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徹底検証!! 餌木以外のルアーでアオリイカは釣れる?|【SWクリニック】

エギング ルアー1

エギングにおいて餌木は絶対的な存在。ただ、この釣りを追求するという点も含めて他のルアーで釣れるかどうかは気になるところ。実際にさまざまなルアーを使って徹底的に検証したエキスパートの見解は…

Answer:武宮隆史

「餌木以外のルアーでアオリイカは釣れる?」という問いに対し、釣れる、釣れない、でいえば答えは「釣れる」である。

アオリイカを狙う際のアクションの基本はジャーク&フォール。ルアーフィッシングにおいては比較的単純であり一般的なものだ。その動きを再現できれば餌木以外の他のルアーでもアオリイカを釣ることができるのではないか? と考えるのはアングラーとしては至極当然だろう。

シャッド系プラグとリップレスタイプ

私自身もいろいろなルアーでアオリイカ釣りを試みてきた。まずはシャッド系プラグにカンナを搭載したもの。これはジャークするとアオリイカが興味を示し集まってきたが、サスペンド気味のステイやフォールでルアーから離れていった。おそらく、ルアーにリップがついていることにより静止時でも微妙な動きが発生し、アオリに警戒心を与えたのだろう。アングラー目線で見る限りステイやフォールに不自然さは感じられなかったが、ラインが風や波を受け、それに引かれたルアーのリップ部がわずかながらもアクションを増幅させているようである。

それならリップレスタイプならどうか? と試したが、これもフォール時にボディー形状により起こると考えられる微妙かつ不自然な動きでアオリイカが離れていき失敗に終わった。しかし、アクション時の集魚(集イカ?)効果は確認できているので、ステイやフォール時に不自然な動きが生じない形状、下方向への力の増加(ウエートを重くするなど)といった改善により、釣れる可能性は十分にあると感じている。

メタルジグ&メタルバイブ

次に、メタルスッテのバリエーションのような、メタルジグにカンナをつけたもの。実はこれまでに何度か、通常のメタルジグ+アシストフックという仕様ではアオリイカを掛けており、遠投が効いて餌木知らずのフレッシュな個体を狙えるという手応えはあった。そこでカンナ仕様のものを試したが、比重の関係からラインテンションをかけてもフォールの時間を長く取れず、うまくいかなかった。ラインを結んだ状態で水平姿勢を維持できるメタルバイブも結果は同じであった。掛かるには掛かるのだがあまりにも効率がわるい。結局、フォールの時間=アオリイカが乗ってくる可能性がある時間なわけで、それが釣果に比例するのだ。

S字系ビッグベイト

じゃあそれならと、S字系ビッグベイトにカンナを搭載してみた。これをキャストできるタックルの準備と、高額なルアーでボトムを取る勇気が必要だが、集魚効果の高さには目を見張るものがあった。特に春シーズンはS字を描きながら海藻帯をスローに通せば、餌木には反応しなかったデカイカがどこからともなく湧いてくることもしばしば。ただし、ライドにはあと一歩で、リトリーブを止めフォールさせてもいっこうにルアーを抱こうとしなかった。こちらもプラグ+カンナの場合と同様にアクションを止めていても何らかの不自然な動きがビックベイトに伝わっているように感じた。

それでも、この集魚力は捨てがたい。そこで私なりに考えたビックベイトの有効?な使い方はリトリーブ&ボトムステイ。これならアオリイカに出会うことができるはずである。とはいえ、根掛かりの頻度とアオリのキャッチ率を天秤にかけると、餌木以上の存在になるとはいえないのが現状だ。

ジグヘッド&スティック系ワーム

そして、比較的餌木に近い動きを演出できるのでは? と試したのがジグヘッド&スティック系ワームのカンナ仕様。これはシンプルで動きも餌木に近いためアオリイカが寄ってくるし、手も出してくる。しかし、ワームにワンタッチして終わることがほとんど。理由はおそらく、触腕でワームに触れたときに餌木のような引っ掛かりがなく、違和感を覚えるためだろう。

イカ類の吸盤には細かな歯があり、獲物に対してファーストコンタクトする部位であるから敏感な触覚を持つと想像できる。現状では布をまとった餌木の実績が最も高いわけで、それに勝るものにはならないだろう。ワームの表面に何らかの加工を施すことで改善されるだろうが、そこまでするのなら餌木で十分だ。布巻きでない餌木も市販されているが、主流といえるほどの存在にはなっていないことからも、表面の質感は重要な要素のように思える。

トップウォータープラグ

それでも懲りずに試したのはトップウォータープラグ。こちらも実際に自身でアオリイカを釣ったり、釣れたのを見聞きしたことがある。ただ、アオリイカは基本的に自身よりも下層にいる獲物を狙うことが多い。宙~底層にベイトフィッシュがプアな状態で、アオリイカの活性が高く水面や表層の餌を強く意識しているときなら有効だといえるが、そのようなチャンスが多いとはいえず、やはり餌木を凌ぐ存在になるとは思えない。

キャスティングタイラバ

最後に、キャスティングタイラバでの事例を紹介したい。キャストして底を取ったらタダ巻き、を繰り返している中で、海藻でも掛かったかのようなグーンとした重みを感じることが頻繁にあった。もしや、これはアオリイカでは? と何度かフッキングを試みて、やっとの思いでヒットさせたのはなんとコウイカ。これまでにアオリイカが釣れたことはないがイカらしきアタリが頻発することから、タイラバ用のラバージグは餌木にかわるモノに化ける可能性はあると思う。

このように餌木以外のいろいろなルアーでアオリイカを狙ってみたが、釣れたことはあるものの効率などを考慮すると餌木の方が…ということがほとんど。やはり、アオリイカを釣るために必要な動き、沈下姿勢、沈下スピード、表面の質感など、餌木の完成度はかなり高いものだと毎回思い知らされた。

ということで本題に戻ると、餌木以外のルアーでアオリイカを釣ることはできるが、現時点では餌木で釣るのが最善策といえる。ただし、将来的には餌木にかわる何らかのルアーが活躍する可能性がなくはない。失敗を恐れずチャレンジしていただきたい。

エギング ルアー2
大きな進化にはチャレンジが必要。今後も好奇心を持ってエギングを楽しんでいきたい。

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