コノシロパターンのシーバスゲームで大型&数釣りを達成!!|【欲張りショアラーのツボR vol.8】
低水温期のシーバスゲームで代表的なコノシロパターン。今回は自身の思惑とは違ったものの、2度の釣行で異なる楽しさを味わうことができました
Text & Photo 山本典史
真冬から春に向かうこの時期、ナイトゲームで厳しい寒さを感じなくなっても海の中はまだまだ低水温で魚も低活性。シーバスに関してはアフタースポーンの絶好機となりますが、決してイージーに釣れるというわけではありません。そこで今回は低水温期の代表的なベイトパターンでもあるコノシロパターンについてご紹介します。
コノシロパターンの大型シーバス狙い
低水温期のシーバスゲームにおいてはコノシロ、サヨリ、バチが特定ベイトになることが多く、その中でもコノシロはサイズが大きいことから大型シーバスがヒットする確率が高いと感じています。ただ、大型シーバスはやはり警戒心が高いもの。捕食スイッチが入れば信じられないほど大胆にバイトしてきますが、一方でボイルが頻発しているのにルアーには無反応という困った状況になることも少なくありません。
今回シーバスを狙って釣行したのは和歌山県・片男波海水浴場。この釣り場はいったんコノシロが入ると比較的長期に渡って居着き、それを狙って大型シーバスやメジロが回遊してきます。
片男波海水浴場でのコノシロパターンはデイゲームも成立しやすいのですが、日中はコノシロの群れを見つけてそれを引っ掛け、そのまま泳がせ釣りで狙われている方も少なくありません。そうなると少々釣りにくい部分も出てくるので、落ち着いて狙えるナイトゲームで挑むことにしました。ターゲットはシーバスのみとなりますが、より大きなサイズが期待できます。
まずはベイト捜しからスタート
ポイントに到着すると潮はかなり引いており、堤防の先の捨て石が露出していました。海水浴場の北側は新和歌浦漁港に隣接した大きな堤防、南側には小さな堤防があって沖に向かって少しずつ消波ブロックが沈んでいます。そして、今回はその真ん中にある小さな堤防で竿を出しました。
ここは沖に向かって長く捨て石が入っており、潮位が高いときはこの捨て石の際が狙い目となります。潮位が低いときは前述したように捨て石が露出するため、その上に立って釣りができます。また、この中央の堤防を挟んで南北いずれかのエリアにコノシロが溜まっていることが多く、迷ったときはとりあえず真ん中で竿を出すのが無難です。
ポイントに到着したのは干潮前後のタイミングで南風が穏やかに吹いていました。そこで風の当たる面を狙い目に設定。ウェーディングで注意しながら捨て石の上を進み、コノシロの群れを捜します。ちなみに、今回はシーバスとのファイトをダイレクトに楽しみたかったのでベイトタックルで挑みました。
ベイトタックルでのシーバスゲーム
まずは飛距離を稼げてアピール力の高いミノーで様子をうかがいます。コノシロを捜して徘徊するシーバスがいたら勝負が早いルアーですが、この日は反応がありません。ただ、途中でゴツゴツとコノシロに当たる感触が伝わってきたので、ベイトの居場所を特定することができました。
コノシロは捨て石が直線的に沈むラインと沖の消波ブロックとが交わるコーナー付近に群れていました。コーナー付近に群れるということはシーバスに追い込まれている可能性もあるのでその周辺を探ります。
ルアーをビッグベイトミノーにチェンジし、弱ったベイトをイメージして表層をスローにトレースします。最初のミノーよりも飛距離が落ちるため、キャスト時はロッドをフルスイングしてノーサミングで飛距離を稼ぎます。
僕がシーバス用のベイトリールに求めるのは、向かい風の中でストレスを感じない程度の飛距離が出ることと、フルキャスト時にノーサミングでもバックラッシュしないこと。つまり暗闇の中でも気をつかわずにフルキャストでき、飛距離がしっかり稼げるという性能を重要視しています。ちなみに、今回僕が使用したリールは暗闇でもほぼノートラブルでゲームが楽しめるので安心して使用できます。
シビアな状況下で大物がヒット!!
さて、実釣ではコノシロの群れの外側にゆっくりとルアーを通しますが、依然として反応はありません。それどころか、ボイルもなけれればルアーがコノシロに当たる感触もないので、まったく釣れる気がしません。「コノシロが移動したのかも…」そんな気がしたのでルアーをかえて深いレンジをチェックすることに。これで再びゴツゴツとコノシロに当たる感触が伝わってきました。しかし、肝心のアタリはありません。
さらにルアーをソフトスイムベイトに変更。ボトムまで沈めたら比較的速く巻いて浮上するように操作し、少し上層までいったらリトリーブスピードを緩めてゆっくりとレンジを下げます。
その数投め、ボトムから少し上げたときに魚がジャレついてくるような違和感を覚えました。そのタイミングで少しリトリーブスピードを上げると、明確なアタリが出たものの空振り。しかし、その後にルアーを回収しようとリトリーブを開始した直後に再度アタリが出て今度はフッキングに持ち込むことができました!! 魚はかなりの重量感でボトムに突っ込んだあと、急浮上して迫力のあるエラ洗いを見せました。時期的に産卵前のシーバスが多いのですが、キャッチしたのは産卵を控えた90㌢のシーバスでした。
ボイルも気配もなく、ハードルアーでは反応しなかったのに、ソフトスイムベイトには食ってきました。そんなシビアな状況のせいか、その後は再びまったくアタリがない状態が続いたので竿を置きました。
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