ルアーマンとしてどうあるべきかを教えてくれた四万十アカメ|【釣り人生をかえた1匹④】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

ルアーマンとしてどうあるべきかを教えてくれた四万十アカメ|【釣り人生をかえた1匹④】

難しくも理にかなったスタイルに魅かれて…

初の四万十アカメはトップゲームでキャッチした。このパターンを最も得意とする方から有効性や難しさを聞き、その斬新さに魅かれた。

ただでさえヒット率の高くないアカメを、よりフッキングの難易度が高まるトップへ引きずり出す。何と格好のいい釣り方かと思った。最高の魚には最高の出会い方がふさわしい。たとえ釣れなくたっていい。もちろん、釣れたら最高だ。そんな気持ちで細かくレクチャーを受けた。あとはフィールドに立って自らのイメージ通りにルアーを操り、きたるべき瞬間に備えるだけであった。

群れを形成して複数で狩りを行なっている場合は別として、単独行動をしているアカメは逃げ惑うベイトを執拗に追いかけ回して捕食することは比較的少ないと感じている。また、捕食のしやすさという点からエビやカニ、ハゼやキスといった遊泳力がそれほど高くなく、ボトム付近でゆったりと行動しているものがメインのベイトとなるだろう。ボトム付近ならベイトを壁際まで追い込む手間も省けるし、ゆっくりと接近して射程圏内まで近づけば、強力な吸引力で一気に吸い込むことができるからだ。

その点では水面付近にいるものもアカメにとって格好のベイトとなるはずだ。魚からすれば水面も1つの壁となるから、ボトムと同様の捕食行動を行なっているに違いない。実際に、釣り場ではスズキ類とは明らかに異なる独特かつ強烈な捕食音を耳にすることがある。また、ルアーをじっくりと見せてアピールできることなどからも、アカメをトップで狙うことは理にかなっているといえる。

ただ、トップゲームにはフッキング率が低いというリスクがともなう。ルアーが水面にあるぶん、吸い込まれるときに大きな浮力を受けて抵抗になるだろうから、ラインテンションのかかり具合などのわずかなことでフッキングの成否が左右されるだろう。

また、いい反応が得られることもある反面、見切られやすいのも事実である。それに、前記のようにアカメがベイトを追う距離は短いことから、水深が深くなるほどトップに反応させることは困難になる。そのようにチャンスが限られる中ですべてのバランスを取る難しさはこのスタイルの醍醐味であるが、どうしても1匹を取りたいという場合には向かないと思う。

アカメ 四万十川2
威風堂々とした面構えが印象的なアカメ。

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