アジング・数釣りを実現するアプローチの手順|【Catch the Fun!! vol.3】
アジングで数釣りを実現するには魚の位置を見極め、効率のよいアプローチで釣果を重ねることが不可欠。また、数釣りを目標とすることで技術やスキルも磨かれるから…
Text & Photo 加地武郎
徳島のアジング事情
地元、徳島におけるアジングは晩夏から初冬までが盛期となり、2月ごろから夏の豆アジが釣れ出す時期まではおおむねオフシーズンといえる(大きな湾内で比較的水温が安定しているような場所ならほぼ1年を通してアジの反応が得られるが…)。地形的に見ると水深が浅い徳島沿岸は水温変化が激しく、厳寒期は冷水になってしまう。こうなるとアジは水温の安定する深場や水温の高いエリアへと生息域を移す。
今回はそんな時期に差しかかるタイミングで「より釣果(数)を伸ばす」ということをテーマにホームでアジングを楽しんだ。
強い北西風が吹くことが多い冬場だが、釣行当日も北寄りの風が強い予報だったので迷わず県南部の漁港へ(四国南東部は釣り場の背後に山が控えているので北西風に強い)。エントリーしたのは例年、厳寒期でも大小さまざまなサイズ(15~30㌢)のアジが釣れるポイントである。ちなみに、尺アジは秋から初冬にかけての時期に実績がある。今回は時期的に良型が期待できないため、湾内に残っている豆アジを相手に数釣りをしようと考えてタックルをセレクトした。
ヒットレンジを絞り込む手順
まずはやや岬状になった地形に位置する堤防の先端部へ。ここは常夜灯の明かりが効いており、安定感のある実績場だ。水面を見る限りアジの生命感はないが、1㌘のジグヘッドに2㌅のストレートワームをセットして表層からチェックを始めた。
表層付近では反応がないのでカウントしながら徐々にレンジを下げていくと、10カウントでファーストバイト。しかし、掛かりが浅くて途中でバレてしまった。「低活性な雰囲気が漂っていたので当然か…」と思いながら、今度は同じ10カウントのレンジで「チョンチョン」とリフトしてリトリーブ。追わせてから食わせの間を入れるようにすると、明確なアタリが出てしっかりとフックアップ!! 17㌢ほどの豆アジをキャッチした。
数釣りに不可欠な考え方
その後はある程度先のパターンを続け、微調整をしながら数釣りパターンを絞り込んでいくことに。ヒットレンジは1㌘のジグヘッドで10カウント前後ということが分かっているため、次に考えるのは距離的にどの位置でアジが群れているかということだ。
先ほどのアプローチではフルキャストから10カウント沈めてリトリーブを開始し、チョンチョンとリフトさせたあとに巻いてきて手前10㍍前後の距離に差しかかったところでアタリが出た。つまり10カウントのレンジで手前10㍍の位置を効率よく探れば数を伸ばせる可能性が高くなる。
そして、現在している1㌘のジグヘッドでは10㍍先のレンジをキープするのが難しい。このケースでは10㍍以上キャストできれば軽いに越したことはないので0.6㌘のジグヘッドにチェンジ。これを12㍍ほどキャストし、着水直後にラインを張ってテンションをかける。そして、アクションを入れたらステイを繰り返す、というパターンでアプローチすると狙い通りに連発となった。
余計なキャストやタイムロスを減らすことで釣果に大きな差が出るのがアジングだ。「そんなに数を釣っても…」と思う方もいるかもしれないが、食べない分は逃がしてやればいいし、アジングの技術やスキルを磨くうえでも数釣りから学べることは多いと感じている。
外掛かりやショートバイトへの対応
人より数を釣るためには釣れたアジのフッキング状態をしっかりと観察してほしい。すっぽりと口の中に入っているなら問題はないが、口回りに外掛かりしている場合、多くのアングラーはワームの長さを短くしようとする。しかし、アジの場合はフックのシャンクが長過ぎることが外掛かりの原因であることが多い。
この点については、アジがワームの後方からバイトしてきた場合はしっかりと吸い込まれるのだが、前や下、もしくは横からのバイトに対してはフックシャンクが邪魔になり、口に入らないことで外掛かりが起こるのだと考えている。実際にショートシャンクのジグヘッドに交換することでフッキングが改善することが多い。これは合わせても乗らないようなショートバイトに対しても同じことがいえるので、ぜひ試してほしい。
使用タックル
【ロッド】
ゴールデンミーン・アリア ARS-48S
ゴールデンミーン・アリア ARS-56S
【リール】
シマノ・ヴァンキッシュ1000PGS
シマノ・ヴァンキッシュC2000S
【ライン】
YGKよつあみ・チェルム アンバーコード SG D-PET クリア0.3号
【リーダー】
YGKよつあみ・チェルム アンバーコード アブソーバー ウルトラストロング FCリーダー0.8号
【ジグヘッド】
土肥富・レンジクロスヘッド0.6㌘、1㌘
土肥富・フロードライブヘッド0.6㌘、0.8㌘
【ワーム】
FISHLABO・ジャミー
レイン・アジアダー
【加地武郎・プロフィール】
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