【スローピッチジャーク・ステップ3】理想的なアクションを演出するために…
固定したロッドの振幅でジグを持ち上げて自走へとつなげるのがアクションの基本。しかし、潮流やウネリによる振幅に合わせるにはロッドの固定を解除したり、保持角に工夫する必要があるから…
解説:加藤啓之
スローピッチの基本&応用スタイル
スローピッチのアクションコンセプトは魚の視覚に訴え、食べやすい餌を演出するというもの。では、実際にどのようにロッドやリールを駆使してそのようなアクションを演出するのか? そのキモとなる部分について解説していこう。
基本スタイル
まず、ロッドの保持角は海面と平行をキープ。そして、ロッドを持つ手と腕は動かさず、竿先から放出されるラインの角度は90度。これでリールのハンドルを巻くときの強弱で竿を振幅させる。
基本動作を言葉で説明すると以上のようになるが、ロッドを持つ手と腕を動かさないという点がポイントである。実際に試してみるとわかると思うが、これが腕に相当な負担がかかるのだ。僕自身、練習を始めた当初は肩が上がらなくなってしまった…(スローピッチというネーミングにダマされて甘く見ると痛い目に合う…)。
この基本スタイルは「ロッドはジグを動かすための道具」という考え方によるもので、竿の振幅でジグを持ち上げて自走に繋げるのが狙いである。
ヘタに手を動かし、いわゆる手ジャクリや腕ジャクリになるとジグに力が伝わり過ぎてしまう。その結果、ジグが水を押しのけるときの抵抗や進行方向の後方にできる水の乱流などで、ジグがひっくり返ったりする。つまり、スムースな自走を生み出すことができず、きれいに泳がなくなってしまうのだ。こうなるとヒット率も下がってしまう。ただし、このパターンはあくまでも基本の型であり、潮の速さやウネリなどに振幅を合わせていくために、状況によっては手ジャクリを用いたり、ロッドの保持角を変更することもある。
状況に合わせたロッドの保持角
海況が穏やかで船が安定している場合は基本スタイルで通用するが、当然そんな状況ばかりではない。実際には厳しい状況の方が多いといえるだろう。たとえば、ラインが自分から離れていったり、船下へ入り込むケースなどが出てくる。そんなときに基本スタイルである「竿は海面と平行」を実践すると、ティップとライン角度が鋭角になったり、鈍角になったりしてしまう。
このようなときはティップから90度の角度でラインを放出させるために、海面と平行という基本スタイルを無視してロッドの保持角を変更。90度のライン角度を保てるような体勢に持っていく。竿の一振幅のストローク幅を保つために90度という角度に近づけることを優先させるわけだ。
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