ロックショアゲーム・二刀流のすゝめ | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

ロックショアゲーム・二刀流のすゝめ

ショア青物ゲーム 沖磯1

私の釣行スタイルは「ルアー、餌を問わずにとにかく磯の釣りを満喫する!!」というもの。このようなスタイルになった理由は「とにかく釣りがうまくなりたい!!」「もっと楽しみたい!!」という強い思いがあったからで…

Text & Photo 西口元晴

マイスタイル

ルアー釣り一辺倒だったころの私はショア青物ゲームや早春のサクラマス釣りを楽しんでいました。その中でサクラマスをよく釣る人はアユ釣りをする人が多いことに気づきました。そして、私も川の流れや石を見極めるためにアユ釣りにチャレンジし、勉強したいという思いが強くなりました。

磯でもグレやイシダイを狙う釣り人は潮を読む能力が卓越しています。特にイシダイ釣りでは「潮を釣れ」といわれるほど潮をよく観察します。こちらも潮を読めるようになれば、ルアーでもっと釣ることができるのではないかと考えてイシダイ釣りを始めました。

そして、実際に餌釣りを始めたところ、餌のよさ、ルアーのよさがよく見えてくるようになりました。今では沖磯に渡れば潮に応じて餌とルアーを使い分け、磯の釣りを満喫しています。

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餌釣りにも興味を持つことで、より充実した1日を過ごせるようになりました。

釣りという趣味は自分なりのこだわりを持って楽しむものであり、その点を重視することは非常に意義のあることだと思っています。ただ、沖磯はポイントの移動が困難であるなど、特殊な面があります。その点を踏まえ、貴重な休日に沖磯へ釣行する場合はルアー釣りだけに終始するのは非常にもったいないというのが私の考え方であり、ぜひ餌釣りも楽しんでほしいと思っています。

海は刻々と状況が変化します。昨日釣れていたのに今日はさっぱりというのも日常茶飯事。せっかく渡礁したのにまったく魚からの反応がない(通称・島流し状態)こともよくあります。このようなときに餌の用意をしておけば、お土産釣りや時合待ちの根魚釣りなどで楽しく過ごすことができます。何より他の釣りを経験することで自分のメインの釣りに生かすことができます。

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お土産確保の釣りも非常に楽しく、いろいろと勉強になります。

二刀流の楽しみ方

「ルアーと餌釣りの二刀流を楽しむことなんてできるの?」と思われる方も多いでしょうが、十分に楽しむことができます。以下で例をあげるので参考にしていただければ幸いです。

例1:夜中出船の沖磯釣行

●瀬上がり後…カゴ釣りでイサギやマダイ狙い。
●夜明け前…サラシがあればヒラスズキ狙い。なければポッパーで青物狙い。
●日中…自分のメインの釣り。
●時合待ちや暇な時間…根魚狙いやカゴ釣りでイサギ・マダイ狙い。

例2:瀬泊まり釣行

●日中…自分のメインの釣り。
●夜中…クエ釣りをしながらカゴ釣りでイサギ・マダイ狙い。
●時合待ちや暇な時間…根魚狙いやカゴ釣りでイサギ・マダイ狙い。

このように紹介すると忙しそうに思えますが、これを実践することでメリハリができ、自分のメインの釣りにより集中できるようになったというのが私の感想です。

私の場合、ルアーの青物狙いがメインのときは、夜間はクエを狙いつつカゴ釣りでイサギやマダイを狙い、日中はイシダイ釣りをしつつ青物を狙っています。時合や潮の流れを見ながらイシダイに集中するか、青物に集中するかを決めています。

一方、フカセ釣りがメインのときは、夜間はフカセでイサギやマダイを狙い、朝まづめはルアーでヒラスズキや青物、日中はフカセでクロやマダイ、潮の止まる時間帯は根魚を狙うといった具合です。

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せっかく沖磯に渡るのだから、目一杯楽しんでさまざまな知識を貪欲に吸収しましょう。

以上、2パターンに大別しましたが、餌だけが釣れてルアーはまったくダメということは多々あるものの、ルアーだけ釣れて餌は釣れなかったという経験はほとんどありません。そういったことから沖磯は必ずルアーと餌の両方で挑むようになりました。

