目はやはりシャローエリアに差してくる活性の高い個体だ。初冬~春先とは違って若干離れたところを通るルアーにもバイトしてくるが、やはり根回りや磯際といったストラクチャー絡みのポイントであることが前提となる。
レンジは表層をメインに探ればOK。根掛かりするとそれを外す作業によって魚を散らしたり、時間をロスするなどのリスクが生じるので、しっかりと下見をしていたとしても不用意にレンジを下げない方がよい。
尺メバルのみに狙いを絞ることで…
激戦区の南紀で個体数の少ない尺メバルを狙って釣るのは容易なことではない。しかし、攻めにくいことから竿抜けとなっている場所に目をつける、通い慣れた場所でもそれまでとは違ったタイミングでアプローチするなど、狙い方しだいで連発させることも可能である。ときには驚くようなシャローでヒットが得られることもあり、プレッシャーの増す中でも尺上のみに狙いを絞ることで見えてくることはたくさんある。
比率のうえでは20㌢クラスが多くなっているので運によるところもあるのは確かだが、狙いを絞って状況にアジャストさせていけばその運も突然回ってくるから気を抜かずにアプローチを続けたい。
(SWライトゲームマガジン2より)
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