楽しい釣りを続けていくために…|【ほぼ月刊・武田 栄! vol.2】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

楽しい釣りを続けていくために…|【ほぼ月刊 武田  栄! vol.2】

海のルアー釣り 楽しみ方1

ルアー釣りには釣果を最優先する釣りと、自分が描く釣り方(スタイル)を最優先する釣りの2通りがある。そして、自然を相手にある程度自分の思う釣りをするには、相当な努力と経験が必要となるから…

文:武田 栄

「フィッシングショーOSAKA2019」を終えて…

「フィッシングショーOSAKA2019」は今年も大盛況のうちに幕を閉じた。我がGo-Phish(ゴーフィッシュ)も昨年に続き、日ごろよりお世話になっている魚矢さんという問屋さんのブース内でコーナーを設置させていただいた。お向かいは巨大なシマノさんのブースということもあり、初日の朝から怒涛の人だかり。そして、Go-Phishブースへもたくさんのみなさんが完成したばかりのポストカードサイズのロッドカタログを受け取りにきてくれた(感謝感激!!)。

僕もできるだけたくさんの方とお話しさせていただいたが、2日間のショーを終えて強く感じたことは、より釣り人らしいお客さんが多かったということ。そして、Go-Phishブースには全国からお洒落な若者たちや素敵なおじさんたち、そしてかわいい子供たちがたくさん訪れてくれた。

時代はかわる!!

たくさんのルアーメーカーが出展するようになった現在のフィッシングショーだが、日本のルアーゲームの歴史について考えると今から遡ること50年、僕もまだ生まれるかどうかぐらいのころが黎明期にあたる。おそらく一般社会の中で最も洒落たアウトドアな新しいモノ好き、遊び好きでセンス抜群のわずかな方々によって楽しまれるようになったのが日本のルアーフィッシングの始まりだろう。

スプーン、ミノー、トラウトからバス、そして80年代に入って海へと目が向けられた。「新しい釣り」として少しずつ広がり、バスブームから現在のSWルアーブームへ。やや広がり過ぎた感は否めないが、今や釣りそのものがルアーというような風潮となっている。

このコラムを読んで下さっているみなさんはおそらくほぼ釣り人であると思われるが、ルアー釣りが流行り過ぎた現在、釣り場の混雑はもちろん、魚が釣れなくなったと嘆く声も多い。そして「ルアーの釣りが格好わるくなった」という意見もよく耳にするが、実際に僕もそう思う。流行ってしまうということは、やがて格好わるくなってしまうことでもあるので仕方のない部分もある。ただ、だからといって自分が格好わるいと思う釣りをする必要もないので、そう思うみなさんはもっと深く楽しめる釣りを覚えればいい。

海のルアー釣り 楽しみ方2
自分の信念や価値観、好奇心に基づいた釣りを深く楽しみたい。

いうまでもなくルアー釣りは餌釣りとは大きく異なる。安易に釣果を求めるならなおさらだ。僕自身の言葉でいえば、ルアーでしか成り立たない釣りと、最終的に餌が断然有利となる釣りがある。もちろん我がGo-Phishが提唱するのは圧倒的に前者の釣りである。

分かる人には分かるが、ときには「釣れなくてもまぁいいや」と思えるほどストイックに楽しめる釣りもある。僕と同世代の方々へは誤解もないと思うので若いみなさんに説明しておくと、ルアー釣りにも2通りの道がある。それはあくまで釣果を最優先する釣りと、自分が描く釣り方(スタイル)を最優先する釣りだ。簡単にいうと、バスでいうトーナメントの釣りとトップウォーターの釣りである。

僕はその昔、バスのトーナメントがブームになりだしたころから一貫してアンチトーナメント派。そりゃ、10代のころは当時最も高級だったABUを何とか手に入れてワームでしこたまバスを釣ったが、20代に入るとバスはトップウォーターオンリーでゆるりと楽しむようになった。理由はバスにはその釣り方が最も合っていて、おもしろいと思うから。残念ながらフナやコイはトップウォータープラグには出てくれない、だからである。

そんな価値観を持つようになって気づけば30年以上も経つけれど、やはりルアー釣りをするなら人を避け、マイペースでゆったりやりたいと心から思う。これは海のルアーも同じ。だから僕はごく一部を除いて餌釣りはしないし、乗合船にも乗らない。過去に自分たちがメディアに紹介して広め、今ではすっかり人でいっぱいになった陸っぱり場も避ける。

