半世紀のトライ&エラー|【THE ANSWER vol.7】
初めてキャッチした磯のヒラスズキ
続いて磯のヒラスズキを初めてキャッチしたときのこと。これは海のルアーフィッシングを始めて10年ほどが経過したころの話で、マルスズキはすでにそこそこの数をキャッチできるようになっていました。しかし、磯のヒラスズキに関する情報はなく、サラシの中で釣れるらしいということだけを聞いて狙いに行きました。
1度めは大潮の朝まづめに狙いを定めて釣行。ベタナギの状況下で半日ほど粘りましたが、当然釣れませんでした。しかし、この釣行でベタナギでもポイントによっては干潮時に少しだけサラシができることを知りました。
そこで、次は朝まづめと干潮が重なるタイミングで釣行。適度に波があり、大きなサラシが広がる中で何と1投めにヒットしました。
磯のヒラスズキに関しては最初の1匹を釣るのに苦労される方も多いと思いますが、私の場合は最初の釣行で運よく潮位とサラシの関係性を知り、そこに大きな学びがあったことでうまくいきました。
ちなみに、最初の1匹とのファイトではちょっとしたミスがありました。足場がそこそこ高い磯だったのでギャフを持参していたのですが、魚を浮かせて何度もギャフを打つものの、まったく掛かりません。ウロコのないところでないと掛からないのか? それともギャフの先にウロコが刺さっているのか? 何せヒラスズキとの初めてのファイトだったので勝手が分かりません。そこでギャフをいったん引き戻して確認すると、ギャフの先に透明のナイロンキャップがついたままでした(笑)。慌てたときによくやらかす失敗です。
釣りでのケガは恥ずべきこと
最後に最近の失敗談を。SNSでも紹介したのでご存じの方もいるかと思いますが、昨年自己記録のアカメをキャッチしたときの話です。
3年前からダイビングペンシルによるアカメのトップゲームにハマッており、この日もマグロ用のダイビングペンシル(タックルハウス・飛沫187)にアカメがヒット。25㌔クラスをランディングすることができました。
フックを外そうとすると、リヤフックがノドの奥に掛かっており、フロントフックは外れて口もとにありました。大型のアカメは釣り上げてからバタバタと暴れることが滅多にありません。そこで先の長いペンチを口の中にそっと差し込み、ノドの奥のフックをやさしく外そうとしました。しかし、このときはアカメが尾ビレを少々バタつかせ、3/0サイズのフロントフックが私の右手人差し指を貫通してしまいました。25㌔の魚と人差し指で繋がる恐怖は今思い出してもゾッとします。
このときは単独釣行だったのですが、冷静に左手でフロントフックをルアーから外し、その後にリヤフックを外しました。そして魚をロープで繋ぎ、ハリが刺さったまま病院へ直行。ことなきを得ました。医師は初めての経験だったようで、私自身がフックのカエシを潰してから抜くようにお願いしました(笑)。
少し話が逸れましたが、本当に危険な事故だったので、みなさんは決してこのようなことがないよう、くれぐれもご注意下さい。
最後に、このときの話を反面教師としてSNSで紹介したところ、武勇伝のように受け取る方もいらっしゃいました。また、磯でケガをした話などをまるで英雄のように語っている方もたまに見受けられます。ここでくれぐれもいっておきたいのは、ケガをするのは恥ずべきことです。それを肝に銘じて安全第一の釣りをお楽しみ下さい。
【辻本 隆・プロフィール】
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