再現性のあるマイナーな地磯を捜すということ |【ショア大型青物への道 vol.1】 | SWマガジンweb | 海のルアーマンのための総合情報メディア

再現性のあるマイナーな地磯を捜すということ |【ショア大型青物への道 vol.1】

ショア青物ゲーム 大型ヒラマサ1

年間を通して地磯で大型青物を追いかけるのが私のスタイル。特にメインターゲットとしている大型ヒラマサと出会えるチャンスは限られていますが、それでもこの釣りの本質を突き詰めれば決して飽きることはありません。この連載を通してその醍醐味や私なりの取り組み方について伝えていければと思っています…

Text & Photo 越智信清

磯の大型青物狙いの魅力

私にとってのSWゲームとは大きな魚が豪快にルアーに食いつく釣りです。合わせが決まった瞬間に全身を駆け巡る緊張感と、全力で挑む真剣勝負のやり取り…。仮にボウズが続いても、その醍醐味を知っていれば毎週磯に立つ情熱が沸き立ちます。

歳を重ねても夢見がちに鼻息荒くロッドを振っている私ですが、小学5年から親しんでいる海のルアー釣りを一時はやめようと思った時期もありました。それは今から8年前の30歳のときでした。何気なくメジロを引き抜いて締めていたところ、ふいに「つまらん、かわいそう…」という思いが込み上げてきたのです。当時はお気に入りのポッパーを遠投して毎週のようにメジロを釣っていましたが、それが虚しく思えてきたのです。この日のことは今でもよく覚えています。

ところがその年の10月にやる気なく訪れた磯でのこと。相棒のトランペット170を引ったくったヒラマサの引きは私の想像をはるかに越えるものでした。なす術なくラインブレイクとなったのですが、切られたラインを持つ手が震え、「これだ!!」と思ったことを鮮明に覚えています。以降、私の中で磯の青物ゲームは楽しいものではなく、情熱を燃やすものにかわりました。

それから8年が経ちましたが、現在の私の青物ゲームをひとことで表現すると、「地元の地磯にやってくる最大級の青物を狙う釣り」ということになります。真夏はカンパチ、真冬はブリを狙いますが、ほぼ年中ヒラマサに照準を絞って毎週地磯に立っています。

愛媛県のロックショア・ヒラマサゲーム

私の地元、愛媛の地磯はヒラマサの魚影が薄い海域です。ここ5年、愛媛の地磯で私が仕留めたヒラマサは5匹という非常に厳しい現実があります。そんな出会うことすら難しいヒラマサを追い求めている私が重要視していることは、「再現性のある釣りが展開できるマイナーな地磯を捜すこと」です。過去にヒラマサがヒットした磯、もしくはその周辺の磯の特徴を掴み、ヒラマサが現れる条件を絞り込んで狙い撃つというスタイルです。残念ながら「再現性のあるマイナーな地磯」は3年ほどで「釣れない磯」になることが多いと感じています。再現性を重視すれば必然的に過去の実績に注目することになりますが、たった数年で海の状況はかわるものです。5年以上も前の釣果を信じてエントリーする磯を決定すると、かえって遠回りになってしまうのです。

それと、自分以外のアングラーが竿を出すようになると、明らかにヒラマサの気配が薄れます。理由は分かりませんが、間違いのない事実だと感じています。これは地元のヒラマサの絶対数に関係するのかもしれません。だから「再現性のあるマイナーな地磯」とは、場所取りなどいっさい必要としない場所です。私の場合、10回行って2~3回車がとまっていれば、そのシーズンはそこへ出向くことすらありません。

そういったことから新たな地磯を捜すことは、私にとって非常に重要な作業です。夏の干潮時に海外線を歩いたり、泳いだりして有望な磯を捜し、秋の釣りに備えています。

ショア青物ゲーム 大型ヒラマサ2
魚影の薄い愛媛県の磯でヒラマサを狙っています。難しい相手ではありますが、そこへ向けて自分なりに取り組んでいくことが最高に楽しいと感じています。

初冬にヒラマサを狙って釣行

2018年の初夏は調子がよく、ヒラマサやカンパチを釣り上げることができました。しかし、秋~冬シーズンはメジロすら少ない状況で、釣れている磯は週末になると必ずといっていいほど車がとまっています。