自身の経験からもよく分かるのですが、餌釣りを始めるのに抵抗があるルアーマンは多いと思います。逆に餌釣り師は積極的にルアーを取り入れて楽しんでいる方が多いのが現状です。ルアーマンが餌釣りに対して持つ抵抗感として、餌の手配や購入の手間があげられます。また、荷物が多くなるのも難点だと思いますが、最初はそれほど多くの道具は必要ありません。両方を満喫するにあたり、バッカンを1つ購入することをおすすめします。バッカンは素晴らしいアイテムです(笑)。タックルボックスにもなれば、餌入れにもなるし、ライブウェルにもなれば、魚入れにもなります。このバッカンが1つあればカゴ釣りやフカセ釣りのときはオキアミ、イシダイ釣りのときはウニやサザエなど、餌入れとして使用することができます。

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磯ではバッカンが1つあればかなり重宝します。

まずはタックル流用で始めよう!!

タックルは流用できる釣りとできない釣りがあります。カゴ釣りやクエ釣りはショア青物ロッドの流用で楽しめます(探り釣りに限ります)。イシダイ釣りはタックルの流用が厳しいので興味のある方は1セット揃えることをおすすめします。また、シーバスやメバルロッドでフカセ釣りをすることも可能です。いずれにしても流用で始めておもしろければ専用タックルを揃えるというのが無駄のない自然な流れでしょう。

イシダイ釣りに関してはアユの友釣りと並び、日本の古来の伝統の釣りです。私自身、すごく奥が深くて楽しいと感じています。またショア青物や磯のルアーゲームに大切な「潮を読む」というスキルが確実にアップすることは間違いありません。さらに、餌釣り師の魚とのやり取り、潮や時合の読み方はショア青物や磯のルアーゲームにプラスになることばかりです。

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潮を読むスキルを磨くことでルアーでの釣果が安定することは間違いありません。

渡船利用時の注意点

離島への遠征や沖磯へ釣行する際は素早い荷物の受け渡しが鉄則であり、シケなどの状況では素早く撤収するために渡船に乗っている釣り人全員で協力するのがマナーです。離島などへ行く際は餌釣り師の方々は率先して瀬渡しの荷物の受け渡しの手伝いをしています。対してルアーマンは積極的に瀬渡しや荷物の受け渡しを手伝っている人が少ないというのが現状です。

ポーターさんがいる場合は指示してくれますが、いないときは乗客の協力で安全に素早い瀬渡しと回収が可能となります。その点を踏まえて積極的に荷物の受け渡しを手伝うようにしましょう。舳先のホースヘッドに立つ必要はありませんが、回収時は迎えの船に乗ってすぐに休むのではなく、次の次の回収までは手伝うようにしましょう。

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全員で協力するのが渡船のマナー。それを念頭に置いて充実した1日を過ごしましょう。

荷物について

沖磯へ渡る際に重い荷物を1つにまとめているルアーマンが多いですが、荒れている磯では荷物を投げられたりすることがあります。そういったことからも重い荷物を1つにまとめるよりも3つ程度に分散する方が受け渡しが安全であり、スムーズに行なえます。ロッドも裸で持ってくる人がいますが、船上では雑に扱われることが多く、瀬渡し時には投げ渡しも多いので、必ずロッドケースに入れるようにしましょう。

さて、今回は私なりの二刀流釣行を紹介しましたが、興味のある方はぜひルアーと餌の垣根を取っ払って磯の釣りを楽しんでいただければと思います。

今後も二刀流の釣行例やおすすめの釣行などを紹介していきたいと考えていますので、1つの楽しみ方としてご覧いただければ幸いです。

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自然の変化を察知して釣果に結びつけるのが釣りの醍醐味。視野を広げてアングラーとしてのスキルの向上を目指しましょう!!

【西口元晴・プロフィール】

鋭い観察眼を武器に磯の大型青物に挑み続け、結果を残す実力派アングラー。また、アングラーとしてのスキルアップを目指してイシダイやアユといった餌釣りにもチャレンジ。こちらも本格的に取り組み、現在はルアーと餌の二刀流で磯の釣りを楽しんでいる。

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