春のショア青物ゲームを満喫するための要点|【南紀沿岸警備隊 vol.4】
磯での安全管理について
私が落水したときは前日に大型のヒラマサを掛けたものの痛恨のラインブレイク。そのリベンジを果たそうと釣行したのですが、太平洋側を前線が通過し、結構なウネリが発生していました。
そんな中、私は波をかわせるように、ワンドの裏側に立ち位置を取りました。すると開始早々にハマチがヒット。魚を取り込んで何気なく沖に目をやると壁のような大波が…。すぐに磯の高場によじ登り、裏側に回り込んで岩にしっかりとしがみつきましたが、次の瞬間には波に飲み込まれて落水してしまいました。
その後は水中でかき回されながら明るい方向が水面だと考えて必死に泳いで顔を出しましたが、次から次に押し寄せる波に翻弄され続けました。まさに洗濯機の中にいるような感覚です。波が収まったところで岸に近づこうとしましたが、次の大波が押し寄せて思うようにいきません。そこでいったん沖へ逃げることにしました。
沖に出て様子をうかがいますが、頭から波を被り、体力を消耗していくのが自分でも分かりました。このままでは危険と判断し、波が落ち着いたタイミングで再び岸に向かいました。磯に上がれそうだったので両手でしがみつきましたが、そこから這い上がる力が残っていませんでした。そのとき、ちょうど背後から大波がきて、私を磯の上に押し上げてくれました。
以上のように、たまたま無事に帰ってこられたわけです。この経験からライフジャケットの着用についてみなさんに注意してほしいことがあります。
まず、股紐を通していないのはもってのほかで、これではライフジャケットが十分に機能しなかったり、スッポ抜ける可能性も出てきます。そして、できるだけしっかりと締めておくこと。股紐が緩いと落水したときに頭の高さが水面に近くなり、ちょっとした波でも頭から水を被ってしまいます。
余談ですが、私は水死体を見た経験が何度かあるのですが、波で服が脱げて全裸の状態がほとんどでした。それだけ波の力があるということです。
いずれにしても、落水時に身を守ってくれるライフジャケットですが、ウエストベルトや股紐をしっかりと締めることを習慣づけ、万が一の事態に備えましょう。
【関口 剛・プロフィール】
※上記のリンク先にある「ショア青物ゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。
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