オフショアマグロ、理想のタックルを追求|【釣り人生をかえた1匹②】
釣り方の変遷とニュータックルの登場
先の1匹を釣り上げたことで、ヘッド&テイルもマグロキャスティングの専門店化?して名が知られることとなった。それからはマグロを狙って九州や山口県・萩などへの遠征も重ねたが、30㌔までの小型が多いものの5~6月には高確率でマグロに出会える和歌山用のタックルやルアーの開発に力を入れた。
当初、ルアーはフローティングミノーがメインだった。マグロはルアーが着水するのとほぼ同時にバイトしてくることが多く、着水時に潜らないことが有利に働いたわけだ。
それが、10年以上前からはジグミノーを使用し、フォールで食わせるパターンが主流になってきた。同時に、11㌢前後の小さめのルアーの方がバイトを得やすいという場面が増えた(ちなみに、その後はフローティングプラグでの誘い出しや、放っとけメソッド、スローなアクションの有効性も分かった)。また、PEラインは6号で60Lbクラスだったのが90Lb以上とより強くなり、30㌔級であれば4号タックルでも十分取れるようになった。
そのようにルアーの小型化とライン強度のアップによりフックが伸ばされたり、ルアーが飲み込まれて歯によるラインブレイクが多発することとなった。そこで、トレブルフックではなく、太軸のアシストフックをフロントのアイに取りつけるスタイルが登場し、これが強引なファイトを可能にするとともにキャッチ率を高めた。
また、そうした釣り方の変遷に合わせて専用のツナロッドも登場した。ソルティガの旧シリーズのTUNA80は和歌山で30㌔級を相手に楽しむために、ダイワさんに無理をいって作ってもらったアイテムだ。
PE4~5号の使用を想定し、20㌘程度の小さめのルアーをキャストしやすいソフトなティップを搭載している。そして、大きめのプラグなどを使用する50㌔オーバー狙い用のTUNA85、PE4~6号に対応するオールラウンドモデルであるブルーフィン84というように、バランスのよいタックルを状況に応じて使い分けることでキャッチ率が飛躍的に向上した。これらは私が直接開発にかかわったこともあって思い入れのあるロッドである。
とはいえ、クロマグロはそうそう釣れるものではなく、タックルの開発といっても、たくさん釣ってテストを重ねるということは容易ではなかった。ここだけの話、ロッドのテストは国内、国外のGTのお世話になることも多かった。
スポンサーリンク
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。