ターゲットの行動パターンを読んだ戦略でメーターオーバーのシイラをキャッチしよう!!《後編》
ショアからでもダイナミックな釣りが味わえるシイラは夏のSWゲームターゲットとして欠かせない存在だ。《後編》ではファイトのコツやタックル選び、食い渋り時の対策を中心にこの釣りのノウハウを紹介したい…
解説:黒川弘樹
フッキング~ファイトの心得
シイラゲームのフッキングについては、トップウォーターゲームの場合はとにかく焦らないことが大切だ。激しいバイトに慌てず、ロッドに重みが乗ってから合わせる。シイラの口回りは硬いから太軸のフックを貫通させるために力を込めて鋭く合わせたい。
また、シイラはバイトと同時にジャンプすることが多く、このときにロッドを立てているとラインスラックが発生してフッキングが甘くなりやすいので要注意。常にロッドを横に寝かせた状態でルアーを操作し、バイト時にラインテンションを抜かないようにすることだ。
フッキング後のシイラは猛烈に走り出すが、無理に止めようとしないこと。しばらく走らせていれば失速する。そのタイミングで追い合わせを入れ、徐々にロッドを立てながらリーリングで寄せてくるといい。シイラが下へ突っ込むことはない。沖合で体力を使わせながらジリジリと間合を詰めるのが得策だ。
ファイト中の激しいジャンプはシイラゲームの魅力のひとつだが、それに見とれていてはバラしてしまうことになりかねない。ロッドを寝かせたままサイドプレッシャーをかけ、できるだけジャンプさせないようにしたい。そうして足もとでおとなしく横向きとなるぐらいまで弱らせてやればキャッチ率を高めることができる。
魚が岸近くまできたらロッドを徐々に寝かせ、暴れさせないようにラインテンションをかけてプレッシャーを与える。根に突っ込もうとすることはまずない魚だが、岸近くで走られたら即座にベールを返してラインをフリーにし、ハエ根に巻かれるなどのトラブルを回避する。
なお、元気な状態で陸に上げられたシイラは大暴れしてルアーを激しく振り回すので非常に危険であるし、フックを外すのに手間取る方がファイトに時間をかけるよりも魚を弱らせることになる。特にリリース前提の釣りの場合は魚を陸に上げている時間を短くできるよう、ランディング前にしっかりと体力を奪っておくことだ。
タックル選びの目安
たいていの釣り場ではルアーの飛距離が要求されるからロッドは10~11㌳のMH~Hクラスが有利だ。磯の場合は波が高いと前に出ることができないし、ファイトにも無理が生じるため安全面からもあまり短いロッドはおすすめできない。
リールは十分なラインキャパシティーや巻き上げトルクを確保したいのでシマノなら5000~8000番、ダイワなら4000~5000番のスピニングタイプを使用する。ラインは数値のうえではかなり細くてもメーターオーバーを取ることは可能だと思うが、ショアでは余裕を持ってパワーファイトをするためにPE3号を300㍍は巻いておきたい。
《参考タックル》ロッド=メジャークラフト・クロスライドXRS-1002MH、クロスライドXRS-1002H/リール=ダイワ・ソルティガ4000、シマノ・ステラSW8000/ライン=YGKよつあみ・ガリス ウルトラジグマンWX8 3号、4号/リーダー=バリバス・ショックリーダーナイロン60Lb(1.5㍍)、80Lb(2㍍)/ランディングツール=漢スタイル・漢ギャフ/締め具=O.Tツールズ・ヘブン、漢スタイル・漢締めワイヤー
用意しておきたいルアー
朝まづめからスタートする場合、大型ミノーを使用して引き抵抗の変化から潮の流れを把握することに努め、足もとまではっきりと見えるほど明るくなればポッパーとダイビングペンシルにて表層への反応をうかがうのが基本戦略。以後は状況しだいで使い分ける。
また、釣れるシイラのサイズはやや小さくなるものの、食い渋り時に有効なのがワインド用のジグヘッドリグだ。これに反応させることで周囲の個体にも競い食いをさせて活性を高め、サイズアップをはかるという手もあるので活用したい。
《参考ルアー》エイムス・スプラッシュヘッド140F、120F/エコギア・パワーダートヘッド30㌘(スプリットリングを80Lbに、フックを#1に交換)+パワーダートミノー90/オーシャンサラブレッド・ラプター160F/ダイワ・ソルティガ ドラドスライダースイム/猛闘犬丸・ミノぺん160F/ジップベイツ・ザブラシステムミノー15HD-Fなど
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