実戦ノウハウを伝授!! 春の大型アオリイカ攻略に有効な餌木は? | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

実戦ノウハウを伝授!! 春の大型アオリイカ攻略に有効な餌木は?

エギング 春イカに有効な餌木1

一般的に大型のアオリイカには大きな餌木が有効とされているが、果たしてその真偽は? 1年を通して結果を残すエキスパートが春に餌木をセレクトする基準について徹底解説!!

解説:武宮隆史

餌木の対応力を引き出す

「春シーズンは大きな餌木でデカイカと勝負‼」という考えもあるが、実際には「4号餌木=大きい餌木」と単純に決めつけるべきではない。その餌木が持ついろいろなシチュエーションへの対応力を引き出せず、自身のエギングの幅を狭めることにもなるからだ。見た目の大きさだけでなく、その特性をしっかりと理解して使用することが春先のみならず1年を通して大事である。

状況に応じたアプローチが最優先

「狙うアオリイカのサイズによって餌木の号数をセレクトする。春の大きいイカなら4号サイズ、秋の新子なら2.5号…」という考え方は間違いだ。完全に的はずれとはいわないが短絡的な考え方である。デカイカだって2.5号の餌木にしか反応しないときがあるし、小イカが4号を躊躇なく抱きにくることも多々ある。だから、前記のように考えている方はいったんそれをリセットしてほしい。

では、低水温期にありがちなシチュエーションごとの餌木号数セレクト方法を紹介すると…。

餌木をセレクトする基準

●ナイトゲームが有利な真冬パターン…大きな餌木を使用する。時期的に北西風が強く、ウネリが生じることも多いので、餌木の自重をアップさせて飛距離を稼ぐ、沈下する力を大きくすることによってブレのない安定した沈下姿勢でフォールさせるというのが狙いだ。また、自重だけでなく餌木の表面積が大きいことで操作性が向上し、水中の違和感をとらえやすいなど感知能力が高まることも視界がききにくいナイトゲームにおいて有利といえる。他に、単純にサイズアップ=シルエットが大きくなることよりアオリイカに対するアピール力も強まるためうってつけだ。

●河川絡みのポイント…海水温が低く、ベイトが少ない状況では意外とアオリイカは河川を意識している。河口などでは流れを利用したドリフトによるアプローチも試したい。その際には餌木の号数を下げる(=沈下スピードを下げる)ことで、より遠くへ流すことが可能となる。

また、ラインも流れを受けて弧を描くが、餌木を遠くへ流すほどその弧が深いトレースラインとなりやすい。そうすることで遠くにいるスレ知らずのアオリイカにアプローチする、距離が長いぶんフォール(=乗せのタイミング)の回数を増減させたりトレースラインをかえることで捕食のスイッチを入れる、といったことがやりやすくなる。

なお、このケースでは号数が大きなシャロータイプの餌木を使用する手もある。表面積が大きいぶん流れに乗りやすく、ドリフト釣法の幅を広げてくれるのでおすすめだ。

エギング 春イカに有効な餌木2
エギング 春イカに有効な餌木3
相手がデカイカでも小型餌木の使用が正解という場面もある。餌木のサイズはどのようなアプローチを取るかによって決めるものと考えたい。

●藻場、海藻帯…基本的にアオリイカが完全に産卵モードに入ると餌木への反応は薄く、エギングには不向きとなる。しかし、プリスポーンの状況ならば話は別だ。

水面から海藻の上面までの限られたレンジを狙う場合は沈下速度の遅いものが使いやすいので、餌木の号数を下げるかシャロータイプを使用するのがよい。フォールの時間は餌木にアオリイカが乗るタイミングでもあるため長い、回数が多いに越したことはない。

海藻帯のインラインやアウトラインを狙うときは餌木の号数を上げるか、自重をアップさせる。これは海藻の際をバーチカルに攻めたいのと、風にあおられて狙いのピンポイントからトレースラインがズレることを低減したいためだ。

海藻の上にステイさせるようなアプローチをしたいときは餌木の号数もしくは自重を下げる。単純に考えて軽いものほど海藻の上にフワッとステイさせることができ、重いものほど海藻の奥の方まで入り込みやすい。ベストといえるのは表面積が大きくて自重が小さいシャロータイプだ。

海藻帯のポケットを攻めるときはインラインやアウトラインを狙うときと同様。海藻に掛かりにくいようサイズ(シルエット)が小さく、バーチカルに攻めやすい自重の大きな餌木がベストマッチといえる。

●岩盤やシモリ際などにタイトについている状況…アオリイカがストラクチャーにタイトについて餌木を長く追わないということもこの時期によくある。定位するピンポイントが立ち位置から遠い場合は当然ながら遠投能力が高い号数の大きな餌木が有利である。自重が大きいぶん風などにより岸側に寄せらることが少なく、移動距離が少ないバーチカル気味なサソイを沖のピンポイントで繰り出せる。もちろん、そうしたアクションをさせるよう操作することも大事だ。

比較的近距離にあるブレイクや、サイトゲームでなかなかライドに持ち込めない状況は餌木の号数ダウンで対応する。シルエットの小ささによる抱かせやすさということだけでなく、自重の軽さを生かすという考え方だ。具体的にはボトムやブレイクにステイさせ、波の力を利用してユラユラとした動きでアピールする。軽量ゆえに姿勢が安定しにくいということを逆手に取ったアプローチである。一定の距離を置いてなかなか餌木との間合いを詰めないアオリイカを攻略する一手として覚えておくとよい。

以上のように、号数=狙うアオリイカのサイズ、と安直に考えるのではなく、ひと口に低水温期といってもさまざまなシチュエーションがある中でそれぞれに合ったアプローチを取るために自重、シルエットの大きさ、沈下速度、姿勢の安定性や表面積の大きさなどの要素を総合的に考えて餌木をチョイスすべきである。したがって、「春イカは4号餌木だけでOK」とは決していえない。

とはいうものの、個人的にはデッカい餌木でデカイカをドカンッ‼ と掛けるのが好きなので、4号サイズの餌木ばかり使っているんですけどね(笑)。

エギング 春イカに有効な餌木4
エギングにおいて沈下スピードは重要なファクター。サイズの大小に加えてシャロータイプを活用すれば攻め手が広がる。

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