青物&アオリイカ、水温と釣果の関係を実証|【F.R.E.A.M vol.5】
餌についたベイトに襲いかかってきたのは…!!
2度めはクラブメンバーの田村君と釣行。彼はルアーとフカセ釣りの二刀流で挑むため、どちらの釣りも成立する磯に渡礁しました。
2日前に調べた水温は18度でしたが、この日の朝イチに測ってみると16.1度。厳しい釣りになることを予測しましたが、予想通りに2人とも昼過ぎまでノーバイト。例のマイクロベイトが足もとで確認できるものの、前回のようにボイルは起こりません。
潮もそろそろ下げ止まりの時間帯となり、僕はすることがないので竿を置き、田村君にフカセ釣りのレクチャーを受けていました。すると、撒き餌についたベイトを目がけてボイルが発生!! 慌ててロッドを持ち替えて足もとにルアーをキャスト。小型のメタルジグをリフト&フォールさせるとガツンとヒット!! 強い負荷をかけると純正フックが伸びてしまいそうだったのでドラグを緩めて魚を走らせますが、明らかに浅い根の方へ向かわれました。
根にラインが擦れる感触が伝わってきたのでベールを返し、ラインをフリーにして魚を一度沖に走らせてからファイトを再開。一瞬ヒヤリとしましたが、以降はたいして走ることなくすんなりと寄ってきてランディング。キャッチしたのはロウニンアジでした。スレ掛かりだったのでよく引き、スリリングなファイトを楽しむことができました。
僕自身、ロウニンアジは今まであまり釣ったことがなく、低水温でこの魚が釣れることは予想外でした。ただ、釣り上げたあとに改めて水温を測ると17度台まで上がっていました。
今回分かったのは、ロウニンアジは水温17度でもルアーで釣れるということですが、このような些細な情報を積み重ねていくことでターゲットとなる魚の適水温を知ることができます。釣果はこの1匹だけでしたが、フカセ釣りをやっていた田村君のおかげで何とか魚と出会うことができ、納得の1日となりました。
ロウニンアジとのファイト動画
急激な水温低下の中でのエギングは…
その後、3月の月夜の日にナイトエギング&朝まづめの青物狙いで釣行。事前に確認した人工衛星による水温情報は18度。当エリアでの3月の平均水温ぐらいなのでまずまずといったところです。
そして、当日は予定通りエギングでアオリイカを狙おうと夜中にポイントにエントリー。さっそく水温を測ると何と14.1度。目を疑いましたが、実際に海水に触れるとかなりヒンヤリとしていました。
1日で4度も水温が下がると、アオリイカなどの変温動物はショック状態に陥り、まったく索餌しなくなります。最もよい状態といえるのは「水温の安定」ですが、この時期の当エリアは黒潮が離岸、接岸を繰り返すのでなかなか水温が安定しません。実際のところ1日に2度程度の水温変動は頻繁に起こるのです。
水温が下がって1~2日ほど経過すると、アオリイカもショック状態から回復して索餌するようになります。ただ経験上、狙いどころはこのタイミングではなく、水温が上がったときに合わせて釣行するとよい釣果が得られることが多いです。
さて、当日は厳しい状況の中で餌木をシャクり始めましたが、まったく反応がありません。やはり、この状況では釣れないということを改めて確認して竿を置きました。
翌朝は気持ちを切り替えて青物を狙うことに。数日前から西寄りの風が吹いていたため、ベイトが溜まっていることを予測して風を正面から受ける地磯にエントリー。この日の水温は15.7度でした。カンパチなどの南方系の魚を狙うにはかなり厳しい水温ですが、青物の中でもブリは低水温にも強く、水温が低下した状況でも狙いやすい魚といえます。
エントリーした磯には予想通りマイクロベイトが確認できました。さっそくタックルをセットしてキャスト開始。小1時間ほど経過したころにボイルが発生してチャンスが訪れました。吸い込むような出方ではなかったため、やはりマイクロベイトを捕食しているようです。
ここでルアーをクリアカラーのペンシルにチェンジ。最初にダイブさせてその後はリトリーブでミノーのようにヨタヨタと泳がせると、ルアーが瀬際に近づいたところで突然ひったくられました。心地よい引きを堪能してズリ上げたのは丸々と肥えたヤズ。今年は今のところ大型のブリの回遊が少ないのですが、ヤズはコンディションがよく食べても美味です。
その後はもう1匹釣ろうと試みましたが、ほどなくして立っていられないほどの突風が吹き出しました。海面では旋風が起こっています。これ以上の深追いは危険と判断し、後ろ髪引かれる思いで釣り場をあとにしました。
ただ、今回は2日間の休みを取っているのでこのまま帰るわけにはいきません。20時までは風が残る予報だったので夕方まで仮眠を取り、夕まづめの時間帯に合わせて風裏の磯にエントリーしました。
水温は16.3度と徐々に上がってきています。この水温なら何とかアオリイカは狙えそうだと期待が高まります。しかし、現実はそう甘くなく、イカパンチらしきアタリが1回あったのみで日没。いったん磯上がりして釣友と合流し、2個所めの磯へ向かいました。
このポイントも水温は16度台。この時期には珍しい小型のアオリイカをポツポツと抜き上げ、良型のアオリイカは期待できそうにないと判断して早めに納竿。その後は浜辺でBBQを楽しみ、翌朝の青物狙いに備えて就寝しました。
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