90㌢級のヒラマサを相手に小マサ用のタックルで大奮戦!! |【奇跡のランディング①】
ハマチや小型ヒラマサの数釣りを楽しむつもりでお気楽なタックルを携えて沖磯へ。ところが、不意に大きなライズが見られたかと思うとまさかの大物がヒット。さらにその後も予期せぬ展開が…‼
解説:本林将彦
当日の状況
かなり前の話になるが、山陰の三尾へ釣行したときのこと。その時期の山陰エリアでは産卵絡みでデカマサの姿は見られないので、60㌢前後の小型のヒラマサやハマチの数釣りを楽しむつもりだった。
当日は波もなく気持ちのよい快晴に恵まれ、ときおり7㍍以上の西寄りの風が吹く絶好の釣り日和。三尾の一級磯である茶釜へ初心者3人組と上がった。そこは他の磯よりも沖の潮がよく当たり、ベイトおよび本命の魚影が濃い。ただ、一見ドン深でファイトしやすい磯に見えるが全体に底が荒く、足もとから30㍍ほど先までの各方向に嫌らしい根が点在する。
また、沖に向かって右側の足もとは大きくえぐれ、左側には階段状に複数の根がある。そのため70㌢クラスまでのヒラマサであれば力勝負で浮かせれば比較的キャッチしやすいが、大型ヒラマサとなると手前まで寄せても足もとで根ズレしてしまうことが多い。
この日は前述のように小型ヒラマサの数釣りを楽しむつもりだったのでP E2号の比較的ライトなタックルを使用。このポイントで大型ヒラマサとの近距離でのファイトなどにはとうてい自信の持てないセッティングであった。
足もとで想定外のサイズがヒット
日がのぼるとハマチが退屈しない程度に釣れ出した。磯は広いもののよい足場が2個所しかないので初心者の3人に優先的に釣ってもらい、僕は彼らが休憩を取るタイミングでキャストする程度で、のんびりと釣り日和を楽しんでいた。
魚の反応がほとんどなくなった昼前(たぶん11時ごろ)、左側にある西肩の磯と港口周辺に大きな単発のライズが見えた。デカいシーバスかと思いながら、そのとき釣り座にいた2人に「デカいのが回ってるかも‼」とハッパをかける。それから3人はかわるがわる30分ほどがんばっていたが、手前でも1発大きいライズがあったもののバイトはなく、疲れて休み始めた。
そこで交代して左手の足場に立つ。僕自身もシーバスかヒラマサかは分からなかったが、妙な予感がしたのでジグのシルエットを大きめにしようと思い、100㌘オーバーのものにかえた。
1投めに足もとまでツバスよりデカい魚が追ってきたのが見えた。2投めは反応なし。
3投め、先ほど足もとで魚影が見えたことから回収寸前までていねいにジャークすると、足もとから2㍍ほどのところで何かデカい魚にジグをひったくられた。強い衝撃とともに4㌔に設定したドラグがけたたましい音を立てる。しっかりとフッキングを入れたとたん、ヤバい個所である左後方の磯際ギリギリに突進された。無理矢理止めようとすればPE2号ではひとたまりもないし、止められたとしても根に潜られる。「これはアカン‼」と思ったら案の定、根に擦れる感触が伝わってきた。
「終わった~‼」と諦めかけたとき、クセになっているのか無意識のうちにベールを起こし、ラインを完全フリーにしていた。すると、西風を受けたラインが大きくフケて磯際に当たったことで、魚は磯際の方から引っ張られていると勘違いしたのか、向きをかえて西肩方面の深場へ走り出した。そのままラインを出して自由に走らせ、止まったところでベールを戻す。頭を振っている感触からこちらを向いていると判断し、覚悟を決めてドラグを少し締めて勝負に出た。
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