「そりゃタケダさん、昔はよかったでしょ?」という声も聞こえてきそうだが、実は僕が20代のころにもすでに混雑により場荒れしている場所も多かった。タケダ式と呼んでいるいくつかの最強釣法はその状況を避けながら考えに考え、確立した釣りでもある。特に関西では、僕らの世代は今の若いみなさんと同じ悩みを抱えて必死に「より釣れる方法」を考え、編み出してきた。昔も夢のような釣りはそうそう体験できるものではなかった。魚が釣れないことや、何かとうまくいかないことを回りや時代のせいにしてはいけないのだ。コレ、釣りも生き方も同じでよくない考えだと思う。

メバル釣りひとつ取っても地元の泉南や大阪湾、早春には明石方面や淡路島、徳島と通い出して25年以上にもなるけれど、お陰さまで何だかんだと未だによく釣れる。もちろん場所ありき、魚ありきではあるが、僕(釣り人)の工夫もたいしたものである(笑)。

ヒラスズキだって同じ。30年前はほぼ仲間うちと知り合いのアングラーしか出会わなかった中紀エリアなどは、今や週末ともなれば磯であっても釣りができないほど混雑している。でも、天候をしっかりと読み、タイミングをずらして釣行すればまだ十分に釣らせてくれる。これはヒラスズキという特殊な魚と、地磯というロケーションの恩恵である。だから、釣果自慢はほどほどに、各自でもっと釣れる工夫をしてほしい。ルアーを小さくするとか、プラグのかわりにワームを使うとかいう安易なことではなく、新しい釣り方の工夫…そうそうないけどね(笑)。

海のルアー釣り 楽しみ方3
自分なりに工夫できるからこそ釣りは楽しい。周囲に惑わされず自分の釣りを楽しんでほしい。
 
 

新たな時代へ!!

僕の釣り人としての意見であるが、残念ながら今の日本の釣り事情は間違っていると思う。このままだとやがて釣り人が魚を釣れなくしてしまうことは明白。この点は非常に重要で人任せというスタンスではいけない。任せておくとすぐに誤ったルールができたり、「釣りするんやったら金取るで~」みたいな話になってしまうので、それだけは絶対に死守である。

やはり釣りのルールは釣り人が作らなければならない。ゴミ問題や魚の持ち帰りの暗黙のルール、そして、何より使うルアーや釣り方についての正しい知識。何かに先導された結果、大量のゴミだけを輩出するルアー釣りなんてやめた方がいい。

今年のフィッシングショーでは多くの「イケてる釣り人」のみなさんと話をして「まだまだ楽しい釣りできそう!!」ということを実感した。格好よく自由に釣りをしたいという親子連れ、また、若いみなさんがたくさんいてくれて嬉しい限り。お洒落で、アウトドア好きで、釣りも好き。「何でもエエから安モンを買って釣ってまえー!!」というような人たちとは価値観が180度違って笑えてしまう。

今やルアーを中心とした釣りの世界も明確に二分されようとしているのではないだろうか?   前述した「いい感覚」は若者だけではない。センスのよい幅広い世代のみなさんもいてくれる。海のルアーは音楽でいえばヒップホップのように(僕の解釈です!!)、凝り固まった定義がなく幅広い層に認知され、エイジレス化も進んでいる。

もちろん僕の役割もまだまだあると思っている。若者とライトゲームを楽しむのもいいし、センスのよいお洒落な年配のみなさんと行くのも楽しい。「ねっ、結局こっちの方がおもしろいでしょ?」  これが得てして王道であったりもするからなおさら楽しい(笑)。釣りは特殊な遊びである。自然相手にある程度自分の思う釣りをするには、相当な努力と経験が必要だ。

初心者のみなさんはまず正しいと思うものを理解して吸収し、諦めず釣りに行くことが大切だ。それしか方法はないし、いくら上手になっても残念ながらいつも全員に釣れるわけではない。思うようにいかないからこそ続く遊び、結局、魚のことなんて分からずじまいなのである。その中で楽しく遊ぶにはもちろんセンスが必要。我がGo-Phishは決して主流にはならないけれど、常に核心に迫るスタイルを継続していくのであります。

海のルアー釣り 楽しみ方4
今後も「楽しい釣り」を通して核心に迫るスタイルを追求し、提案していきたい。

【武田 栄・プロフィール】

先鋭のフィッシングギヤブランド、Go-Phish(ゴーフィッシュ)主宰。釣り研究家。メバルやアジ狙いのライトゲームからチヌ・シーバス・磯のヒラスズキまでさまざまな釣りに精通。「おもしろくなければ意味がない!!」をモットーに「タケダ式」と名づけた独創的かつ効率的な釣り方の研究に情熱を燃やしている。

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