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【深く理解して釣果に繋げよう!! 】ブリ・ヒラマサの見分け方と習性の違いは?

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両者の習性は大きく異なる

ブリとヒラマサは姿形は似ているが、その生活スタイルはまったく異なる。ブリは集団生活を行ない、数百、ときには数千匹もの同年級のものが群れを形成する。一方、ヒラマサは基本的に大きな群れは作らず、小さいうちは数十匹前後の群れを作るものの成長するにつれて数匹、あるいは単独の行動になる。陸上の動物でたとえるならブリは大集団を作るシマウマやヌー、ヒラマサは小さな群れや単独で行動するライオンやトラとでもいえるだろう。

餌の取り方、すなわち狩りの仕方も異なる。ブリは大集団の利点を生かして小魚の群れを取り囲み、小魚がボール状になったところでいっせいに突っ込んでパニック状態になった小魚を食べる。また、海底に向かって同様の行動を取ることもある。一方、ヒラマサはやや深いところや岩陰などを利用して身を隠しながら、餌の魚に狙いをつけて一瞬のダッシュで急襲する。動物でいえばチーターのような捕食行動だ。

このため、瀬や岩礁に対する行動が異なる。ブリも瀬や岩礁回りにつくが、狩りをする際にそうしたものは利用しないため、基本的に怖がる。一方、ヒラマサは積極的に瀬や岩を狩りに利用するため怖がらない。水族館の実験では、水槽中に作られたアーチ状の岩穴をブリはくぐらないが、ヒラマサは平気でくぐり抜けることが観察されている。

彼らのこうした行動は、ヒットする際やヒット後の行動に直結する。すなわち、ブリはしばしば水面に小魚を追いつけてボール状にし、そこに突っんで狩りをするので水面が湧き上がり、いわゆる「ナブラ」ができることが多いが、ヒラマサのそれは水面にある餌に飛び出す単独アタックであることが多い。

また、ヒラマサがヒットするとすぐに根ズレを起こしてラインブレイクすることが多いが、ブリでは水深がそれなりにある場所ならなかなか根ズレしない。ヒラマサ狙いでは「どうしてこの深い水深で?」というところでも容易に根ズレに持ち込まれて、悔しい思いをすることが少なくない。

味や身質は好みで…

ブリとヒラマサ、どちらがおいしいかと聞かれても、「好みの問題」と答えるしかない。脂がたっぷりと乗った照り焼きが好みなら間違いなくブリだが、適度な脂にしっかりとした噛み応えを求めるならこれは間違いなくヒラマサである。ただ、日数を置くと早く柔らかくなるのはブリで、ヒラマサの身は数日たっても柔らかくならない。また、味は肥満度でもかわるので、ときには思ったほどおいしくない、逆に思ったよりおいしいなど、いろいろな個体がいるのである。

最後に余談だが、ブリヒラという魚がいる。文字通りブリとヒラマサの混血魚である。これは成長の早いブリ、身質のよいヒラマサという両者の特徴を兼ね備えた魚を作ろうと人工的に作り出されたもので、私も過去に何回か釣ったことがある。おそらく養殖されていたものが逃げ出したものであろう。

姿形は両者の特徴を合わせ持っていて、区別がつかない。味も、今思えば両者の味と身質を持っていたように思うが、最近はあまり釣れなくなってしまった。

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