釣果に繋がるフックセッティングの妙【オフショア・ディープジギング編】
マダラジギングでひと流しもムダにしないためには、トラブル回避を最優先して徐々に釣れるタックルバランスに仕上げることが重要。そして、フックのセットアップを行なう上で意識したいことは…
解説:川端健吾
《基本情報》 ターゲット:マダラ サイズ:小型~10㌔クラス 釣り場:浦島グリ(水深230㍍前後)
フックセッティングの軸
マダラの口は非常に柔らかいのでファイト中にバレることが多い。大型になるほど魚の自重でハリ穴が広がりやすいのだが、水深200㍍から上げてきてバラすとかなり手返しがわるくなるしショックも大きい。
そこでハリは掛かりやすさよりもバレにくさを重視したいところだが、タラはカケアガリの斜面などに多くついている。そういったポイントで深場から浅場に流す場合は根掛かりしやすいため、それを回避できる性能も重要となる。水深200㍍以上のポイントで根掛かりすると非常に厄介だ。いくら低伸度のラインを使っていてもラインが伸びてしまって切るのが難しい。船が流れない状況ならなおさらである。
フックの形状が最重要
いずれにしてもさまざまな状況を想定してハリを用意するわけだが、二枚潮が発生していて300㌘程度のジグでは着底がわからないときもあれば、潮がまったく動かずに250㌘程度のジグで底取りがトントンでできることもある。そういった部分は当日竿を出してみなければわからない。
そして、私の場合は潮が緩くて素直(二枚潮ではない)なときは掛かりやすさを重視したハリ、潮が速くて複雑(二枚潮の状況)な状況では根掛かり回避を重視したハリをセレクトする。
また、種類は丸軸のハリにこだわっている。ハリ穴が広がりにくくてバラシを軽減できるからだ。特に魚の身をホールドするフトコロ部分のみが丸軸で、その他のシャンク部分はタタキが入ってるようなタイプはバレにくいと感じている。さらに、ハリ自体の強度も高いので好んで使用している。
実際に私が釣行時に持参するフックのバリエーションは次の通りだ。
①細軸(フトコロは丸軸)のストレートポイント4/0のツインフック
②細軸(フトコロは丸軸)のカーブポイント4/0
※ともにアシストラインはPE15号(中芯はフロロ1.5号の3本ヨリ)のツインフック仕様。
セットアップの手順
まずは事前に船長から前日までの状況を聞いておき、当日のフック使いをある程度イメージしておく。ただし、1投めは悪条件を想定したセッティングで始める。フロント、リヤともに②(細軸〈フトコロは丸軸〉のカーブポイント4/0)のフックをチョイス。二枚潮で上潮が飛んでいるのにストレートポイントのハリをセットすると根掛かりする可能性が高まるので要注意である。
そして、潮の状態や魚の反応を見ながら少しずつハリを調整していく。潮が緩かったり船が斜面を浅場から深場へと流れているときはそれほど根掛かりを気にしなくてもよいので、ストレートポイントのハリを選択する。
また、何度もいうようにタラ釣りはバラシとの戦いであり、掛かりが浅いと簡単にハリが外れるはずれる。そういった意味でも深く刺さり込むストレートポイントが有利だ。
ただし、これはターゲットによっても異なるので、とにかくハリの特性をしっかりと理解する必要がある。口の柔らかいタラに対してはストレートポイントでも少ない力で貫通させることができるが、底物、特にハタ系やイシナギなどは口中や頭の骨が非常にかたい。ハリ先が立ちやすいストレートポイントで口中やかたい部分に掛けようと思うとかなりのフッキングパワーが必要になるし、バラシのリスクも高くなる。
対してカーブポイントなら口中には掛からずハリ先が滑って唇周辺に掛かる、もしくは骨に当たらず皮を浅くすくうように掛かるのでキャッチ率が高くなる(根魚狙いの場合は根掛かりのリスクを考慮して必然的にカーブポイントを選択するということもあるが…)。
以上を念頭に置き、状況に応じてハリをローテーションすればいいだろう。
なお、フォール時にバイトが多発する場合はカーブポイントのハリが有効となる。前述したように少ない力でハリを貫通させることができるのでフォール時のジグの重さと運動エネルギーにより、下方向への力でフッキングに持ち込むという考え方だ。
アシストラインの張りを調整して…
たとえば、フロントのアシストラインはフロロ入りの張りのあるもの、リヤは中芯なしのやわらかいもので吸い込みをよくして…というのがオーソドックスな考え方だろう。タラの口の形状からすると、吸い込む力がそれほど強そうにも思えないのでそのセッティングが正しいと思う。
しかし、リヤに中芯なしのアシストラインを使うと、シャクッているうちにどうしてもリヤのアイの中にハリ先が入るというトラブルが起こる。深場を狙うのでそのようなトラブルはできるだけ避けたいものだ。そこで私はリヤのアシストラインも中芯の入ったものを使っている。
アシストラインの張りの調整については中芯のフロロの号数をかえてもいいのだが、素材で調整するのも一手である。私はPE、ザイロン、シーハンターなどを用意しておいて釣り場で調整している。中芯の号数だけをかえると何号が入ってるのかわからなくなることが多いが、素材自体をかえればそのような心配もない。
基本的には張りのあるアシストラインから始め、バラすとやわらかいものにかえればOK。前述の3種類ならシーハンター→ザイロン→PEの順となる。ただし、シーハンターの場合、最初は張りがあるものの使っているうちにやわらかくなりやすいのでこまめにチェックするようにしたい。
以上はタラ釣りに限らず、他のターゲットを狙う際にも同じ考え方ができるのでぜひ参考にしていただきたい。
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