タイラバ・大釣りを実現するタックル使いとアプローチの要点|【responsive game vol.2】
低水温期に幾度となく大釣りを経験した今シーズンのタイラバ。タックルやアプローチを煮詰めていくことで見えてきた攻略のキーワードとは…
Text & Photo:賀川正志
霧の中で実釣開始
4月22日、鳴門海峡でタイラバを楽しんできた。当日は6時の出船に向けて車で港へ向かっていると、道中に設置された電光掲示板に「鳴門大橋濃霧に注意」という文字が。最悪の場合は船の乗り場で中止を告げられる可能性もあったが、無事に出船できることとなった。霧が出ている間は釣りにくくなるが、風の心配はないようだ。
港を出て堀越海峡を越えると亀浦(徳島)側は視認できるものの、鳴門大橋や海峡の中ほどは霧の中。他の船舶に注意しながらゆっくりと進んでポイントにたどり着いた。視界は50㍍ほどだろうか。その中で他船の話し声や船のエンジン音に注意しながら実釣スタートとなった。
タイラバで有効となるタックルを徹底検証
以前ならこの時期は2~3匹釣れれば上々と考えていた。しかし、今回の釣行に先立った何度かの釣りでその印象がかわった。話は遡るが、まずはその一連の模様を紹介したい。
最初の釣行は2月24日。以前から「厳寒期におけるタイラバの可能性を探りに行きましょう」と船長に話していたのだが、前日の晩に船長から誘いの連絡が。急なことだったが、思いつくタックルを用意して挑んだ。そして、いろいろと試した結果、3人でマダイ29匹に加えてメジロやメバルをキャッチ。バラしながらのこの釣果に「何だこの釣れ方は!!」と正直驚いた。
その後の3月4日にもタックルを見直して4人で釣行。 冷たい雨が降って厚い雲に覆われる中、朝の2時間弱で15匹のマダイをキャッチ。風が吹き出したところで撤収となった。
さらに、3月18日には4人で34匹と安定した釣果を上げたが、有効となるヘッドの種類やネクタイ、スカートの絞り込みという点で課題が残った。
そして、今回(4月22日)の釣行。結果からいうと、この日は5人でマダイ54匹にホウボウ、ガシラ、サバをキャッチ。船長も含めて全員で反応のよいネクタイ、ヘッド類を検証した。最初は濃霧で太陽の光が差さず、有効なカラーなどを特定することができなかった。しかし、霧が晴れて太陽が出るとピンクからアタり出し、最終的には白が安定して釣れた。1日トータルで考えるとこの日のヒットカラーは白。今後は水温が上がって魚の活性が上向くため、それがどう出るかといったところである。
この日、ネクタイのカラーは白、緑、ピンク、赤、黒、クリア、クリアのケイムラ、緑のケイムラ、紫、青、シルバー、種類は市販のカーリーと自作のものを試した。また、スカートは私と釣友の2人が使用したが、あまり釣果に差は出なかった。
ヘッドはタングステンの45㌘をベースに、シルエットの小さなものがベストであった。ただ、これで水深50㍍強まではボトムを取れるが、それ以上の水深になると厳しい。また、激流で知られる鳴門だけに、前述のウェートでは潮の影響をできるだけ減らして釣る必要がある。そこで必然的にPE0.3~0.5号という細ラインを使用することが前提となる。さらには1日の中で状況に応じてベイトとスピニングロッドを使い分けることで釣果アップに繋がることが分かった。
フックについては私の場合、タイラバにおけるフッキングは唇付近への貫通がベストと考えており、ベイトタックルなら9~10号、スピニングなら10~11号を使用。フックのフトコロが広ければ歯で止まる感じになるため、それを避けるために前述の号数を使っている。小バリの欠点としては唇を薄く貫いての身切れがあげられる。ただ、これらはどちらがよい、わるいというものではなく、好みの問題だと考えている。
以上のタックルバランスは市販されているものをマイクロ化しただけという印象を持たれるかもしれないが、私自身、これまでにテンビンを使ったり、ビシを段打ちにしたり、ジグヘッドを用いるなど、さまざまな工夫を凝らしたタックルをフィールドで検証してきた。そのうえでたどり着いた現時点の答えだ。ちなみに、最初は細ラインを使用するのに抵抗があったが、いざ使ってみると何の心配もなく使えた(使用するロッドによるが…)。他にも安価な鉛をヘッドに加工したりもしたが、これは改良が必要であることを実感した。
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