その中で私はヒラマサの実績や可能性のあるA磯とB磯に目星をつけ、ボウズ続きながら新たな収穫を求めて竿を出しています。どちらの磯も他のアングラーと出会うことがないマイナーな地磯です。

12月2日もヒラマサを狙って夜明けからA磯にエントリーしました。ここは上げ潮でも下げ潮でも独特の潮目が発生する場所で、その潮目が狙える1時間ほどが勝負となります。この日は明るくなった時間帯からメジロのチェイスがあり、のんびりとキャストを続けていると狙いの潮目が現れました。

ショア青物ゲーム 大型ヒラマサ3
夏の間にしっかりとポイントをチェック。地形やストラクチャーなどを確認することはもちろん、ときには軽量ジグを投げて水深やボトムの様子、大型青物のベイトとなりうるベイトの動向なども掴んでおきます。そして、目星をつけた場所で秋〜冬に勝負をかけるというのが例年のパターンです。

メジロの気配が消え、本命のヒラマサの雰囲気が漂います。「数年前は上げ潮のこの潮目でヒラマサが食ってきてここにズリ上げたな…」とか、「2年前は下げ潮時にこの潮目が現れた瞬間、ヒラマサが掛かったけどキャッチできなかったな…」などと思い出に浸りながらダイビングペンシルやポッパーを投げ続けます。しかし、何も起こらないまま1時間が経過しました。狙いの潮目は消えてしまい、メジロのチェイスが復活しますが、深追いはせずに終了としました。

12月8日は夜明け前に手軽な地磯にエントリーしました。ここでまずはヒラスズキをキャッチ。引きを楽しんだところで夜明けに合わせてB磯に入りました。

ショア青物ゲーム 大型ヒラマサ4
ヒラスズキが元気な引きを楽しませてくれました。

ここでは過去にヒラマサを釣り上げた経験はありませんが、海底の起伏とめまぐるしく変化する潮流が何かを期待させてくれ、私の中では有望な磯です。根ズレのリスクがかなり高い場所なので、この日も本気のヘビータックルで力の限り投げ続けましたが、何も起こらずに終了となりました。

以上、12月に入っての2日間の釣行では残念ながらヒラマサの気配を感じることができませんでしたが、狙いのヒラマサに徹して投げ続けたことが妙に清々しく、いずれも満足できる釣りでした。同時に2018年秋~冬シーズンのヒラマサチャレンジも終了という印象を受けました。

今後の展開としては、真冬の海に現れる丸太のように太った13㌔クラスのブリがメインターゲットとなります。ヒラマサ狙いはいったん中断し、しばらくは寒ブリ狙いに熱中する予定です。

ショア青物ゲーム 大型ヒラマサ5
今後は丸々と肥えた寒ブリがメインターゲットとなります。

使用タックル

普通磯用

【ロッド】
ゼナック・デフィ ミュートス110HH

【リール】
ダイワ・ソルティガ5000
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【ライン】
PE5号

【リーダー】
PE12号(5㍍)+ナイロン80Lb(8㍍)+フロロ130Lb(2㍍)

【ルアー】
シェルシェイピングルアー・ブルータイド180
シェルシェイピングルアー・カットバック180

【フック】
カルティバ・ST-66(♯4/0)※状況によりシングルフックを使用
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荒磯用

【ロッド】
ゼナック・デフィ ミュートス100HHH

【リール】
ダイワ・ソルティガZ 6500 ドッグファイト

【ライン】
PE6号

【リーダー】
PE12号(5㍍)+ナイロン130Lb(8㍍)+フロロ170Lb(2㍍)

【ルアー】
シェルシェイピングルアー・トランペット230
シェルシェイピングルアー・ツイスターf2

【フック】
カルティバ・ST-66(♯5/0)※状況によりシングルフックを使用
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【越智信清・プロフィール】

地元の愛媛で10歳のころよりSWルアーゲームに親しみ、学生時代を大阪で過ごしたことから激戦区の紀伊半島で釣りの腕を磨く。帰郷後は「その磯のヌシを釣る」ということをテーマに、1年を通して大型ヒラマサを追い求めている。独自の硬派なスタンスでターゲットに挑み、各種トップウォータープラグを用いた釣りを得意としている。

【ショア青物ゲーム・安全とマナーについて】

※上記のリンク先にある「ショア青物ゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。


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