黒潮の蛇行はいつまでつづく?|【知っていたからって釣れるわけじゃないけれど… その3】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア - Part 2

黒潮の蛇行はいつまでつづく?|【知っていたからって釣れるわけじゃないけれど… その3】

蛇行は長期化の見通し

では、この蛇行はいつ終わるのか?  研究者によるとこの蛇行は残念ながらまだまだ続きそうである。そもそも静岡沖に居座った冷水塊の回りを黒潮本体が反時計回りに回ることによって冷水塊は居座るのだが、どうしてこうなるかというと、それは関東沖から小笠原に向かって南に伸びる島々の周辺にある浅瀬が、冷水塊が東に押し流されることを阻止しているからである。この海底の山脈の壁を冷たい潮の塊が乗り越えて東に流れ去ってしまえば蛇行は終了するのだが、今年はこの冷水塊がまったく動き出すことなく、逆に西側に寄ってきている。

これは黒潮の流れが強いからで、強い流れが大きな渦、すなわち冷水塊を作り出す。解消するには黒潮の流れがさらに強くなって強力に冷水塊を押し流してしまうか、逆に流れが弱くなって渦を作る力が減り、冷水塊が小さくなって消えてしまうかのどちらかである。

今は困ったことにこのバランスがうまくとれている状態であり、こうなると蛇行は長期化するわけである。データのない過去にどれくらい長い蛇行が続いた歴史があるのかはわからないが、つい数十年前にも5年間も続いた記録があるくらいだからあまり期待し過ぎは禁物である。ただ、そろそろ解消してほしいと願うのは釣り人だけではないだろう。こうなれば、神様仏様、あるいは海の神様にでも祈るしかないか。


フィッシングタウン串本通信

今年で24回めを迎えるオフショアルアー釣り大会『潮岬オフショアートーナメント』が開催されます。それにともない、参加者の募集が始まりました。 

黒潮蛇行でシイラの姿は今のところ少ないですが、底物はそのぶん釣りやすい状況です。ビギナーも女性も大歓迎なので、どしどし参加をお願いします。

魚の匹数制限など釣り環境の保全にも初回から努めていますが、釣り方はキャスティング、ジギング、タイラバなど何でもアリなので、自由に楽しんでいただけます。本州最南端の潮岬沖で、思い切り楽しんでみませんか。ちなみに、5名グループ以上(定員8名まで)になると1隻チャーターできます。

なお、トーナメントの詳細についてはインフォメーションページ(https://memenet.co.jp/sw/sea_fishing/17550/)をご覧下さい。

黒潮の蛇行 釣り3

【宇井晋介・プロフィール】

幼いころから南紀の海と釣りに親しみ、北里大学水産学部水産増殖学科を卒業後、株式会社串本海中公園センターに入社。同公園の館長を務めた海と魚のエキスパート。現在は串本町観光協会の事務局長としてその手腕を振るっている。また、多くの激務をかかえながらもSWゲームのパイオニアとして「釣り竿という道具を使って自然に溶け込む」というスタンスで磯のヒラスズキ狙いやマイボートでのおかず釣りを楽しんでいる。

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