フライで楽しむ磯のヒラスズキ|【Mr. Perfect vol.4】
今回は釣趣を求めてフライで磯のヒラスズキに挑むことに。フライでの釣りはフッキング率の低さが最大の課題であり、限られたバイトチャンスの中でそれをいかに克服するかがキーとなるから…
Text & Photo:程野 昇
春の徳島県南部エリア
春一番が吹き、気温が上がってきた四国地方。しかし、海水温は気温の1カ月遅れという通り、年間で最も海水温の低い時期である。それでも私のホームである徳島県南部では春を告げるベイトのカタクチイワシが回遊してきた。そのカタクチを追って青物やヒラスズキも接岸するため、手軽にエントリーできるサーフなどは大勢のアングラーで賑わっている。
磯のヒラスズキも複雑な根を離れ、潮通しのよい場所でカタクチの回遊を待つ個体も増えてくる。春磯は波の出る日が多く、シンプルなサラシでのヒット率も高くなるので最も釣りやすい時期といえるだろう。
フライでヒラスズキにアタック
3月1日、この日は適度なウネリが入って磯からヒラスズキを狙うには好条件となった。そこで今回はフライで狙うことにした。
私がSWフライを始めたのは20年ほど前のこと。好奇心旺盛な仲間数人でヒラスズキやアカメ・青物などのパワフルなターゲットを「フライで釣ったらもっとおもしろいのでは⁉︎」と狙い始めたのがきっかけだ。フライの経験がなかった私はキャスト練習からのスタートであったが、「磯のヒラスズキなら近距離でヒットするから大丈夫」と練習もそこそこにチャレンジ。そして、早々にキャッチすることができてSWフライの世界にハマッていった。
当初はシングルハンドで狙っていたが、磯のヒラスズキに関しては安全性を考慮してダブルハンドを使うことが多くなった。とはいえ、現在はたまに気が向いたら楽しむ程度なので技術や知識はビギナーのころのまま。フライやラインシステムも自身の発想で作っているのでツッコミどころは満載だ(笑)。
ミスバイトを防ぐことが最重要課題
当日は、カタクチイワシが回遊してくるような先端部の磯は波が高く、フライでは厳しいと判断。入り組んだワンド奥の磯を選択した。ポイントに到着すると、予想通りによいサラし具合。先端部に比べて波の高低差も小さく、フライで攻めやすそうな雰囲気だ。
まずはアピールを重視したレッドヘッドのストリーマーをチョイス。ルアーと同様にサラシの中でも視認性に優れ、私の中で実績ナンバーワンのフライである。
後方が切り立った崖なのでバックスペースはないものの、ダブルハンドとフローティングラインの利点を生かしてロールキャストなどでじっくりと攻める。サラシの層が厚いときはシンキングラインの方がヒット率が高いのだが、今回は操作性を重視してフローティングラインを選んだ。
サラシの中を泳ぐフライを見ながら「ええ泳ぎやなぁ~」と思っているとヒラスズキがフライに襲いかかったが、これはフッキングせず…。バイトがあったポイントに再びフライを入れ直すと今度は水面を割ってヒラスズキが飛び出したが、これもヒットには至らなかった。これはよくあることで、フライでの釣りはフッキング率の低さが最大の課題である。
その後は反応がなくなったのでポイントを休めることに。1時間ほど別のポイントを探ったものの反応が得られなかったため、先ほどバイトがあったポイントに再チャレンジすることにした。
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