南紀の地磯で大型ヒラスズキと紙一重の攻防を展開 |【漢磯紫流儀 vol.4】
紙一重の攻防の結果は…
80㌢オーバーが先にバイトするということは、小型はあまり餌を捕食していないのかもしれない。そう考えると、さらなる大型が潜んでいる可能性も浮上する。
ここでリーダーとフック、ドラグテンションをチェックして再びミノーを投入。潮位が下がり始めているのでサラシは厚みを増しつつ広範囲に広がっており、先ほどよりも雰囲気がよくなっている。さらに潮が引いたことで少しだけ狙いのピンポイントに近づけるようになったため、アプローチの精度が上がってドリフトも演出しやすくなった。
しかし、数投するも期待に反して反応がない。ポイントの状況を考えるとまだヒラスズキがいそうだし、食ってくる条件が十分に揃っているように思われる。私の場合、このようなときは「これで出なければ諦めがつく」という精度の高いアプローチが決まるまで時間をかけて何度でも攻める。
特に大型のヒラスズキは理に適ったアプローチを実践しなければ口を使ってくれない。理想のアプローチに少しでも近づけるようイメージしながら、数個所の流れを見つけてはそこに根気よくミノーを委ねていく。
そしてミノーを回収する寸前、緩んだ流れが落ち着きかけたときに、強風の中で「バフォン」という捕食音が響き、直後にロッドが大きく弧を描いた。先ほどのヒラスズキの引きよりも重量感があり、なかなか浮上しないことから大型であることを確信した。
グイグイと深みへ向かう魚に対して「ここが勝負どころ!!」とばかりにロッドをベンドさせてバッドで耐える。トルクはマックスとなり、魚がバテるまでロッドを大きく曲げた状態を維持する。そのとき、1つののフックが外れたような嫌な感触が伝わり、数秒後にテンションが完全に抜けてしまった。
「身切れか?」 回収したルアーをチェックすると、何とセンターフックのリングが伸びてフックが飛ばされていた。さらに唯一掛かっていたテイルフックも伸びて無残なことになっていた。これを見て悔しさが込み上げてきた。自分の詰めの甘さが招いた結果である。
昨今の紀伊半島ではなかなか出会えないサイズだけに、しばらく呆然とするしかなかった。やはり大型にはわずかなミスもごまかしも通用しないということを改めて痛感した。紙一重ではあるが、自然に対してあと一歩のところが詰め切れなかった…。
未熟な自分への悔しさと同時に、再びイチから仕切り直して今シーズンも磯に通い続けようという強い思いが湧いてきた。今回の敗北も含め、溜まった借りを必ず返すことを心に誓った。
気持ちを切りかえ、いつものように現地で干物とカツオの刺し身を購入し、それを肴に自宅でビールを飲みながら沈んだ気持ちをきれいに洗い流すことにしよう。そして、再び素晴らしい魚との出会いを求めて磯に通い続けよう。そう考えて釣り場をあとにした。
使用タックル
【ロッド】
シマノ・エクスセンス S1100H/R- Wild Full Contact -
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【リール】
シマノ・ステラ4000XG
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【ライン】
シーガー・R18 完全シーバス1.5号
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【リーダー】
シーガー・グランドマックス7号
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【ルアー】
デュオ・タイドミノー145 SLD-F
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デュオ・タイドミノースリム120
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シマノ・エクスセンス サイレントアサシン120F AR-C
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シマノ・エクスセンス スライドアサシン100S X AR-C
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【赤木光広・プロフィール】
※上記のリンク先にある「磯のヒラスズキゲーム・安全とマナーについて」を必ず読んでいただき、ルールやマナーを守り、安全対策をしっかりと講じたうえで事故やトラブルのない釣りをお楽しみ下さい。
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