グルメな釣り人が太鼓判を押す至極の魚料理レシピ 《PART1》

おいしい魚料理・レシピ1

調理は現場から始まっていると考え、まずは釣れた魚をおいしく持ち帰るために適切な処理を施しましょう。そして、ていねいに処理して持ち帰った魚をおいしくいただくのにおすすめのレシピは…

解説:加地武郎

魚の血抜きの方法

魚の生臭さの原因は主に血液にあるので、釣った魚をおいしくいただくには、何といっても血抜きが一番肝心だと思います。魚種にもよりますが、特に刺し身などで生食を考えているならしっかりと血抜きをしましょう。

注意したいのは、魚が元気なほど血がよく抜けるということ。死んでからではほとんど血は抜けませんので、釣り上げた直後に行なうのがベストです。

方法はエラブタをめくり、外側のエラを1枚だけナイフで切ります。一気にざっくりと切ると血が抜け切る前に絶命させてしまうので要注意。そもそもエラは血液に酸素を取り込むための大きな血管であり、心臓に直結しているので1枚切るだけでも勢いよく血が飛び出してきます。左右1枚ずつ切れば十分です。

また、魚のサイズが60㌢を越えるくらいなら尾ビレの付け根近くにもナイフで傷を入れて下半身の血抜きもしておくと安心です。尾ビレの付け根から5㌢ほど上の、側線下から背びれ側に目掛けてナイフを入れます。もったいぶって尾ビレの際ギリギリにナイフを入れても血管が細くてあまり効果がありません。大胆に尻ビレのあたりからでもいいくらいです。

側線の位置に沿って太い中骨(背骨)があり、血管はその下(腹側)を這うように通っています。ですから下から背ビレ側に向かってナイフを入れ、少しグリグリと捻るようにすれば血が出てきます。

この時点で魚はまだ元気なはずですのでストリンガーに掛けたり、フィッシュグリップでつかむなどして海水に浸けて血抜きをします。空気中では人間と同様に魚の血も固まりやすく、うまく抜けません。魚がエラブタを開閉して呼吸するたびに煙幕のように血が抜け出ますので、何度かそれを繰り返したらOKです。

神経締めも不可欠

次に大事なのが神経を締めることです。ここからはスピード勝負です。魚が絶命すると身にそのシグナルが伝達され、死後硬直が始まります。それをさせないために神経を壊すのがこの作業です。

特殊な硬線素材(市販品もある)を使用して細い脊柱管に通っている神経筋を壊すのですが、これには少々慣れも必要なので何度もトライしてコツを掴んで下さい。

まずは魚の腹を下にして立たせた状態(泳いでいるのと同じ向き)にして持ちます。そして、両目と鼻を結んだ三角のラインの真ん中あたりに軽くナイフを入れて表皮を破り、小さな穴を空けます。ナイフはエラブタの後端から始まる側線の頂点あたりを目がけて刺しますが、ズボッと強く入れるのではなく、締め具が入るだけの穴が空けばOK。神経が通っている脊柱管は背骨の上(背側)を通っており、そこへ締め具を導入するための作業なので角度には注意が必要です。

おいしい魚料理・レシピ2
まずはナイフなどで小さな穴を空けます。

その穴から締め具を入れていきます。脊柱管に通っていれば力を入れずともスルスルと入るはずです。途中で止まるようなら角度を微調整して入れ直しましょう。くれぐれも力づくで押し込まないように。管をはずれて身に刺さってしまいます。

おいしい魚料理・レシピ3
続いて締め具(ワイヤーなど)を通します。

うまく入ると魚はビタン、ビタンと暴れて眼球がブルブルと震えます。それを確認しながら尾ビレの付け根までしっかりと締め具を入れ、数回クルクルとひねってからゴシゴシと前後に動かして神経を破壊します。

とにかく神経締めはスピードが命なので、血抜きを終えたらできるだけ早く済ませましょう。血抜きと神経締めがしっかりとできていれば、魚は硬直せずにグニャグニャとした状態のままとなります。

おいしい魚料理・レシピ4
神経締めがしっかりと決まった身はハリ、ツヤともに最高。刃を入れてもまったく身崩れしません。

神経締めの成功を判断するポイント

神経締めが決まったときの目安は以下の2点です。それらを目で見て確認しながら処理を進めましょう。

おいしい魚料理・レシピ5
①背ビレがピンと立ってから戻る、もしくはピンと立ち続けている。
おいしい魚料理・レシピ6
②尾を切り落とすと神経管が数㌢出てくる。


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