メータークラスのアカメとのファイト中にアクシデントが!! |【奇跡のランディング④】

アカメ ランディング1

捕食音が響き渡る河口で狙い澄ました通りにアカメのビッグバイトをとらえた。ところが、有利なファイトポジションを確保しようとリールに手をのばすと恐るべき事態が…

解説:程野 昇

当日の状況

奇跡的なランディングというと友人の釣った魚が強く印象に残っているのだが、それだと暴露話?になってしまうため仕方なく自分の体験を紹介しよう(笑)。

あれは20年以上も前のこと。当時はアカメ釣りにハマッており、さまざまなエリアで独特のパターンを模索して実践するのが楽しみであった。

その日は小さな河口の海側にあるテトラにエントリー。そこでは、ある条件が整う短時間にのみ可能な日中のトップゲームのパターンを見つけていた。友人とポイントに近づくとすでにアカメが独特の捕食音をあたりに鳴り響かせ、海面で渦を巻いている。テトラが苦手な友人に足場のよい実績ポイントを譲り、私は少し離れた角度のわるいテトラに乗った。

アクシデントに見舞われながらのファイト方法

焦る気持ちを抑えながら、このときのために自作したポッパーをキャスト。数投めに激しいバイトがあったがルアーは水面に残っている。その後も数回のバイトがあったものの、吸い込み型の捕食をするアカメの口にはなかなか入ってくれない。こうなれば私の実績ナンバーワンルアーを使うしかないとレッドフィンを取り出す。飛距離は伸びないがスローリトリーブでもしっかりと水を掴み、キレのよい引き波アクションを起こすのでこのパターンに見事にハマる。

キャストすること数投め。水面を泳ぐレッドフィンがズボッと、鈍い吸い込み音とともに消えた。合わせを入れるのと同時にロッドはバットから曲がり、愛用のペン・550SSのドラグ音が鳴り響く。「デカい、メータークラスだ‼」 しかし、このポジションでのファイトは厳しい。友人は阿吽の呼吸でルアーを回収し、サポートに回ってくれた。アカメの走る方向を確認し、沖へ向かったところでベールを起こしてラインをフリーにし、足場のよいところまで移動…と、ここまではうまくいった。

ところが、ファイトの態勢に入ろうとリールに触れたところ「あれ、ベールがない? いや、折れてる‼︎」 どうやらテトラを駆け上がったときにぶつけたようだ。引き出されるラインを呆然と見つめながら友人にそのことを告げると「またトラブルかいなぁ⁉︎」と、厳しいひとこと。実は、それまでにもリーダーのスッポ抜けやドラグ調整ミスといった失敗をしていたのだ。返す言葉もない…。

そのうちラインが止まり、無意識にハンドルを回すがローターがクルクル回るだけ。「もうダメだ」と思ったとき、ローターについているラインローラーが目に入った。止まって緩んだラインを掛けてハンドルを回すと巻き取れる‼︎ もっとも、小さなビス1本で止まっているだけであり、強いテンションはかけられないのでドラグをユルユルにしてやり取りする。そうして少しずつながら寄せることができて「取れるかもしれない」という雰囲気になってきた。あとはテトラ際での攻防のみだ。

ランディングパターン

強引に浮かせることはできないため足もとまでは寄せたものの魚影は確認できない。見えない相手に引かれてラインはテトラに沿って右へ、左へと移動する。私も大きなテトラを飛び渡りながらそれについていく。根ズレの感触があるたびにラインをフリーにしてかわしたが、そう何度も回避し続ける自信はない(ラインはナイロン20 Lb+リーダー50 Lbだった)。ようやくテトラ際にアカメの姿が見え隠れするようになったが、まだ余力を残しているようで浮かせられそうにない。

次の展開へ移れないまま気持ちがネガティブな方向へ傾きだしたときだった。友人が立つテトラの前でアカメが姿を見せ、横切ろうとした瞬間に「バシャッ‼」 なんと、悠然と泳ぐメータークラスのアカメに友人は1発でギャフを打って浮かせてしまったのだ。「お見事‼︎」としかいいようがない。

緊張が一気に解けて呆然としているところへ「コラコラ、こんなん1人で上げれんぞ。早よこい‼」と声をかけられて我に返った。そして近づいてみると、ギャフはきれいに下アゴに掛かっており血も出ていない。素晴らしい‼︎

頼もしい友人のスーパーランディングのおかげでキャッチのみならず、元気なままリリースすることもできた。きっとこのアカメは今も子孫を残し続け、多くのアングラーに感動を与えてくれていると信じている。

アカメ ランディング2
まさに“ピンチはチャンス”を実感。諦めずに最善を尽くせば運さえも味方につけられる。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう